スーパーボウル
Super Bowl今シーズンの大会:
第58回スーパーボウル
優勝チームに与えられる
「ヴィンス・ロンバルディ・トロフィー」
競技アメリカンフットボール
開始年1967年
主催ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)
開催期間2月上旬または中旬の日曜日
加盟国 アメリカ合衆国
参加チーム2
初代優勝グリーンベイ・パッカーズ
前回優勝カンザスシティ・チーフス
最多優勝ピッツバーグ・スティーラーズ
ニューイングランド・ペイトリオッツ(6回)
公式サイト
www.nfl.com/super-bowl
スーパーボウル (英語: Super Bowl) は、NFLの優勝決定戦。アメリカンフットボールの最高の大会であり、アメリカ合衆国最大のスポーツイベントである。NFLの2つのカンファレンス、アメリカン・フットボール・カンファレンス (AFC) とナショナル・フットボール・カンファレンス (NFC) の優勝チームの間で争われる。 毎年2月上旬の日曜日に開催されており、スーパーボウル当日はスーパーボウルサンデー(Super Bowl Sunday)またはスーパーサンデーと呼ばれ、事実上アメリカの祝日となっており[1][2]、年間で感謝祭に次いで2番目に食糧が多く消費されることでも知られる[3]。200以上の国と地域でテレビ中継されており[4]、特にアメリカでは毎年テレビ番組で年間最高視聴率を記録するなど、極めて注目度の高いコンテンツになっている。 1960年に誕生したアメリカン・フットボール・リーグ (AFL)が数年でNFLを脅かすライバルリーグに成長したことを受けて、1966年6月にNFLコミッショナーのピート・ロゼール
概説
スーパーボウルの名付け親はラマー・ハントとされる。第1回当時の正式名称は「AFL-NFLワールドチャンピオンシップゲーム」であった。ハントは彼の子供たちが当時流行していた玩具のスーパーボールで遊んでいるのを見て、これとカレッジフットボールでポストシーズンに行われている「ボウル・ゲーム」の語を組み合わせた「スーパーボウル」という名称を考案し、大会名称を決定する会議で提案した。これに対しロゼールは「スーパー」という単語がくだけすぎていると難色を示したといわれている[5]。しかし、「スーパーボウル」の方が世間に定着したことから、第3回からは正式名称となり、第2回までも遡ってスーパーボウルと呼ばれるようになった。
スーパーボウルに優勝したチームには、ティファニー社製のヴィンス・ロンバルディ・トロフィーと呼ばれるトロフィーが与えられる。名を冠されているヴィンス・ロンバルディはグリーンベイ・パッカーズの名コーチとして知られ、第1回と第2回のスーパーボウルを連覇している。また、優勝チームのメンバーにはスーパーボウル・リングと呼ばれるチャンピオンリングが与えられる。この指輪をもつことはNFL選手にとって最高の名誉である。スーパーボウルの優勝回数が最も多いのはピッツバーグ・スティーラーズとニューイングランド・ペイトリオッツの6回、出場回数が最も多いのはニューイングランド・ペイトリオッツの11回である。
1980年代までは一方的な試合内容になることも多かったが、サラリーキャップ制度やウェーバー方式のドラフト制度も功を奏し、1990年代以降は試合終了間際まで勝利の行方が分からない試合が増えた。
スーパーボウル優勝チームはホワイトハウスに招待されることが慣例となっている。ただし第20回に優勝したシカゴ・ベアーズはその2日後にチャレンジャー号爆発事故が起きたため、ホワイトハウスの訪問が実現しなかった[6]。また第45回に優勝したグリーンベイ・パッカーズのデズモンド・ビショップ(英語版)はIDを忘れたため中に入ることができなかった[7]。
世界一の経済力を有する国であるアメリカ最大の祭典であることから、経済規模が非常に大きい。例えば、第47回の再販の観戦チケット代は平均3278ドルであり、特別室での観戦では31万5000ドルとマンションの購入金額に匹敵する価格水準である[8]。CM枠が世界一高額なことで知られており、テレビ局の広告収入は2億2000万ドルを超えたと試算されている[9]。経済誌『フォーブス』の2015年の発表によると、スーパーボウルのブランド価値は5億8000万ドルであり、1日あたりのそれであれば夏季オリンピックやFIFAワールドカップなどを凌ぐ[10]。
開催地メルセデス・ベンツ・スーパードーム(ニューオーリンズ)は、最多の7度のスーパーボウル開催スタジアムである。
その名に相応しく、収容人員6万人以上のスタジアムしか使用しないという規定が存在する。しかし、レギュラーシーズンでもチームによってはチケットの入手が難しいNFLだけに、スーパーボウルのチケットは更に入手困難である。チケットは一般販売されず、出場チームそれぞれに20パーセント程度・開催するスタジアムのある州を本拠とするチームに合わせて10パーセント程度・全チームに1パーセント程度分配する。残りをリーグが取引先・代理店・スポンサーに販売する形を取っている。分配を受けたチームもまず一般販売をせず、スポンサーやシーズン・チケット購入者に優先して販売する。このような入手困難性もあり、クルーザー・別荘使用権と交換を依頼する人がいたり、抽選当選の通知が指名手配犯をおびき出す為の囮に使われた事などもある。
