セブンスデー・アドベンチスト教会
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セブンスデー・アドベンチスト教会Seventh-Day Adventist Church logo
分類キリスト教(またはプロテスタント)の一派、キリスト教系の新宗教安息日礼拝の遵守、霊魂消滅説
地域209カ国
創設日1863年
創設地 アメリカ合衆国
ミシガン州
信徒数2176万人(2020年)
公式サイト ⇒adventist.jp
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セブンスデーアドベンチスト天沼教会 - panoramio

セブンスデー・アドベンチスト教会(セブンスデー・アドベンチストきょうかい、: Seventh-day Adventist Church、SDA)は、19世紀アメリカ再臨待望運動を源流とする、自らを聖書主義プロテスタントとするキリスト教会の教派。信徒数は2000万人を越え、209の国々で活動。教育、医療、食品、出版、放送、福祉など諸事業活動も行われている。

名称の「セブンスデー」は週の第七日(現在の土曜日)の安息日を、「アドベンチスト」はキリスト再臨を待ち望む者を意味する。

セブンスデー・アドベンチスト教会は自らをプロテスタント教会と位置付けており[1]宗教学やキリスト教専門家・関係者の間ではキリスト教もしくはプロテスタントの一派とする[2][3] 見解、キリスト教系の新宗教に分類する[4][5] 見解の両論がある。『キリスト教大事典』652頁(教文館、昭和48年9月30日 改訂新版第二版)では、プロテスタントと位置づけず、一方で異端(キリスト教系の新宗教)とも位置づけず、冒頭文で単に「アメリカに始ったキリストの再臨と安息日厳守を主張する教派」としている。
歴史ウィリアム・ミラーエレン・G・ホワイト医療法人財団アドベンチスト会 東京衛生アドベンチスト病院東京都杉並区

1800年代前半に北米で起こった再臨待望運動を源としている。中心人物であるウィリアム・ミラーが、聖書の預言から1843年にイエス・キリストの再臨の日を特定して予告した。ミラー派に加わった牧師・教会員たちは(異端として)自分たちの教会から追放され、後に「教団に与えられた預言者」とされるエレン・G・ホワイトも同様に、所属していたメソジスト教会から(異端として)教籍を剥奪される結果を招いた。

ミラーはキリストの再臨を1843年3月21日から1844年3月21日の間と特定し、再臨待望集会は100以上の場所で開かれ、熱狂的な雰囲気であった。運動は拡大の一途を辿り、一時参加者の数は6万人に達したと言われている[6]。しかし、再臨は起こらず、ダニエル書の2300日目に"聖所が清められる"という預言に従って、清めの儀式が行われていたヨム・キプルである翌年1844年10月22日が本当の再臨日だとし、彼らは再び熱狂的にその日の到来を待った。ある者は仕事を放棄し、屋根や山の上に登って天を仰いだ。しかし、その日も何の変化もなく、彼らの失望は非常に大きかった。その後、後にセブンスデー・アドベンチスト教会を設立する母体となった少数の人々が、"聖所"は地球でなくて、ヨム・キプルの至聖所の働きに象徴された、大祭司としてのキリストの役割の最終段階が始められたとして、預言の成就を信じた。

具体的には、ミラーの支持者であるエレン・G・ホワイト夫人らを中心とした小さなグループが、ミラーの解釈の何が間違っていたか研究し、ホワイト夫人の「啓示の証言」と新たな聖書解釈を元に「第7日安息日の遵守とキリストの再臨とは深く結びついている」と解釈した[7]。その解釈によって、土曜日を安息日にするという意味で、セブンスデー・アドベンチスト教会が発足した[8][9][10]

その後米国で宗教団体として正式に組織されたのは1863年であり、現在209の国々で活動している。その後世界中に広がり、過去30年間では、10年毎に倍増する成長を逐げ、信徒数2000万人を越えている。福音宣教活動に加え、発展途上国においてはADRA(アドラ)という支援活動を行っている。

日本における正式な活動は、1896年(明治29年)、ヒルズバーグ大学の学長を辞し、来日して後の学校法人三育学院を立ち上げたウィリアム・C・グレンジャーによって開始された。第二次世界大戦中にキリストの再臨信仰(再臨したとき天皇の現人神思想と相容れない)や良心的兵役拒否治安維持法に触れて宗教弾圧を受け、1943年全牧師・有力信徒が検挙され、1944年教会は解散させられた[11]。戦後回復し今日に至っている。
組織の概要と活動

