セナガアナバチ科
エメラルドゴキブリバチ(セナガアナバチ属)の成虫
分類
セナガアナバチ科(せながあなばちか・背長穴蜂[4]科 / Ampulicidae)は、膜翅目ハチ亜目(細腰亜目)ミツバチ上科に属する科の1つ[5]。世界に6属約200種を擁するハチ(狩人蜂)[注 1]の仲間である[6]。
主に植物の茎や既存の間隙に巣を作り[7]、森林性ゴキブリ類の若虫(幼虫)を狩り幼虫の餌とする[5]。かつてはいくつかの科とともにジガバチ科あるいはアナバチ科[注 2]に分類されていたが、独立した科に再分類された[8]。
世界に2亜科6属約170種を産し、大部分が熱帯・亜熱帯に生息する[7]。 本科はミツバチ上科のアナバチ型ハチ類の中でも最も原始的なグループである[5]。 属する種は体長5 - 20 mm程度の細長い体形で、美しい金属光沢を有する種が多い[9]。ただし、日本国外に分布するセナガアナバチ属 Ampulex には黒色や褐色の種もいる[10]。他のアナバチ類と異なり、前胸部が前方に長く伸びる点が特徴で[9]、その点から「セナガアナバチ」と命名された[5]。このほか、他科のアナバチ類とは「後翅の臀睡が小さいか、完全にない」「中脚の脛節にある棘は2本」「?節の爪は内歯を持つか分岐する」点が異なる[5]。 主にゴキブリ類を狩って幼虫の餌とするが[9]、完璧な巣は作らず、既存の物の隙間に獲物のゴキブリを運び込み産卵する[5]捕食寄生生物である[1]。本科のメス成虫は獲物をみつけるとそれに針を刺して麻酔させ、自然の坑道・窪みなどに搬入して産卵し、木屑・土塊を用いて入口を簡易的に閉塞する(既存坑充填閉鎖型)[9]。 本科のハチは触角挿入孔の付着形状・後胸腹板の形状などからセナガアナバチ亜科 Ampulicinae とヒメセナガアナバチ亜科(アマミセナガアナバチ亜科) Dolichurinae の2亜科に区分されていたが[5]、近年は両亜科とも1つに統合されるようになってきた[9]。日本に生息する種は計3種(セナガアナバチ属の2種・ヒメセナガアナバチ属の1種)である。 セナガアナバチ属 Ampulex Jurine
特徴・生態
分類
セナガアナバチ属