スーパースポーツ
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この項目では、オートバイの1ジャンルについて説明しています。

オートバイレース選手権の1つについては「スーパースポーツ世界選手権」をご覧ください。

スポーツ用品店「スーパースポーツゼビオ」については「ゼビオ」をご覧ください。

.mw-parser-output .pathnavbox{clear:both;border:1px outset #eef;padding:0.3em 0.6em;margin:0 0 0.5em 0;background-color:#eef;font-size:90%}.mw-parser-output .pathnavbox ul{list-style:none none;margin-top:0;margin-bottom:0}.mw-parser-output .pathnavbox>ul{margin:0}.mw-parser-output .pathnavbox ul li{margin:0}自動車 > オートバイ > オートバイの種類 > スーパースポーツ

スーパースポーツ(: Supersport、SS)とはフルカウルタイプのオートバイの一種で、SSとも略され、1000ccクラスは「リッターSS」といわれている。

ロードレース世界選手権ではmoto3は250cc、moto2は765cc、motoGPは1000ccの3種類の排気量で争われている。市販車のフルカウルタイプの250ccから1000ccまでのバイクはレーサーをレプリケーションしたわけではないので現在ではスーパースポーツとされている。以前は50cc、80cc、125ccなどのレギュレーションもあったが2023年現在はないため250cc-1000ccのスポーツバイクはスーパースポーツと呼ぶ。250ccは含まないという意見もあるが、実績共々、紛れもないスーパースポーツといえる。

昔はレーサータイプのバイクはレーサーレプリカと呼ばれていたが、レーサーレプリカが元々あったレース用バイクにできるだけ似せて作られた公道用バイクであり、スーパースポーツには模倣する元となったレース用バイクは現在存在しない。

なお、バイク市場の売上減少により売上増加のためには、販売店がフルカウルバイクをスーパースポーツと宣伝し販売する傾向にあるので、そちらの視点から見るとフルカウルバイク全体をスーパースポーツというのも間違いではない。また、レーシング志向のスーパースポーツであっても、メーカーがツアラー代用を推奨する事もある。ドゥカティ・パニガーレV4 (214馬力)
レーサーレプリカホンダ・NSR250R レプソルカラーストロボカラーのTZR250 1986年仕様

1980 - 90年台は、各社オートバイメーカーがレース活動で得た技術を応用し、走行性能の高さやオートバイレースでのイメージを販売戦略に用いた車両をレーサーレプリカとして販売していた。改造範囲の狭い市販車改造レースのベース車両としての役割も担っており、レースでの成績が直接営業セールスに繋がった。本来のレーサーとの違いは、法規に沿った灯火類[注釈 1]スタンドがあること(レースマシンはこれらの部品が装着されていない[注釈 2])のほか、耐久性や公道での扱いやすさを持たせるためエンジンがデチューンされているなどである。

販売台数・年代・レギュレーションなどにより車両の型式は左右され、古くはウェス・クーリーエディ・ローソンAMAスーパーバイク選手権を優勝した際の車両を模して1979年に発売されたスズキ・GS1000S1982年カワサキ・Z1000Rが発売されたが、当時はレーサーレプリカという呼び名はなかった。そしてアルミフレームを持ちレーサーそのままのスタイルでスズキ・RG250ガンマが発売されるとたちまち人気となり、これを火付け役としてレーサーレプリカがブームとなり、各メーカーが社運をかけて2スト250ccレーサーレプリカを開発し発売することになった。後に4スト400ccにもレーサーレプリカが広まり、日本においては普通自動二輪免許で乗ることができる400 ccにTT-F1/TT-F3、250 ccにGP500/250などの車両にスポンサードしていた企業のグラフィックを施した車両などが販売され好評を博していた。またロードレース世界選手権のトップカテゴリーで2スト500ccが全盛であったため、ヤマハ・RZV500Rスズキ・RG500Γ/RG400Γホンダ・NS400RがGP500レーサーのイメージで発売された。
バイクブーム

