セレンディピティ
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この項目では、科学哲学の概念について説明しています。その他の用法については「セレンディピティ (曖昧さ回避)」をご覧ください。
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セレンディピティ(英語: serendipity)とは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること[1]。また、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけること。平たく言うと、ふとした偶然をきっかけに、幸運をつかみ取ることである。
語の起源と意味

「serendipity」という言葉は、イギリス政治家にして小説家であるホレス・ウォルポール[注 1]1754年に生み出した造語であり、彼が子供のときに読んだ『セレンディップの3人の王子 (The Three Princes of Serendip)』という童話にちなんだものである。セレンディップとはセイロン島、現在のスリランカのことであるから、すなわち、題名は「スリランカの3人の王子」という意味である。ウォルポールがこの言葉を初めて用いたのは、友人に宛てた書簡において、自分がしたちょっとした発見について説明しているくだりにおいてであり、その書簡の原文も知られている。

この私の発見は、私に言わせればまさに「セレンディピティ」です。このセレンディピティという言葉は、とても表現力に満ちた言葉です。この言葉を理解していただくには、へたに語の定義などするよりも、その物語を引用したほうがずっとよいでしょう。かつて私は『セレンディップの3人の王子』という童話を読んだことがあるのですが、そのお話において、王子たちは旅の途中、いつも意外な出来事と遭遇し、彼らの聡明さによって、彼らがもともと探していなかった何かを発見するのです。たとえば、王子の一人は、自分が進んでいる道を少し前に片目のロバが歩いていたことを発見します。なぜ分かったかというと、道の左側の草だけが食べられていたためなのです。さあ、これで「セレンディピティ」がどのようなものか理解していただけたでしょう?

英英辞書では以下のように説明されている。

Definition of serendipity in English:noun

[MASS NOUN]

The occurrence and development of events by chance in a happy or beneficial way'a fortunate stroke of serendipity'

[COUNT NOUN]'a series of small serendipities' ? Oxford Dictionaries Language matters
日本語訳

日本語では、通常は音写の「セレンディピティ」「セレンディーピティー」等が用いられる。「偶察力」と訳される場合もあるが、確固とした訳語は定まっていない。精神科医の中井久夫は『徴候・記憶・外傷』(みすず書房2004年)で「徴候的知」と呼んでいる。
自然科学におけるセレンディピティ

アメリカの社会学者ロバート・キング・マートンが1958年に『The Travels and Adventures of Serendipity(セレンディピティの旅と冒険)』を発表したことをきっかけに、学術誌や科学雑誌で頻出する言葉となった。

セレンディピティは、失敗してもそこから見落としせずに学び取ることができれば成功に結びつくという、一種のサクセスストーリーとして、また科学的な大発見をより身近なものとして説明するためのエピソードの一つとして語られることが多い。酒井邦嘉[2]ペニシリン発見や田中耕一の例をあげ、フランスのルイ・パスツールの言葉(1854年のリール大学学長就任演説より)を紹介して、「構えのある心」(the prepared mind) がセレンディピティのポイントだという。セレンディピティは社会的独創性は高いが、発想的独創性は低いと言われている[3]

「観察の領域において、偶然は構えのある心にしか恵まれない」(Dans les champs de l'observation le hasard ne favorise que les esprits prepares.)
セレンディピティが見出せる代表例

アルキメデスによる、アルキメデスの原理の発見(紀元前3世紀

ヘニッヒ・ブラントによる、リンの分離と発見(1669年錬金術に変換するため、人間の尿を蒸発させていたところ発見。

ハンス・クリスティアン・エルステッドによる、電流磁気の関係の発見(1820年

チャールズ・グッドイヤーによる、ゴムへの加硫の発見(1839年

ウィリアム・パーキンによる、モーブの発見(1856年[4]マラリアの特効薬としてのキニーネを研究中、環境の整っていない自宅に帰省した際、粗末な実験室で合成実験をしたところ、意図せず、色のアルコール溶液が生成され、これが史上初の人工染料(当然ながら、紫色で史上初の人工染料でもある)になると即座に看破した[4]

アルフレッド・ノーベルによる、ダイナマイトの発明(1866年

クリップの発明(1890年代

ヴィルヘルム・レントゲンによる、X線の発見(1895年

ピエール・キュリーマリ・キュリー夫妻による、ラジウムの発見(1898年ポロニウムを抽出した閃ウラン鉱の残渣の方が電離作用が強いため、更に調べたところ見つかった。

ハンス・フォン・ペヒマン(英語版)による、ポリエチレンの発見(1898年

エドゥアール・ベネディクトゥスによる、合わせガラスの発明(1903年

アレクサンダー・フレミングによる、リゾチームペニシリンの発見(1922年1928年)フレミングが培養実験の際に誤って、雑菌であるアオカビを混入(コンタミネーション)させたことが、のちに世界中の人々を感染症から救うことになる抗生物質発見のきっかけになった。

アルバート・ホフマンによる、LSD幻覚作用の発見(1938年

ロイ・プランケットによる、テフロンの発見(1938年


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