センチュリオン20ポンド砲を搭載したMk.3
性能諸元
全長9.83m
車体長7.55m
全幅3.39m
全高3.01m
重量52t
懸架方式ホルストマン方式
速度34 km/h
行動距離450km
主砲
Mk.1-2
58.3口径17ポンド砲(74発)
Mk.3-8
66.7口径20ポンド砲(65発)
Mk.9-
51口径L7 105mm砲(64発)
副武装
Mk.1-4
7.92mm ベサ機関銃(3,600発)
Mk.5-
7.62mm M1919重機関銃(4,200発)
装甲
砲塔
前面:152mm
側面:89mm
後面:89mm
上面:25mm
車体
前面:76mm
(Mk.5/1以降、+50.8mm)
側面前部:51mm
側面後部上:36mm
側面後部下:20mm
車体上面:25mm
底面:17mm
装甲スカート:5mm
エンジンロールス・ロイス
ミーティア・ガソリンエンジン
650HP
乗員4名
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センチュリオン(Centurion)は、イギリスで開発・量産された戦車(50トン級)であり、第二次世界大戦後第一世代の主力戦車でもある。イギリスで制式装備された他、各国にも輸出され使用された。
"センチュリオン"(Centurion)の名称は、ローマ軍団の「centuri?(百人隊長(ケントゥリオ)」に由来する。 第二次世界大戦までのイギリス陸軍では戦車を、機動戦に使用する高速力の巡航戦車と、重装甲で歩兵を援護する歩兵戦車に分けて開発、運用していた。しかし北アフリカ戦線や西部戦線におけるドイツ軍との戦闘で、巡航戦車は速度と引き換えにされた装甲の貧弱さ、歩兵戦車は重火力と引き換えにされた機動力の無さが明らかになった。また、ドイツ軍の重戦車を撃破可能な17ポンド砲はどちらの戦車にも砲塔が狭すぎ搭載できなかったため、巡航戦車と歩兵戦車それぞれの長所を兼ね備えた強力な新型戦車の開発が進められた。 その開発は1943年10月にA41重巡航戦車として始まり、イギリス国内での鉄道による輸送やベイリー式工兵架橋での渡河を考慮しつつ最大限の車幅を確保して設計された。これにより大直径の砲塔リングが使用可能となったことで17ポンド砲を搭載し、ドイツ軍のティーガー重戦車と正面から撃ち合える火力と装甲を持った。厚い装甲と火力を備えることを最優先とし、さらに新開発のサスペンションは当時最新のトーションバー式と比べて基本構造は旧式だが、整備・交換性の良さと車体容積の拡大および短停止射撃の際の振動時間短縮の面で総合性能としては同等かそれ以上であり、実用上は何も問題はなかった。 原型20輌はミドルセックスのAEC社に1944年に発注され、1945年に最初の6輌(試作3、4、6、8、9、11号車)が完成し、4月には「重巡航戦車A41センチュリオン」と命名され、翌月に英陸軍に引き渡されたが、最初の戦場になる筈だったベルギーへの輸送中にドイツが降伏したため、本格的な戦闘は経験しなかった。 試用の結果、1-10号車に搭載された20mm機関砲は乗員により無用と評価され、以後機関銃搭載型が生産された。 プロトタイプとは別に、一体鋳造構造の新砲塔が戦中に製作されており、これを車体前面装甲を強化しエンジンをミーティアIVA、最終減速器のギア比をプロトタイプの6.94から7.47に変更した車体に搭載した車両がA41AセンチュリオンMk.II第一号車として採用。そのままの形でヴィッカース・アームストロング社とロイヤル・オードナンスのリーズ工場で製造されることに45年8月に決定した[1]。 センチュリオンMk.3からは攻撃力の高い20ポンド砲に換装し射撃を安定させるスタビライザーを搭載した。朝鮮戦争で初めて実戦を経験したMk.3はその高い能力を証明し、同戦争で用いられた戦車の中で最高の評価を得た。[注 1] 設計は堅実で発展の余地があったため、その後もセンチュリオンの改良は休み無く続けられ、やがて20ポンド砲に代わる火力として後に西側第二世代戦車の標準装備となるL7 105mm ライフル砲を搭載した。イギリスではチーフテンが配備されるまでの20年間、Mk.13まで改修を重ねて主力戦車の重責を果たした。さらに各国で独自の改修型、派生型が開発され、南アフリカのオリファントのように外見上はもはや別物化したものまで存在する。 歴代主力戦車の比較表チャレンジャー2チャレンジャー1チーフテンコンカラーセンチュリオンMk.3-13
概要
1-10号:呼称A41、17ポンド砲、20mm ポールステン機関砲
11-15号:呼称A41、17ポンド砲、7.92mm ベサ機関銃
16-18号:呼称A41S、77mm 砲、7.92mm ベサ機関銃(砲塔後部)
19、20号:呼称A41S、77mm 砲、7.92mm ベサ機関銃
画像
世代第3.5世代第3世代第2世代第1世代
全長11.55 m11.5 m10.8 m11.582 m9.83 m
全幅3.52 m3.51 m3.50 m3.987 m3.39 m
全高3.04 m2.95 m2.89 m 3.353 m3.01 m
重量68.9 t62 t55 t66.044 t52 t
主砲55口径120mmライフル砲
インドは、印パ戦争でセンチュリオンを投入し、パキスタン軍のM47およびM48パットンと交戦し、待ち伏せ攻撃により圧勝した。
また、オーストラリアはベトナム戦争の派遣軍に参加する際にセンチュリオン Mk5/1を投入したが、戦車戦は発生しなかった。