セドロ
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セドロ
Cedrela odorata
保全状況評価[1]
VULNERABLE
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
ワシントン条約附属書III[2]ブラジルボリビア
分類APG III

:植物界 Plantae
階級なし:被子植物 angiosperms
階級なし:真正双子葉類 eudicots
階級なし:コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし:バラ類 rosids
階級なし:アオイ類 malvids
:ムクロジ目 Sapindales
:センダン科 Meliaceae
:Cedrela
:Cedrela odorata

学名
Cedrela odorata L.
和名
セドロ[注 1]
英名
Spanish cedar[3], West Indian cedar[3], Cedro[3]

セドロ(Cedro,学名:Cedrela odorata、別名:ニシインドチャンチン[4]、英語名:Spanish cedar, Mexican cedar, Cigar-box cedar, Cedro-cheiroso) は、経済的に重要なセンダン科の樹木である。
特徴

セドロは、樹高30mから37m[3]、胸高直径は60cmに及ぶ[5]落葉性の高木である[5]。葉は偶数または奇数羽状複葉、長さは15-50cm。10-22枚の小葉をつけ、小葉の長さは4.5-14cm、幅は2-4.5cm。[5] 花は黄緑色で円錐花序をなす[5]は杯形で、縁は不規則な歯状であり、無毛。花弁の長さは幅の約3倍。[6] 雌雄同株であり、雄花と雌花は同じ花序につくが、雌性先熟であり、雌花が先に開花する[7]。メキシコでは5月から8月に開花し、翌年の1月から3月にかけての乾期に成熟する[5]。果実は、長さ17.1mmから44.8mm、幅は14.0mmから21.1mmの長楕円形または楕円形の刮ハで裂開する。各果実は13から34個の成熟した種子を含む[5]
分類

セドロは熱帯アメリカにおいて、先史時代から木材として利用されてきた。スペインの探検家は、この木が旧世界のtrue cedars(マツ類)に似た芳香を持つことにちなんでこの木をcedroと呼んだ。初期の論文においてはこの属はCedrusとされた。[8] 1756年にPatrick Browneが出版した"Civil and Natural History of Jamaica"において、Cedrelaが属名として制定された。同書の図版10に描かれた花と果実、および種子は間違い無くセドロのものであり、Browneのコメントもそれを裏付ける。[8] リンネは、Browneの図版をCedrela属および本種のタイプという位置づけで引用し、1759年にCedrela odorataとして発表した(Syst. Nat. ed. 10:940)[9][10]

それ以降、アメリカ大陸インド東南アジアオーストラリア産の69の種が同属に分類された。1960年にSmithは、同属の再構成を行い、アジアやオーストラリア原産のものをチャンチン属(Toona)として分離し、Cedrela属にはアメリカ原産の種のみを残した。[11] Smithは、広く分布しているC.odorataとC.fissilisおよびC. angustifoliaが自然に交雑していること、またそのように仮定すればこれらの種の広範な表現形の多様性を説明できることを示唆した[12]。この仮説を支持もしくは否定する実験的証拠はまだ得られていない[7]

Cedrela属の分類に関する最も新しい研究では、同属の種は7種に減らされている[7]。この「セドロ」(common cedro)ことCedrela odorata L.には、C. mexicana M. J. Roem. を含む28の他の名の種が統合された。この結果として、再構成されたC. odorataは、高度な個体群多様性を持つ種となった[7]
分布

セドロは、メキシコ北部から西インド諸島アルゼンチンに至る中南米の広範囲で、標高1200m以下の、季節的に乾燥する湿潤な熱帯・亜熱帯林に分布する[7][11]チアパス州のOcosingoでは、1800m地点まで観測される[11]ボリビアでは標高3000m付近でも発見された[11]。北限は北緯26°にあるメキシコのシナロア州から南限は南緯26°にあるアルゼンチンのトゥクマン州である[7][11]

この種はまた、南フロリダナイジェリアタンザニアギアナシエラレオネフィジー諸島[5]サモアバハマクック諸島南アフリカトンガニューカレドニア[13] などにも導入されている。

また、コートジボアールガーナマダガスカルマレーシア南アフリカフィリピンウガンダタンザニアサモアインドネシアソロモン諸島スリランカなど各地のプランテーションに導入されている[13]。さらにまた、マレーシアパプア・ニューギニアタイなどの小規模、試験的プランテーションにも導入されている[13]。この樹木は非常に広範に導入・栽培されているため、出自を確認することはしばしば困難である[13]

セドロは、ガラパゴス諸島においては外来種として問題になっている[14]
成育環境

セドロは自然界では常に水捌けの良い土壌で見付かる[15]。長い乾季にも耐えるが、3000ミリ以上の降雨地域、あるいは高密度の土壌や水分の多い土壌では繁殖しない。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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