スーパーヅガン
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スーパーヅガン
ジャンル
ギャグ漫画麻雀漫画青年漫画
漫画
作者片山まさゆき
出版社竹書房
掲載誌近代麻雀オリジナル
レーベル近代麻雀コミックス
発表期間1981年 - 1989年
巻数単行本:全9巻
竹書房文庫:全5巻
漫画:スーパーヅガンアダルト
作者片山まさゆき
出版社竹書房
レーベル近代麻雀コミックス
巻数全3巻
アニメ
原作片山まさゆき
監督西村純二
脚本時村尚、山口亮太
キャラクターデザイン中嶋敦子
音楽小滝みつる、大森俊之
アニメーション制作スタジオディーン
製作フジテレビキティ・フィルム
放送局フジテレビ他
放送期間1992年10月8日 - 1993年3月18日
話数全21回
テンプレート - ノート

『スーパーヅガン』は竹書房の漫画雑誌『近代麻雀オリジナル』1981年6月号から1989年9月号まで連載された、片山まさゆき作の麻雀漫画である。同時期に連載されていた『ぎゅわんぶらあ自己中心派』と共に、片山の二大出世作かつ代表作の一つである。また、ここでは13年後に続編として連載された『スーパーヅガンアダルト』についても記述する。
概要

タイトルの意味は「つかん」=「ツキ(運)がない」を大げさにした表現。作品内でも運のなさの深刻さにつれて「つかん」「ヅガン」「スーパーヅガン」などの表現が頻出する。物語後半では負けが込むと主人公の周囲に「ツカンポの花」が咲くようになる。主人公がとことんツキがなく、麻雀に負け続ける様を描くという作風は、過去現在を問わず麻雀漫画においては異色中の異色である。また、学生(連載当初)が主人公の麻雀漫画も極めて珍しいものであった。

この作品のコンセプトはあくまで麻雀を主体とした日常世界であり、そこにギャグタッチを強く採り入れている。また、他の片山作品と比べてラブコメディー色も強い。一方で、『ぎゅわんぶらあ自己中心派』で見せたようなパロディ世界はあまり見られない(冒険RPGや昔話のパロディなどが数話あるのみ)。麻雀の描写も時折本格的な描写はあるが、登場キャラの役満連発などかなり誇張が入っており、麻雀理論や闘牌シーンを忠実に描いた『ノーマーク爆牌党』などとは視点が異なっている。

最初は『ジャンシリーズ』(サブタイトルの最後が「?ジャン」で終わる)が5回連載された(単行本1巻巻末に収録)。絵はまだかなり稚拙だが、豊臣ら4人のキャラ設定と麻雀シーンの正確さは変わらなかった。その後『スーパーヅガン』のタイトルに直して連載する。連載当初は全く不人気だったが、後に安定した人気を誇り、連載半年後には『近代麻雀オリジナル』の看板漫画にまで成長し、当時の社長もこの作品をプッシュしたという。連載は8年に及び、連載終了してからもアニメ化(同氏の作品としては初であり、2015年現在唯一である)も果たしている。また、ツキの無さを示す「つかん」という言葉は雀荘で流行するほどであった。全9巻(大判)。その13年後に続編『スーパーヅガンアダルト』が連載されたが、こちらは未完のまま連載が終了した(3巻まで刊行)。『スーパーヅガンアダルト』では、スーパーヅガンの世界観に加えて、『ぎゅわんぶらあ自己中心派』のような、世相を反映したパロディ話もかなり登場するようになった。また、早見と再会するまではストーリー漫画のような側面も持っており、前作と比較するとかなり背景が描き込まれている。

なお同じキャラクターが登場する作品として『片山まさゆきの麻雀教室』が存在するが、これは「フレッシュマガジン」に発表された作品の為、詳細は『ぎゅわんぶらあ自己中心派』側を参照。

片山まさゆき曰く、「作中の不条理な豊臣の打ち込みについては、役満の三家和などの明らかに嘘っぽいものは別として、私自身が実際に体験したものである」と、最終巻のあとがきにて語っている。この後書きでは、他にこの作品をすごく気に入っていたこと、そして続編を描く気はなかったことが書かれている。
あらすじ

