セザール賞 (フランス語: Cesar du cinema francais) は、フランスにおける映画賞で、同国における米アカデミー賞にあたる。フランスの映画芸術技術アカデミー[1](Academie des arts et techniques du cinema もしくは Academie des Cesar)が主催する。
フランスでは演劇界のモリエール賞、音楽界のヴィクトワール・ドゥ・ラ・ムジーク賞と並んで、映画界で最も権威のある重要な賞とされる。 1975年にジョルジュ・クラヴァンヌ
概要
映画芸術技術アカデミーの会員によって選出される。投票権者は約4,000人で、俳優や記者など12の職業分野から成る。12月に映画一覧のカタログが投票権者に送付され、1月にノミネートが発表される。ノミネート作品は1月にシャンゼリゼ通りのバルザック・シネマで上映される。
授賞式は毎年2月、前年公開された映画を対象にパリのサル・プレイエルで行われ、Canal+でテレビ放映される。
作品賞はプロデューサーと監督双方に与えられるが、2016年までは監督が監督賞を受賞した場合は作品賞はプロデューサーのみに与えられるシステムとなっていた。 2014年現在、次の賞が授与されている。
賞
最優秀作品賞
最優秀デビュー賞
欧州連合映画の最優秀作品賞
最優秀監督賞
主演男優賞
助演男優賞
有望男優賞
主演女優賞
助演女優賞
有望女優賞
外国映画賞
脚本賞
撮影賞
編集賞
プロダクション・デザイナー賞
衣装デザイナー賞
作曲賞
サウンド賞
ドキュメンタリー賞
アニメーション映画賞
名誉賞
最優秀作品賞
1976年(第1回):『追想』(監督:ロベール・アンリコ)
1977年(第2回):『パリの灯は遠く』(監督:ジョセフ・ロージー)
1978年(第3回):『プロビデンス
1979年(第4回):『銀行』(監督:クリスチャン・ド・シャロンジェ)
1980年(第5回):『テス』(監督:ロマン・ポランスキー)
1981年(第6回):『終電車』(監督:フランソワ・トリュフォー)
1982年(第7回):『人類創世』(監督:ジャン=ジャック・アノー)
1983年(第8回):『愛しきは、女/ラ・バランス』(監督:ボブ・スウェイム)
1984年(第9回):『愛の記念に』(監督:モーリス・ピアラ)
1985年(第10回):『フレンチ・コップス』(監督:クロード・ジディ)
1986年(第11回):『赤ちゃんに乾杯!』(監督:コリーヌ・セロー)
1987年(第12回):『テレーズ』(監督:アラン・カヴァリエ)
1988年(第13回):『さよなら子供たち』(監督:ルイ・マル)
1989年(第14回):『カミーユ・クローデル』(監督:ブリュノ・ニュイッテン)
1990年(第15回):『美しすぎて』(監督:ベルトラン・ブリエ)
1991年(第16回):『シラノ・ド・ベルジュラック』(監督:ジャン=ポール・ラプノー)
1992年(第17回):『めぐり逢う朝』(監督:アラン・コルノー)
1993年(第18回):『野性の夜に』(監督:シリル・コラール)
1994年(第19回):『スモーキング/ノースモーキング』(監督:アラン・レネ)
1995年(第20回):『野性の葦』(監督:アンドレ・テシネ)
1996年(第21回):『憎しみ』(監督:マチュー・カソヴィッツ)
1997年(第22回):『リディキュール』(監督:パトリス・ルコント)
1998年(第23回):『恋するシャンソン』(監督:アラン・レネ)
1999年(第24回):『天使が見た夢』(監督:エリック・ゾンカ)
2000年(第25回):『エステサロン/ヴィーナス・ビューティ』(監督:トニー・マーシャル)
2001年(第26回):『ムッシュ・カステラの恋』(監督:アニエス・ジャウイ)
2002年(第27回):『アメリ』(監督:ジャン=ピエール・ジュネ)
2003年(第28回):『戦場のピアニスト』(監督:ロマン・ポランスキー)
2004年(第29回):『みなさん、さようなら』(監督:ドゥニ・アルカン)
2005年(第30回):『身をかわして』(監督:アブデラティフ・ケシシュ)
2006年(第31回):『真夜中のピアニスト』(監督:ジャック・オーディアール)
2007年(第32回):『レディ・チャタレー』(監督:パスカル・フェラン)
2008年(第33回):『クスクス粒の秘密』(監督:アブデラティフ・ケシシュ)
2009年(第34回):『セラフィーヌの庭』(監督:マルタン・プロヴォスト)
