セイヨウミツバチ
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セイヨウミツバチ
セイヨウミツバチ Apis mellifera
分類

:動物界 Animalia
:節足動物門 Arthropoda
:昆虫綱 Insecta
:ハチ目(膜翅目) Hymenoptera
亜目:ハチ亜目(細腰亜目) Apocrita
上科:ミツバチ上科 Apoidea
:ミツバチ科 Apidae
亜科:ミツバチ亜科 Apinae
:ミツバチ族 Apini
:ミツバチ属 Apis
:セイヨウミツバチ A. mellifera

学名
Apis mellifera
Linnaeus1758
和名
セイヨウミツバチ(西洋蜜蜂)
英名
Western honey bee
European honey bee
亜種

ヨーロッパ北西部

A. m. iberica

A. m. intermissa

A. m. lihzeni

A. m. mellifera

A. m. sahariensis

ヨーロッパ南西部

A. m. carnica

A. m. cecropia

A. m. ligustica

A. m. macedonica

A. m. ruttneri

A. m. sicula

中東

A. m. adamii

A. m. anatoliaca

A. m. armeniaca

A. m. caucasica

A. m. cypria

A. m. meda

アフリカ

A. m. adansonii

A. m. capensis

A. m. intermissa

A. m. lamarckii

A. m. litorea

A. m. major

A. m. monticola

A. m. sahariensis

A. m. scutellata

A. m. unicolor

A. m. jemenitica

飛翔の40倍高速度撮影

セイヨウミツバチ(西洋蜜蜂、学名: Apis mellifera)はミツバチの一種である。属名である Apis は「ミツバチ」に対応するラテン語である。そして種小名の mellifera は「蜂蜜」を意味する melli- と「運ぶ」を意味する ferre から成る。それ故学名は「蜂蜜を運ぶミツバチ」を意味する。学名は1758年カール・フォン・リンネによって命名された。しかし後にこのハチが運ぶのは蜂蜜ではなく花蜜であると理解されたために、以降の出版物には Apis mellifica(蜂蜜を作るハチ)と記載された。しかし国際動物命名規約シノニムの決まりに従って、先につけた名前が優先順位をもつこととなった。

なお本稿では特に断りがない限り、セイヨウミツバチを単にミツバチと表現する。
地理的分布区域
ヨーロッパを起源に持つ亜種

Apis mellifera ligustica
Spinola, 1806 - イタリアミツバチ。北アメリカ、南アメリカ南ヨーロッパで最も普及している種。本亜種は世界中の養蜂家によって飼育される。彼らは非常に気性が穏やかで、大量の蜂蜜を集める。彼らには殆ど欠点がない。コロニーは冬期を通してより大きな個体群を維持する傾向があるので、彼らは他の温帯の亜種よりも冬の蓄えが必要である。彼らは明るい色をしているが、若干の種は金色である。

Apis mellifera carnica Pollmann, 1879 - スロベニアのカルロニア地域オーストリアアルプスと北バルカン諸国で、その極端なくらいの穏和な性格故に養蜂家に普及しており、カルロニアミツバチとして知られている。本亜種の色は暗い傾向がある。コロニーは冬期の間は個体数の規模が縮小し、春期に素早く個体数を回復させることが知られている。彼らは寒い地域に向いたミツバチである。

Apis mellifera caucasica Pollmann, 1889 - コーカサスミツバチ。カフカース山脈原産。本亜種は非常に穏やかで、かつよく働く。いくつかの種はプロポリスを多量に生産する。色味の明るさは中間くらい、しばしば灰色気味で、大きめなミツバチである。

Apis mellifera remipes Gerstacker, 1862 - カフカースイランカスピ海沿岸原産。

Apis mellifera mellifera Linnaeus, 1758 - 北ヨーロッパの暗いミツバチ(「ドイツのミツバチ」と呼ばれる)は近代に採り入れられ、植民地時代に北アメリカに導入された。このミツバチは小さくて暗い色をしている。A. m. mellifera と A. m. ligustica のハイブリッド個体群(北アメリカと西ヨーロッパで見つかる)は攻撃的で理由もなく人間や他の生物を刺すという評判をもつ。一方で絶滅間近の純粋な A. m. mellifera は従順であり手当たり次第に攻撃したりはしないと思われている。

Apis mellifera iberiensis(別名 Apis mellifera iberica) Engel, 1999 - このミツバチイベリア半島スペインポルトガル)原産である。

Apis mellifera cecropia Kiesenwetter, 1860 - 南ギリシア

Apis mellifera cypria Pollmann, 1879 - キプロス島原産。この亜種は近隣のイタリアの亜種と比較して非常に獰猛であるという評判をもつ。地中海という地理的要因により孤立している。

Apis mellifera ruttneri Sheppard, Arias, Grech & Meixner 1997 - マルタ島原産の亜種。

Apis mellifera sicula Montagano, 1911 - イタリアのトラーパニ県と西シシリーウスティカ島の原産。

Apis mellifera macedonica Ruttner, 1988 - マケドニア共和国と北ギリシア

Apis mellifera adamii Ruttner, 1977 - クレタ島

アフリカを起源に持つ亜種

Apis mellifera scutellata
Lepeletier, 1836 - アフリカミツバチは中央および西アフリカ、現在はハイブリッド種であるアフリカナイズドミツバチ南アメリカ中央アメリカおよび北アメリカ南部に分布している。当初はブラジルで蜂蜜生産を増加させる努力において、ブラジルの遺伝学者であるワーウィック・カーは、1956年ブラジル連邦および州当局によってブラジルの南部でタンザニアからサンパウロ州ピラシカバまで数匹の純粋なアフリカの女王蜂を輸入するよう依頼された。不運なことに一部の女王蜂は逃げた。アフリカの女王蜂は、その地方固有の雄蜂とつがいになり、現在アメリカ大陸のアフリカナイズドミツバチとして知られるようになった。サハラ以南アフリカ南部のミツバチの生き残りのための激しい争いは、この亜種が蜂の巣を守るために既存の巣から、より安全なところに巣と群れを退避すべき理由として与えられる。彼らは蜂蜜貯蔵と防御の習性により多くのエネルギーを費やす。アフリカミツバチはイタリアミツバチと見分けるのが難しい[1]

Apis mellifera capensis Eschscholtz, 1822 - ケープミツバチ。南アフリカ原産。

Apis mellifera monticola Smith, 1961 - 東アフリカの1,500-3,100mの標高の高い山原産。エルゴン山ケニア山キリマンジャロメルー山

Apis mellifera sahariensis Baldensperger, 1932 - 北西アフリカモロッコ砂漠オアシス原産。本亜種は人間以外の殆どの捕食者に向かわなくて、それ故非常に従順である。さらに彼らがコロニーを作るオアシスの周りは花蜜を生じる植物の密度が低いため、乾燥していない地域より遙かに遠く、最高8km(5マイル)蜜を探し回る。蜂の巣が点検のために開かれるとき、本亜種のコロニーがそれほど刺す傾向を見せないまでも、その間彼らは非常に神経質であるという。

Apis mellifera intermissa von Buttel-Reepen, 1906; Maa, 1953 - モロッコ、リビアチュニジアといった一般的な北部アフリカ原産。


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