ズートピア
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ズートピア
Zootopia
英語版ロゴ
監督リッチ・ムーア
バイロン・ハワード
ジャレド・ブッシュ(共同監督)
脚本ジャレド・ブッシュ
フィル・ジョンストン
原案バイロン・ハワード
リッチ・ムーア
ジャレド・ブッシュ
ジョシー・トリニダード
ジム・リアドン
フィル・ジョンストン
ジェニファー・リー
製作クラーク・スペンサー
製作総指揮ジョン・ラセター
出演者ジニファー・グッドウィン
ジェイソン・ベイトマン
イドリス・エルバ
音楽マイケル・ジアッチーノ
主題歌英語版
シャキーラ「Try Everything」
日本語版
Dream Amiトライ・エヴリシング[1]
編集ファビアンヌ・ローリー
ジェレミー・ミルトン
製作会社ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ
配給 ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
公開 2016年3月4日
2016年4月23日[2]
上映時間108分
製作国 アメリカ合衆国
言語英語
製作費$150,000,000 [3]
興行収入$1,024,121,104[4]
$341,268,248[4]
76億3000万円[5]
前作ベイマックス
次作ズートピアシリーズ
ズートピア2ディズニー長編アニメーション
モアナと伝説の海
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『ズートピア』(原題:Zootopia)は、2016年アメリカ合衆国コメディアドベンチャー映画である[6]ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオにより3Dコンピュータアニメーション方式で製作され、2016年2月7日に初公開された。

2017年アニー賞アカデミー賞(いずれもアニメ作品賞)受賞作品[7][8]
概要

ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオとしては『ベイマックス』に次ぎ、1937年公開の『白雪姫』から数えて第55作目となる作品で、動物の手で築かれ、肉食動物草食動物が共に暮らす大都会「ズートピア」を舞台に、夢を信じる新米ウサギ警察官ジュディ・ホップスと、夢を忘れたキツネ詐欺師ニック・ワイルドの2人を主人公に据え、連続行方不明事件を解決する中で変わってゆく2人の関係を軸に、その中であぶり出される人種差別欺瞞などといった大都市の社会問題を描いている[9]

制作陣は、エグゼクティブ・プロデューサーにジョン・ラセター、プロデューサーにクラーク・スペンサー、監督に『塔の上のラプンツェル』のバイロン・ハワード、『シュガー・ラッシュ』のリッチ・ムーア、助監督にはジャレド・ブッシュと、ディズニーのみならずアメリカのアニメ製作において数々の業績を残してきた人物が起用された他、劇中の音楽は『カールじいさんの空飛ぶ家』でアカデミー賞を獲ったマイケル・ジアッチーノが担当する。構想はバイロン・ハワードが『ロビンフッド』(ディズニーが1973年に製作した映画)のような作品を作りたいと考えたことに始まり[10]2013年の製作発表後より、1億5000万ドルの費用が投じられ、技術改良と長期のフィールドワーク、度重なる脚本の変更を経て、2016年2月7日にハリウッドのエル・キャピタン劇場でプレミアが行われた。その後ベルギーでの同年2月10日上映を皮切りに、同年3月4日には北米を始めとする世界各地で上映が開始された。日本ではゴールデンウィークに合わせて同年4月23日より公開された[11][12]。日本上映時のキャッチコピーは、「そこは、動物たちの〈楽園〉のはずだった…」[13]

同時期に公開された『カンフー・パンダ3』『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』が全世界において数々の記録を更新する中、本作もそれに肩を並べた。最終的には10億2378万ドルの興収を上げ、2016年の映画としては全世界興行収入2位を記録した[14]。日本においても、公開3週目で初めて興行ランキング1位を取り、それ以降も動員数の増加が続く異例の傾向を見せた[15][16]。最終興行成績は76億8000万円となり、同年に日本で公開された映画としては4位となった[17][18]
世界観「#製作」も参照

本作は「人間が存在したことのない、動物[補 1]たちだけが暮らす別世界」[19]、即ち進化を遂げた動物が自ら高度な文明を築いてきた世界が舞台となっており[20]、タイトルにもなっているズートピアは肉食動物草食動物(捕食者と被捕食者)が共存する巨大都市で、この世界の中心であり、本作の主要な舞台となっている。製作に当たっては、都市設計は動物の文明に基づくという点を重視する一方、細かな点やそこで起こる出来事は観客が身近に感じられるものとなるよう計算された[21]

また、登場する動物は哺乳類に限られているが、これは制作チームが各分野の動物学者から情報を収集する中で決められたもので、脚本のジャレド・ブッシュは「作品の舞台となる惑星には爬虫類や鳥類などもいるが、今回はそれらが暮らす大陸の話ではなかっただけ」と語っている[22]