主人公、豊臣はかつて常に学力No.1を誇るエリート高校生だったが、織田率いる不良グループに絡まれ、麻雀ですってんてんにされてから、全てのツキを奪われてしまい、以後は何かと金を巻き上げられる真っ暗な青春を送っていた。そんなある日、ひょんな形で高校時のクラスメート、早見明菜(ヒロイン、後述)と再会。彼女は、すっかり変わり果ててしまった豊臣にショックを受けるも、自分の想いを赤裸々に告白、そして彼に麻雀をやめるように懇願する。

しかし、彼は腐れ縁の連中と麻雀を断ち切ることができず、連日借金を重ねる有様であった。痺れを切らした早見は素人ながら麻雀を覚え、彼の仇を取ろうとする。しかし早見自身が驚異的なツキの持ち主であったために、今度は彼女もすっかり麻雀の虜になってしまうのだった。

その後は主人公豊臣とヒロイン早見、そして不良グループの織田、明智、徳川などを中心に、色んなゲストキャラを巻き込み、面白おかしい麻雀シーンが描かれていく。
主な登場人物
豊臣秀幸(とよとみひでゆき)
声優山口勝平[注 1]ネーミングは豊臣秀吉。千葉県出身(豊臣、早見、織田、明智、徳川は全員千葉県出身である)、4月1日生。本編の主人公で、驚異的なツキの無さを持つ。特に相手への放銃(振り込み)が多い。打ち方そのものは、家族で麻雀を打っていた経験もあり、麻雀理論のセオリーにのっとった模範的な打ち方であるが、そのツキのなさゆえにまったくもって活かされず、とにかく読みが裏目に出る。自分がツイてないときには「つかん」「づがん」「づがーん」「づぎゃん」「つかんぽ」などと叫び、一種のツキの無さの度合いを表すバロメーターにもなっている。また、箱テンになると、箱を頭に被るのが特徴で、ツカンポの花という花を咲かせることも。身長は平均男性より少し低い程度で車の運転(ただし、ペーパーに近い)などもできるが、状況に応じて二頭身になったりするなどギャグテイストが強い。元々は優等生で、学年一の成績保持者であったが、下北沢大学(明治大学学生だった作者が、下北沢駅近くに住んでいたのが発祥)では豊臣だけ留年、雀荘『壱番館』でアルバイトをしながら生活している。また学生の弟と社会人の兄がおり、同様につかんぽ。豊臣兄弟三人がメンツとして揃っている卓に入った一名は「和了れないトライアングル」という生き地獄に陥り、たとえ3副露したとしてもテンパイすら困難となる。後述するヒロイン、早見明菜は高校時代からの友人で、お互い好き合ってはいるものの、決して恋人同士という関係ではない(アニメ版では豊臣の彼女という解説があったが、続編でヤスが「もどかしげな男女関係」と告げている)。豊臣が、自分がもし彼女とくっつけば、彼女を不幸にしてしまうのではないかという思いを抱き続けているからである(そのため、自分と波長の合うドジッ子タイプと意気投合したりしており、早見の気持ちをやきもきさせている)。続編では、最終回からの顛末が描かれている。早見の海外転勤を追ってリオデジャネイロに向かっていった(3人同時に役満を振り込んで、その勢いでリオ向いてすっ飛んでいった)が、途中で失速し、ナスカの地上絵の上に墜落。その後、リオまで歩くも早見とはまたすれ違ってしまい、現地で振り込んで同じようにぶっ飛び、3年がかりで日本に戻ってくる。その後は、早見の行方を追いながら(彼が東京に戻った時には、早見は証券会社を退社していた)、様々なバイトをしつつ、フリーターとして生計を立てていた。また、麻雀からも足を洗っていたが、バイト先でカモにされていたミルミル(新ヒロイン、後述)を救うため、久々に麻雀を打つようになる。その後は、信太郎、ヤス、明智、そして早見とも再会。だが、肝心の早見との関係は、ミルミルの登場により、ニアミスが続く羽目に。麻雀の運も相変わらずで、むしろツキの無さは更に悪化しており、前作以上に勝てていない。