2010年(第35回):『預言者』(監督:ジャック・オーディアール)
2011年(第36回):『神々と男たち』(監督:グザヴィエ・ボーヴォワ)
2012年(第37回):『アーティスト』(監督:ミシェル・アザナヴィシウス)
2013年(第38回):『愛、アムール』(監督:ミヒャエル・ハネケ)
2014年(第39回):『不機嫌なママにメルシィ!(英語版)』(監督:ギヨーム・ガリエンヌ)
2015年(第40回):『禁じられた歌声(英語版)』(監督:アブデラマン・シサコ)
2016年(第41回):『FATIMA(英語版)』(監督:フィリップ・フォコン)
2017年(第42回):『エル ELLE』(監督:ポール・バーホーベン)
2018年(第43回):『BPM ビート・パー・ミニット』(監督:ロバン・カンピヨ)
2019年(第44回):『ジュリアン』(監督:グザヴィエ・ルグラン)
2020年(第45回):『レ・ミゼラブル』(監督:ラジ・リ)
2021年(第46回):『ADIEU LES CONS』(監督:アルベール・デュポンテル)
2022年(第47回):『幻滅』(監督:グザヴィエ・ジャノリ)
最優秀監督賞
1976年(第1回):ベルトラン・タヴェルニエ(『祭よ始まれ』)
1977年(第2回):ジョセフ・ロージー(『パリの灯は遠く』)
1978年(第3回):アラン・レネ(『プロビデンス』)
1979年(第4回):クリスチャン・ド・シャロンジェ(『銀行』)
1980年(第5回):ロマン・ポランスキー(『テス』)
1981年(第6回):フランソワ・トリュフォー(『終電車』)
1982年(第7回):ジャン=ジャック・アノー(『人類創世』)
1983年(第8回):アンジェイ・ワイダ(『ダントン』)
1984年(第9回):エットレ・スコーラ(『ル・バル』)
1985年(第10回):クロード・ジディ(『フレンチ・コップス』)
1986年(第11回):ミシェル・ドヴィル(『ゲームの殺人』)
1987年(第12回):アラン・カヴァリエ(『テレーズ』)
1988年(第13回):ルイ・マル(『さよなら子供たち』)
1989年(第14回):ジャン=ジャック・アノー(『子熊物語』)
1990年(第15回):ベルトラン・ブリエ(『美しすぎて』)
1991年(第16回):ジャン=ポール・ラプノー(『シラノ・ド・ベルジュラック』)
1992年(第17回):アラン・コルノー(『めぐり逢う朝』)
1993年(第18回):クロード・ソーテ(『愛を弾く女』)
1994年(第19回):アラン・レネ(『スモーキング/ノースモーキング』)
1995年(第20回):アンドレ・テシネ(『野性の葦』)
1996年(第21回):クロード・ソーテ(『とまどい (映画)(フランス語版、英語版)』)
1997年(第22回):ベルトラン・タヴェルニエ(『Capitaine Conan』)
1998年(第23回):リュック・ベッソン(『フィフス・エレメント』)
1999年(第24回):パトリス・シェロー(『愛する者よ、列車に乗れ』)
2000年(第25回):トニー・マーシャル(『エステサロン/ヴィーナス・ビューティ』)
2001年(第26回):ドミニク・モル(『ハリー、見知らぬ友人』)
2002年(第27回):ジャン・ピエール・ジュネ(『アメリ』)
2003年(第28回):ロマン・ポランスキー(『戦場のピアニスト』)
2004年(第29回):ドゥニ・アルカン(『みなさん、さようなら』)
2005年(第30回):アブデラティフ・ケシシュ(『身をかわして』)
2006年(第31回):ジャック・オーディアール(『真夜中のピアニスト』)
2007年(第32回):ギヨーム・カネ(『唇を閉ざせ』)
2008年(第33回):アブデラティフ・ケシシュ(『クスクス粒の秘密』)
2009年(第34回):ジャン=フランソワ・リシェ(『ジャック・メスリーヌ フランスで社会の敵No.1と呼ばれた男』)
2010年(第35回):ジャック・オーディアール(『預言者)』)
2011年(第36回):ロマン・ポランスキー(『ゴーストライター』)
2012年(第37回):ミシェル・アザナヴィシウス(『アーティスト』)
2013年(第38回):ミヒャエル・ハネケ(『愛、アムール』)
2014年(第39回):ロマン・ポランスキー(『毛皮のヴィーナス』)
2015年(第40回):アブデラマン・シサコ(『禁じられた歌声(英語版)』)