物語後半で、実はズートピアの人口の90%は草食動物が占めており、肉食動物は10%に過ぎず、作中世界上でアフリカ系アメリカ人のメタファーととれる描写も相まって、「か弱い」とされていた存在の草食動物が圧倒的なマジョリティであり、「凶暴」とされていた肉食動物がマイノリティであることがわかる[23]。捕食者/被食者の観点では抑圧される側だった草食動物が、今度はマジョリティとして、マイノリティである肉食動物を圧倒していることは、なにが「弱者」でなにが「強者」なのか、という定義はとても危ういバランスの上に引かれていることが示されている[24]
ストーリー

田舎町バニーバロウに暮らすウサギの少女ジュディは、「よりよい世界を作るため」と警察官になることを夢見ていたが、両親を含めた周囲は「ウサギの本職ではない」と彼女が警察官になることに否定的であった。しかし15年後、彼女は持ち前の勤勉さを活かし、様々な不利や扱きに耐え抜き、警察学校を首席で卒業し、ウサギで初めての警察官が誕生したことを祝うライオンハート市長によって市中心部へ配属される。

初日、ジュディの所属課では肉食動物ばかり14人が行方不明となる事件の捜査を行うことになる。ズートピア警察署(ZPD)の署長ボゴは、サイやゾウといった屈強な署員を捜査に充てるが、ジュディには駐車違反の取締を命じた。不満を感じるも、ジュディが取締をしていると、ゾウの店で巨大アイスの販売を拒否されるキツネの親子ニックとフィニックを見かける。彼女はアイスを売るよう店に説得し2人に感謝されるが、実は親子ではなくアイスを転売して金儲けする詐欺師コンビであった。ジュディはニックを問い詰めるが、自身の生い立ちを否定する言葉を返される。

翌日、ジュディが駐車違反の取締をしていると、花屋で強盗事件が起こる。命の危険が迫るネズミの女性を助けつつ、犯人のデュークを逮捕するが、職務放棄に加え、ただの球根のために危険な追跡をしたとしてボゴに咎められる。彼女は警察らしい仕事をしたいと食い下がるが、ボゴは自分が配属を決定した訳ではないと更に責め立てる。そこへ、オッタートン夫人が夫エミットの捜索をボゴに直訴すべく、ベルウェザー副市長と共に来署する。これを見たジュディは自分がその捜査をすると言うが、これがボゴの逆鱗に触れ、「48時間以内に解決できなければクビ」と告げられる。

ようやく警察らしい仕事を得たジュディは、僅かな証拠からニックが事情を知っているとにらむ。彼を脱税の証拠で脅して捜査に協力させ、聞き込みの末、あるリムジンの車内でエミットの免許証を見つけるが、そこでホッキョクグマ達に誘拐され、車の所有者ミスター・ビッグの邸宅へ連れて行かれる。彼は不法侵入の制裁として2人を氷漬けにしようとするが、娘がジュディに助けられていたことが分かると、エミットがリムジンでミスター・ビッグの家に行く途中に失踪したことを明かし、当時の運転手マンチャスを紹介する。マンチャスの自宅へ赴いた2人は、エミットが「夜の遠吠え」と言い残して凶暴化し、彼を襲ってどこかへ行ったという話を聞く。ところが、マンチャスは彼らの目の前で凶暴化し、2人に襲いかかる。

ジュディの連絡でボゴ達が現場へ来るが、なぜかマンチャスは消えていた。「動物が野性に戻るはずがない」と言い張るボゴはジュディに改めてクビを言い渡すも、ニックの仲裁により難を逃れる。帰路、ボゴとのやりとりからジュディの境遇を知ったニックは、キツネとして差別を受けた幼少の記憶を語る。

2人は交通カメラでマンチャスの行方を追うことにし、ベルウェザーにその映像を見せてもらうと、マンチャスを捕らえて謎の施設へ向かうシンリンオオカミが写っていた。2人は「夜の遠吠え」とは彼らのことだと考え、施設へ赴く。そこには捜索対象の14人とマンチャスが凶暴化した状態で収容されており、その主犯が肉食動物である自身の信用低下を恐れたライオンハートであることも判明する。ジュディによりこの真相が暴かれると、ライオンハートは収監され、市長の座を退く。

ようやく周囲に実力を認められたジュディは、ニックの働きを見て警察官になるよう勧めるが、記者会見で図らずも肉食動物に対し差別的な発言をしてしまい、ニックに絶縁されてしまう。更に、街の肉食動物が次々と凶暴化するようになり、人々は肉食動物の排斥を訴えるようになる。自分の中にも差別や偏見があったことに気づいたジュディは、これを後悔し、辞職を考えていたジュディを知ったボゴは「こんな時だからこそお前のような人材が必要だ」と助言し、市長も「警察官の顔として頑張って欲しい」と懇願するも、ジュディは断って故郷へ帰る。

