セレン化亜鉛
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セレン化亜鉛


IUPAC名

zinc selenide
別称スチールアイト(Stilleite)
識別情報
CAS登録番号1315-09-9 
PubChem4298215
特性
化学式ZnSe
モル質量144.35 g/mol
外観淡黄色固体
密度5.27 g/cm3
融点

1525 °C
への溶解度微容
バンドギャップ2.82 eV (10 °K)
屈折率 (nD)2.67 (550 nm)
2.40 (10.6 μm)
構造
結晶構造閃亜鉛鉱型構造(立方晶)
格子定数 (a, b, c)a = 566.8 pm A
配位構造四面体形 (Zn2+)
四面体形 (Se2?)
熱化学
標準生成熱 ΔfHo-177.6 kJ/mol
危険性
EU分類有毒 (T)
環境への危険性 (N)
EU Index034-002-00-8
RフレーズR23/25 R33 R50/53
SフレーズS1/2 S20/21 S28 S45 S60 S61
関連する物質
その他の陰イオン酸化亜鉛
硫化亜鉛
テルル化亜鉛
その他の陽イオン硫化カドミウム
硫化水銀
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

セレン化亜鉛(セレンかあえん、: zinc selenide、ジンクセレナイド)は、淡黄色の不溶性の固体である。25 °Cで2.7 eVバンドギャップを持つ真性半導体である。標準生成エンタルピーは25 °Cで177.6 kJ/molである。結晶は閃亜鉛鉱の形をとり、格子定数はa = 566.8 pmである。天然にはほとんど存在しない。ハンス・シュティレ(Hans Stille) にちなんで名づけられたシュティレ鉱(Stilleite)という鉱物から発見された。
応用

セレン化亜鉛は
発光ダイオード半導体レーザーを作るのに用いられ、青い光を発する。ハロゲンなどがドーピングされて、N型半導体になる。P型半導体を作るのは難しいが、窒素を導入することで達成できる。

0.6 μmから10 μmの広い範囲で高い透過率があり、赤外光学材料に用いられる。

クロムをドーピングされたセレン化亜鉛は、2.5 μmの赤外線レーザーを発する[1]

セレン化亜鉛はセレン化水素ガスと亜鉛蒸気から微結晶シートとして作られ、耳に差し込む体温計から黄色い窓ガラスまで生活の広い範囲にも使われている。空気中の水分と徐々に反応するが、大きな問題とはならない。

テルルをドーピングされたセレン化亜鉛は、ピークを640 nmに持つシンチレーターとなり、フォトダイオードに適する。これはX線ガンマ線の検出器として用いられている。セレン化亜鉛型の検出器は、硫化亜鉛を使ったものとかなり性質が異なる。

化学

酸と反応すると有毒な
セレン化水素を発生する。

有機金属気相成長法などの化学気相成長を用いて結晶を成長させることができる。

出典^ Cr2+ excitation levels in ZnSe and ZnS, G. Grebe, G. Roussos and H.-J. Schulz, J. Phys. C: Solid State Phys. vol. 9 pp. 4511-4516 (1976) doi:10.1088/0022-3719/9/24/020










亜鉛の化合物
Zn(I)

Zn2Cl2

有機亜鉛(I)化合物

Zn2(C5(CH3)5)2


Zn(II)

Zn3As2

ZnBr2

ZnCl2

Zn(ClO3)2

Zn(ClO4)2

Zn(CN)2

ZnCO3

ZnCrO4

ZnF2

ZnH2

ZnI2

Zn(MnO4)2

ZnMoO4

Zn3N2

Zn(NH2)2

Zn(NO3)2

ZnO

ZnO2

Zn(OH)2

Zn3P2

Zn2P2O7

Zn3(PO4)2

ZnS

ZnSeO4

ZnSO4

ZnSb

ZnSe

ZnTe

ZnTiO3

有機亜鉛(II)化合物

Zn(CH3)2

Zn(C2H5)2

ジフェニル亜鉛(英語: Diphenylzinc)




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