また、スーパーボウルは中継する各国のテレビクルー・報道機関・観客に留まらず、その雰囲気を味わおうとする観光客やアメリカンフットボール・ファンも訪れ、開催都市には莫大な経済効果をもたらすと言われ、多くの都市が開催を希望する。開催地はオーナー会議によって数年前に決定する。
開催立候補する都市には前述のスタジアムの収容人数の他、それだけの観光客を受け入れられる宿泊施設・交通網などの施設が整っていることが求められ、そのため観光地や大都市圏が選ばれることが多い(これまでの最小規模はジャクソンビル都市圏の人口約135万人)。そして、毎年2月の第1日曜日に開催するため、2月の平均気温が10度以上の温暖な気候地帯であるか、風雪に耐えられるドーム球場があるという条件も満たす必要がある[11]。そのため、フロリダ州、カリフォルニア州、アリゾナ州といったある程度温暖な地域やニューオーリンズ、アトランタ、ミネアポリス、デトロイトといったドーム球場を持つ都市などに開催地が偏ってしまうという事が難点として挙げられる。特に寒冷地で開催される場合、ドーム球場がすでにあるか、開催までに建設されることが絶対条件とされてきた。実際、第44回はニューヨーク、第49回はカンザスシティでそれぞれ開催予定だったが、前者はニューヨーク・ジェッツのドーム球場新設、後者はカンザスシティ・チーフスの本拠地アローヘッド・スタジアムの改修が白紙になったためにいずれも撤回され別の開催地に変更されている。しかし第48回の開催地はニューヨーク近郊のニュージャージー州イーストラザフォードに建設されたメットライフ・スタジアムとなった。同スタジアム周辺の2月の平均気温は-4℃近くという寒冷地であり、過去の例から考えると極めて異例の決定となった[12]。実際多くのNFL関係者が「寒冷地での開催は一度きりの例外」と語っている[13]。 長年スーパーボウル開催のスタジアムを本拠とするチームはそのシーズンのスーパーボウルに出場したことがなく、このことは、スーパーボウルの有名なジンクスとなっていた。2019年シーズンまでにマイアミ・ドルフィンズは11回、ニューオーリンズ・セインツは10回ホームスタジアムが開催地となったものの[注 1]、1度も本拠地開催のスーパーボウルに進出できていない[注 2]。なお、カリフォルニア州パサデナにあるローズボウルで開催された第11回、第14回のスーパーボウルにオークランド・レイダース、ロサンゼルス・ラムズがそれぞれ出場したが、いずれもオークランド、ロサンゼルスをフランチャイズとするチームではあるが、ローズボウルは本拠地ではない。第19回にはサンフランシスコ・フォーティナイナーズが、隣接市にあるスタンフォード・スタジアムでのスーパーボウルに出場したが、これも同様である。第48回は、当時NFLで唯一2つのチームが本拠地とするメットライフ・スタジアムで開催されることになったことでジンクスが破られる可能性が例年より高まったが、ニューヨーク・ジャイアンツ、ニューヨーク・ジェッツともにプレーオフにすら進出できなかった。2017年シーズン、ミネソタ・バイキングスがスーパーボウル開催地をホームとするチームとしては過去最高のレギュラーシーズンの戦績13勝3敗を記録し、NFC第2シードを手にした。しかし、そのバイキングスもNFCチャンピオンシップでフィラデルフィア・イーグルスに敗れてしまい、スーパーボウルに進出することはできなかった。しかし、2020年シーズンにNFC第5シードから勝ち上がったタンパベイ・バッカニアーズがNFCチャンピオンシップでグリーンベイ・パッカーズを破り、本拠地であるレイモンド・ジェームス・スタジアムで更にNFCチャンピオンが奇数回のホームチーム扱いで第55回への進出を決めたことでこのジンクスが破られることになり、タンパベイはこの大会を優勝で飾っている。呪いの解けた翌年第56回には再び開催地SoFiスタジアムを本拠とするロサンゼルス・ラムズがAFCチャンピオンがホームチーム扱い(NFCのラムズはロード扱い)だけど進出してこちらも勝利している。 大会主な演者
スーパーボウルの呪い
ハーフタイムショー詳細は「スーパーボウルのハーフタイムショー」を参照第46回スーパーボウルハーフタイムショーでパフォーマンスするマドンナ
第25回(1991年)ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック
第26回(1992年)グロリア・エステファン
第27回(1993年)マイケル・ジャクソン
第28回(1994年)クリント・ブラック
第29回(1995年)パティ・ラベル
第30回(1996年)ダイアナ・ロス
第31回(1997年)ブルース・ブラザーズ