「颱風」はこの項目へ転送されています。その他の用法については「台風 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
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台風(たいふう、颱風、英: Typhoon)とは、熱帯低気圧のうち北西太平洋または南シナ海に存在し、かつ低気圧域内の最大風速が約17.2 m/s(34ノット(kt)、風力8)以上にまで発達したものを指す呼称[1]。
強風域や暴風域を伴って強い雨や風をもたらすことが多く、ほとんどの場合、気象災害を引き起こす。上空から地球に向かって見ると反時計回りの積乱雲の渦からなる。超大型と呼ばれる台風は風速15m/sの強風域が半径800km以上と、とても大きな台風となる。「年別台風記事一覧」も参照。 気圧が最も低い位置を「気圧中心」といい[2]、その位置と勢力で台風は定義される。温帯低気圧との最大の違いは、前線を伴っていないことである。 北西太平洋の「東経100度線から180度経線までの北半球」に中心が存在するものをいう[3]。海域としては北太平洋西部(北西太平洋)およびその付属海である南シナ海、東シナ海、フィリピン海、日本海などにあたり、陸域としては東アジア、東南アジア、ミクロネシアのそれぞれ一部が含まれる。 最大風速が17 m/s以上の熱帯低気圧のうち、北インド洋にあるものは「サイクロン」[注 1]と呼ばれる[3]。南太平洋、北太平洋(180度経線以東)、北大西洋の熱帯低気圧のうち最大風速が33 m/s(64 kt)以上のものは「ハリケーン」と呼ばれる[4][注 2]。ただし、台風、サイクロン、ハリケーンともに現象としては同一である[4][5]。これらの熱帯低気圧が地理的な境界線を越えた場合は呼び方が変わる。例えば、2006年に北東太平洋で発生したハリケーン・イオケは、西進して経度180度を越えたため台風12号になった。このように、区域を跨って台風に変わったものを越境台風と呼ぶ。越境で台風でなくなるものもあり、2019年の台風1号は、マレー半島付近で東経100度線を越えたことにより台風からサイクロンに変わった[6]。「熱帯低気圧#分類・命名」も参照 なお世界気象機関の国際分類では地理的な領域に関係なく、熱帯低気圧を最大風速によりトロピカル・デプレッション、トロピカル・ストーム、シビア・トロピカル・ストーム、タイフーンの4段階に分類している。この場合における「タイフーン」と本項で述べている「台風」は英語では共に"typhoon"と呼ぶが、概念としては異なる。 台風の場合、熱帯低気圧域内で最大風速17 m/s以上を満たしたものを指す[3]。 台風の位置や中心気圧、最大風速、大きさの数値は過去の観測データの蓄積により確立されたドボラック法に基づいて人工衛星画像から推定し、地上や船舶で風速が観測できた場合にその都度修正していく方法を採っている[2]ため、「中心付近の最大風速」は必ずしも実測値ではない。例えば洋上にある台風中心の風速を実測するには航空機が必要となり、実際に1987年(昭和62年)までは米軍が航空機観測を実施していた時期もある[7]が、観測員や設備・運用等の負担が大きく、現在日本では航空機による観測は恒常的な手段としては行われていない(学術研究目的での観測例はある)。 なお、世界気象機関 (WMO) の世界気象監視計画 (WWW) により、北西太平洋海域の台風監視活動を行う中枢として、日本の気象庁が「熱帯低気圧プログラムに参画する地域特別気象中枢」(RSMC for TCP) に指定され、気象庁の判断が国際的には公式のものとされる。
定義
位置位置による違い1:ハリケーン、2:台風、3:サイクロン
勢力