セレン欠乏症
Selenium
概要
診療科内分泌学
分類および外部参照情報
ICD-10E59
セレン欠乏症(英語: Selenium deficiency)は、セレンの欠乏によって引き起こされる病気である。ヒトでは極めて稀で、通常ではほとんど報告されていない。 消化器バイパス手術を受けて高カロリー輸液を受けている重篤な腸機能免疫不全の患者[1]や90歳以上の高齢者でセレン欠乏症は起こり得る。 ほかには、セレンが不足している土壌で栽培された作物を摂取している場合にセレン欠乏症は起こる可能性がある。 米国での成人の食事摂取基準は55 μg/dayである。英国では成人男性75 μg/dayであり、成人女性 60 μg/dayである。55 μg/dayの基準は、血漿グルタチオンペルオキシダーゼの十分な発現濃度に基づいている。セレノプロテインP[2]は、セレンの摂取状況の良い指標であり、セレンタンパク質の十分な発現には66 μg/dayが必要とされている[3]。 セレン欠乏症は、死をもたらすこともあるケシャン病(クーシャン病、克山病) en:Keshan disease セレンは、甲状腺ホルモンであるチロキシン(T4)をより活性型であるトリヨードチロニンに変換するためにも必要であり、セレンの欠乏症は過労、精神の減退、甲状腺腫、クレチン症、再発性の流産を繰り返す不育症を含めた甲状腺機能低下の症状を引き起こすことがある[4]。 セレン欠乏症は、土壌にセレンが極端に少ないためセレンの摂取が少ない[6]中国の地域で最もよくみられる。中国江蘇省での調査では、セレンサプリメントを服用することによりセレン欠乏症による疾患の減少がみられる。
原因
参考基準値
症状
疫学及び予防
脚注[脚注の使い方]^ ⇒Effect of micronutrient status on natural killer cell immune function in healthy free-living subjects aged >=90 y1 - Ravaglia et al. 71 (2): 590 - American Journal of Clinical...
^ Papp LV, Lu J, Holmgren A, Khanna KK (2007). “From selenium to selenoproteins: synthesis, identity, and their role in human health”. Antioxid. Redox Signal. 9 (7): 775?806. doi:10.1089/ars.2007.1528
^ Xia Y, Hill KE, Byrne DW, Xu J, Burk RF (2005). “Effectiveness of selenium supplements in a low-selenium area of China”. Am. J. Clin. Nutr. 81 (4): 829?34. PMID 15817859
^ a b DRAFT
^ ⇒NEJM - Kashin-Beck Osteoarthropathy in Rural Tibet in Relation to Selenium and Iodine Status
^ “ ⇒Selenium: Mineral Deficiency and Toxicity: Merck Manual Professional”. 2008年11月29日閲覧。
関連項目
風土病
グルタチオンペルオキシダーゼ