早見明菜(はやみあきな)
声優:大坪純子ネーミングは早見優中森明菜から(この頃片山は女性キャラにアイドルの名をよく使っていた)。5月8日生。1巻後半から参加した本編のヒロインで、驚異的なツキを持つ。配牌やツモに恵まれ、役満を連発するだけでなく、時に八連荘や天和などを上がることも。しかし、基本は素人なので満貫未満の得点計算ができない上、指し回しも豊臣よりずっと下手である。下手に考えて打つと振り込みを連発するような描写もあった。学業の成績も優秀で運動神経も抜群。豊臣のことが好きで、どんな事があっても放っておけない存在。大学卒業後は大手証券会社、野々村証券(元ネタは野村證券)に勤務。顔が『自己中心派』のヒロイン、律見江ミエと区別が付かないと『片山まさゆきの麻雀教室』で読者からの指摘を受けた事がある。リオ支店に転勤するも不況の影響もあり、豊臣とすれ違うように帰国し、その後証券会社を退社した模様。その後はしばらく顔を見せなかったが、花屋を兼ねた喫茶店経営を行うようになり、そこのオーナーとなっている。また、豊臣とは高級ホテルですれ違うが、ちょうど間が悪くミルミル(後述)と二人きりの状態であったため、感動の再会とは行かなかった。その後、ミルミルとは邂逅するも、互いに牽制しあう恋敵ともなっている。麻雀を含め、強運さは相変わらずだが、前作の天真爛漫さ、朗らかさは成りを潜め、かなり落ち着いた性格になっている。
織田信太郎(おだしんたろう)
声優:山寺宏一ネーミングは織田信長。不良グループの一人。通称「セオリー無視の一発屋」。サングラスリーゼント、銜えタバコが特徴。とにかく押しが強く、リーチで「とおし」ばかり狙い、一発ツモばかり狙う。コネを使ってブジテレビ(フジテレビジョンのもじり)に入社したが、アシスタントディレクターという過酷で悲惨な仕事の為、さぼってすぐに退社。金遣いが荒く、豊臣から巻き上げた金はすぐギャンブル(パチンコやパチスロ)に消えてしまう。最終回では長距離トラックの運転手となる。運動神経はかなり良く、スポーツ万能の一面も。他のキャラと違い、一時的に早見に利用されていた以外は女っ気はない(ただし、続編でレイカと意気投合していた話もある)。続編では、自営の運送会社で一定の成果を上げ、部下も雇っている(ただし、過積載を平気で行ったり、社員の給料をパチスロに注ぎ込んだりと、アナーキーさは相変わらず)。豊臣とはバイト先のビアホールで再会し、また同じように豊臣、そしてミルミルをカモにして、金を巻き上げている。
明智光一(あけちこういち)
声優:難波圭一ネーミングは明智光秀。不良グループの一人。茶髪のカーリーヘアが特徴。理論派で麻雀の知識に明るく、またダマ聴や引っかけなど、トリックプレイを得意とする。また、織田、ヤスの二人が直情径行型なのに対し、クールに物事を観察していることが多い。リエという彼女はいるが、根っからのプレイボーイで、町でしょっちゅうナンパしている。リエは非常に嫉妬深い上にヒステリーで暴力を振るう癖がある上、麻雀の腕も下手なので明智との相性は良くない。卒業後は不正を犯して(親が試験問題を盗んできた)医師免許を取得してしまったが、上下関係があって大変な為、最終回では寒村で開業医を営む予定だった。不良グループ三人の中で、唯一豊臣の逆襲を受けて「づがん」を言わされたことがある人物(他2人もターゲットとされていたようだが、連載終了まで復讐はされなかった)。続編では、色々な女性を誑かしてヒモとして生活を行っていた。また、人生に疲れたなどという消極的発言もしており、性格も前作と比較してかなりドライになってしまっている(登場機会も織田、ヤスと比較すると格段に少ない)。


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