信徒数2000万人を越えており[12]、世界を13の支部に分け、209の国々で732の言語を用いて活動する。日本の教団は韓国中国台湾などと共に55万人の会員がある「北アジア太平洋支部」に属する。日本のセブンスデー・アドベンチスト教会は、100を超える教会と、1万5千人余の信徒を有している。
教義
信仰の大要

セブンスデー・アドベンチスト教会は信仰の大要として28の項目を宣言している[13]

セブンスデー・アドベンチストは聖書を唯一の信条として受け入れ、一定の基本的な信仰大要を聖書の教えとして堅持している。ここに公にされている「信仰の大要」は、教会が理解し、表現した聖書の教えである。この声明の改訂は、教会が聖霊の導きによって、聖書の真理に対するより豊かな理解と、神の聖なる言葉に対するより適切な表現とに達したとき、世界総会本会議によってなされ得るものである。

神の言葉旧新約聖書は書かれた神の言葉、神の霊感によって与えられた言葉である。霊感を受けた著者が、聖霊に動かされるままに語り、また書いた。この言葉を通して、神は救いに必要な知識を人間に与えられた。聖書は、最高の啓示、権威ある啓示、神のみ心の誤りのない啓示である。聖書は品性の標準を示し、人間の経験を吟味し、明確に教理を啓示する。聖書は歴史における神のみわざについての信頼できる記録である(詩編119:105、箴言30:5・6、イザヤ8:20、ヨハネ17:17、Tテサロニケ2:13、Uテモテ3:16・17、ヘブライ4:12、Uペトロ1:20・21)。


三位一体父と子と聖霊の、永遠に共存する3つの位格から成るひとりの神がおられる。神は朽ちることなく、全知全能で、すべてのものを超え、常に変わることなく存在される。神は人間の理解を超える無限のお方であるにもかかわらず、ご自身を啓示されることによって、人間に知られるお方である。愛であられる神は、すべての造られたものの礼拝と尊崇と奉仕を永遠に受けるにふさわしいお方である(創世記1:26、申命記6:4、イザヤ6:8、マタイ28:19、ヨハネ3:16、Uコリント1:21・22、13:13、エフェソ4:4?6、Tペトロ1:2)。


父なる神父なる神はすべてのものの創造者であって、すべて造られたものの源であるとともに、それらを保ち、支配されるお方である。父なる神は正しく聖なる方、あわれみと恵みに富み、怒ること遅く、変わらない愛と真実に満ちあふれているお方である。み子と聖霊に見られる性質と力も、父なる神のものである(創世記1:1、申命記4:35、詩編110:1、4、ヨハネ3:16、14:9、Tコリント15:28、Tテモテ1:17、Tヨハネ4:8、黙示録4:11)。


子なる神子なる神は人間の肉の姿を取ってイエス・キリストとなられた。万物はみ子を通して創造された。また、み子を通して神のご性質が明らかにされ、人間の救いが全うされ、世界は裁かれる。永遠からまことの神であられたみ子は、救い主イエスとしてまことの人間になられた。み子は聖霊によってみごもられ、処女マリアよりお生まれになった。み子は人間として生き、試みにあわれたが、神の義と愛を完全にあらわされた。奇跡によってみ子は神の力をあらわし、ご自身が神の約束の救い主であることを証明された。み子はわれわれの罪のために、われわれの身代わりとなって苦しみを受け、自ら十字架にかかり、死者の中から復活し、われわれのために天の聖所で奉仕するために天に昇られた。み子はご自分の民を最終的に救い出し、すべてのものを回復するために、栄光のうちに再び来臨される(イザヤ53:4?6、ダニエル9:25?27、ルカ1:35、ヨハネ1:1?2、14、5:22、10:30、14:1?3、9、13、ローマ6:23、Tコリント15:3、4、Uコリント3:18、5:17?19、フィリピ2:5?11、コロサイ1:15?19、ヘブライ2:9?18、8:1、2)。


聖霊なる神聖霊なる神は創造と受肉と贖いのみわざにおいて、父なる神、子なる神とともに働かれた。聖霊は、父なる神、子なる神と同様に1つの位格であられる。聖霊は聖書記者たちに霊感を与えられた。聖霊はキリストの生涯を力で満たされた。聖霊は人間を引き寄せ、その罪を指摘される。そして、それに応答する者を生まれ変わらせ、神のかたちへと変えられる。


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