しばらくたったある日、実家で両親の手伝いをしていたジュディは、幼少期に自分をいじめていたギデオンと再会し、和解の言葉を交わす。そこでジュディは昔から知る虫よけの花が「夜の遠吠え」と呼び慣わされていることや、それを口にしたウサギが凶暴化して母を襲ったという話を聞く。凶暴化事件の原因が「夜の遠吠え」であることに気付いたジュディは、ズートピアへ戻ってニックに過ちを詫び、事件解決へ再び手を組む。

2人が花屋強盗で「夜の遠吠え」の球根を盗んでいたデュークをミスター・ビッグと共に問い詰めると、球根の買主ダグの存在が明かされる。彼は「夜の遠吠え」から抽出した毒薬を弾丸にして肉食動物へ撃ち込み、凶暴化させていた。2人はダグと彼の仲間との格闘の末、ピストルと弾丸を証拠として持ち出すが、ZPD目前となったとき、ベルウェザーに行く手を阻まれる。不審に思ったジュディは、彼女がライオンハートを陥れた一連の事件の黒幕であることに気付く。ベルウェザーは草食動物を虐げる肉食動物に憎悪を抱き、ダグと彼の仲間を使って世間が肉食動物に対して恐怖を抱くよう仕向け、ズートピアを支配しようと企んでいたのだった。逃げ場を失った2人を見たベルウェザーはニックに毒薬を撃ち込み、ジュディの抹殺を目論んで自身は発見者を装って警察に通報する。しかし、毒に侵されたニックはジュディの首に噛み付くも、ジュディはおどけた様子で死んだふりをし、ニックも何事もなかったように笑う。実はニックが弾丸をジュディが実家から持ってきたブルーベリーと入れ替えていた。2人の演技に騙されたベルウェザーは自らの悪事を録音されてその場で逮捕され、オッタートン夫妻も毒の治療法が確立されたことで"再会"を果たす。こうして、肉食動物の凶暴化事件は無事解決された。

その後、ニックはジュディの勧め通りに警察学校を卒業し、キツネで初めての警察官となる。そしてニックの勤務初日、ジュディとニックはボゴにより暴走車の取締に向かうよう言い渡されるのだった。

エンドロールでは、ジュディやニックなどズートピアの住民たちがポップスターのガゼルのコンサートで彼女の歌を聴いて盛り上がる。
登場キャラクター「#声優」も参照
主人公
ジュディ・ホップス
(英語版)(Judith Laverne Judy Hopps[補 2][25]
アナウサギの女性。立派な警察官を目指し田舎町のバニーバロウから上京してきた、ズートピア初のウサギの新米警察官。冒頭では9歳だったが、就職時は24歳。劇中の役職はZPDのシティ・センター第1分署[注 1]に所属する巡査。故郷では両親と275匹の兄弟と共に暮らしていた。両親からはジュージューと呼ばれる[注 2]。日本語吹替版の一人称は「私」。柔軟な思考力を持っており、草食系動物ながらに幼い頃からズートピアで警察官として働くことを夢見ており、当時からいじめっ子のギデオン・グレイにも立ち向かう勇敢さを見せるが、両親には「ウサギはニンジン作りをするのが幸せ」と言われ続けていた。類いまれなる才覚を持ち、警察ではぞんざいな扱い[補 3]を受けるも、最初に言い渡された駐車違反の取締ではボゴに言われた「1日100台」に対して「昼までに200台」を達成させるなど、どんな仕事でも努力を欠かさない。勤務中は常に録音機能があるニンジン型のペンを持ち歩き、ニックの脱税やベルウェザーの悪事を暴くなど、捜査に役立てる。また、上京時に両親からもらったキツネよけスプレーも持ち歩いていたが、後にニックとの葛藤を引き起こす。ニックと初めて会った時に詐欺師とは知らずアイス代を肩代わりしてしまったり、ナチュリストクラブの客を直視できなかったりとウブではあったが、ニックと関わる内にオオカミの気をそらすために遠吠えの真似するのを思いついたり、ニックと共にベルウェザーを欺き証拠をつかむための芝居をするなど、機転が利くようになる。ベルウェザーの悪事を暴いたのち、警察学校の卒業式で演説を行いニックにバッジを授けた。その後は一人前の警察官として認められ、ニックと組んでスピード違反の取り締まりを命じられる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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