スーパー王座
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スーパー王座とは、世界王座より上位のボクシングの王座。世界ボクシング協会(WBA)が2001年1月より始めた新しい制度(スーパー王者制度)で、この制度の元で認定された王者を、スーパー王者という。
概要
WBA

各階級の王者は原則として、各ボクシング組織団体ごとに認定されるため、世界的なボクシング主要4組織団体である世界ボクシング協会(WBA)、世界ボクシング評議会(WBC)、国際ボクシング連盟(IBF)、世界ボクシング機構(WBO)で各1名、つまり同階級に4人の世界王者が存在する。

しかし、現実には各団体の王者同士の対決戦などで、横断的に複数団体から認定を受ける世界王者が存在する。WBAでは2001年1月に発表した2000年12月度世界ランキングから、同団体以外のタイトルを同時に獲得した王者を「スーパー王者」として認定する、スーパー王者制度を導入した。その後、2001年5月に発表した4月度世界ランキングから、WBA王座保持者が他団体の王座を獲得しスーパー王者認定を受けた場合、WBA正規王座は空位になるとした[1]。2009年からは女子のスーパー王座も認定している。

しかし、王座乱立が目立つWBAは他団体との王座統一以外にも実質王座を統一しているという選手、WBA王座を5度もしくは10度連続で防衛に成功した選手をスーパー王者に認定すると定めているが[2]、その条件に該当しない選手が多数認定されており、また正規王座との統一戦も守られていないことから問題視されている。

WBAのヒルベルト・メンドーサ・ジュニア副会長は2011年に「ボクシング・ビート」のインタビューで「スーパー・チャンピオンとユニファイド・チャンピオン(統一王座)は別物である」と認めている。

2009年2月14日、IBF・WBO世界ライト王者ネート・キャンベルはアリ・フネカ(英語版)と対戦する予定だったが、前日計量で体重超過がありIBF王座とWBO王座を剥奪され[3]、試合はフネカが勝利した場合のみIBF王座とWBO王座を獲得するという条件で行われ[4]、キャンベルがフネカに勝ったことでIBF王座とWBO王座が空位となった[5][6]。そこで2009年2月27日にファン・マヌエル・マルケスファン・ディアス戦がWBAスーパー・WBO世界ライト級王座決定戦として行うこととなり[7]、翌28日の試合に勝利したマルケスがWBAスーパー王座とWBO王座を獲得した。

2012年5月5日、WBA世界フェザー級スーパー王者クリス・ジョン木村章司が日本人として初めて挑戦した[8]

2013年9月14日、WBA世界スーパーウェルター級スーパー王者フロイド・メイウェザー・ジュニアがWBA・WBC世界スーパーウェルター級王者[注釈 1][注釈 2]サウル・アルバレスと王座統一戦が行い、メイウェザーが12回2-0(114-114、117-111、116-112)の判定勝ちを収めアルバレスとの無敗対決を制しWBA王座とWBC王座の統一に成功した[11]

2013年12月18日にゲンナジー・ゴロフキンはWBA世界ミドル級スーパー王座に認定されたが[12][13]、同月29日にスーパー王座認定を拒否し正規王座に留まりたいとWBAに要望し、ゴロフキンは正規王座に据え置かれ、WBA世界ミドル級暫定王者マーティン・マレーとWBA世界ミドル級3位のジャロッド・フレッチャーの間でWBA世界ミドル級王座決定戦が行われる予定だったが、WBA世界ミドル級暫定王者マレーにフレッチャーが挑戦するというカードで初防衛戦として行われ(試合はマレーがトレーニング中に拳を骨折したことによりキャンセル)、同月21日に暫定王者となっていたディミトリー・チュディノフはWBA世界ミドル級暫定王座決定戦ではなくWBA世界ミドル級挑戦者決定戦の勝者という扱いになり、来年5月以降に指名挑戦者になるという混乱ぶりを見せた[14][15]

2014年5月3日、WBC世界ウェルター級王者フロイド・メイウェザー・ジュニアがWBA世界ウェルター級王者マルコス・マイダナと王座統一戦が行い、メイウェザーが12回2-0(114-114、117-111、116-112)の判定勝ちを収めWBA王座とWBC王座を統一してスーパー王者となったが[16]、前述のスーパーウェルター級のスーパー王座も保持していた為スーパー王者を同一人物が2つの階級で同時に務めるという異例の事態となった。

2014年6月3日、ゲンナジー・ゴロフキンが改めてスーパー王座に認定され、元WBAスーパー・IBF世界ミドル級王者でWBA世界ミドル級3位のダニエル・ゲールとの対戦も発表された[17]

2015年2月21日、内山高志が日本人初のWBAスーパー王者になった[18][19]

2015年8月29日、WBC世界スーパーバンタム級王者レオ・サンタ・クルスが王座保持のままアブネル・マレスとWBA世界フェザー級スーパー王座決定戦を行い、12回2-0(114-114、2者が117-111)の判定勝ちを収めスーパー王者となった[20][21]

2015年11月5日、世界王座4階級制覇を果たすなどの功績を称え、エイドリアン・ブローナーをスーパー王座に認定した[22][23]


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