1980年代初頭から始まった日本のバイクブームは、それにともない芸能人がレースに参加したり、日本映画の「汚れた英雄」、週刊少年サンデーの「ふたり鷹」、週刊少年マガジンの「バリバリ伝説」、「資生堂 TECH21」のCM等、業界外のメディアがレースやそれを取り巻く環境を取り上げることが多々あり、元々ロードレースに興味がなかった人々を巻き込んで加熱し、ブームが起こった。後にバブル景気と呼ばれた社会背景も手伝ってロードレースへのエントリー数も増加し、改造範囲が狭いカテゴリの存在や、そのレースでの優劣がセールスに繋がることもあり、メーカー各社も毎年のようにモデルチェンジ(年次改良)を繰り返し、最新のテクノロジーを投入して性能向上を図った。そういった背景からレプリカモデルは高価格であり、エンジンの出力特性が街乗りに合わない、ハンドル切れ角が少ない、ライディングポジションが窮屈、転倒した際の修理代が高額、購入してもすぐに型落ちになってしまうなど、実用や維持費の面で数々のネガがあるにもかかわらず購買欲を刺激することとなり、販売台数は増加した。

レーサーレプリカの流行はレーサーレプリカブームと呼ばれた。代表的な車種は2ストロークのヤマハ・TZRホンダ・NSRスズキ・ガンマ、4ストロークのヤマハ・FZRスズキ・GSX-Rホンダ・CBRホンダ・VFRカワサキ・ZXRなどであった。また、モトクロス競技専用車両(モトクロッサー)をベースに市販化されたオフロードモデル(デュアルパーパスモデル)にもSUZUKI RMX250などレーサーレプリカと呼ばれるモデルがあった。

レーサーレプリカブームは、ロードレースに対するブームの沈静化と主たる400 ccのマーケットにおいて必要十分の性能でお手頃価格であり日常の使い勝手が良い、カワサキ・ゼファーホンダ・CB400スーパーフォアスズキ・バンディットなどに代表されるネイキッドバイクや、大型自動二輪免許の取得(いわゆる「限定解除」)が容易になったことから大型バイクにマーケットが移行したことにより衰退した。

スズキ・1979年RG500バリー・シーン

スズキ・RG500Γ

超高性能バイクの歴史レース専用車 ホンダRC211V(ニュー・ジェネレーションと呼ばれた2006年ニッキー・ヘイデン車)市販公道用スーパースポーツ CBR1000RR 2009年仕様 レプソルカラー。レプソルカラーはMotoGP車両のレプリカであるが、この車両はWSBのベース車両でもある。

1990年代初頭、オートバイメーカー各社は最高速300km/hをクリアするバイクを開発する目標を持っていた[1]。こうした車両設計においては最高出力や直進安定性が優先されていた。世界最高速度を追求する、あるいは高速での快適な走行性能を高める、といったツアラー的なコンセプトが大排気量車では主流であった。(この種のバイクは後にメガスポーツと呼ばれるようになる)

しかし、1992年に最高速よりも軽快な走行性能を全面に打ち出したホンダ・CBR900RRが発売され[1]、これがスーパースポーツの最初である。この当時のオートバイ各誌は、900ccというレースのレギュレーションに合致しない、すなわち元となる「レーサー」が存在しないこの車両に対しレーサーレプリカという名称を用いるか否か、124ps、乾燥重量185kgというスペックに対抗車種として他社のどの車両をあてがうべきか、頭を悩ませた[1]。代表的な同時期の近い排気量の車種として挙げられるスズキのGSX-R1100の143ps、226kgや、ツアラー的なカワサキのZZ-R1100の147ps、228kg、CBR1000Fの135ps、235kgという数値は対抗車種として挙げるにはあまりに車両の方向性が異なっていた[1]。ドゥカティの1992年モデルの888SPSは(185kg、120ps)でスペックは同等だが約360万円であった。過去ではコンセプトである750ccクラスの車体にリッターエンジンとしては、初期のGSX-R1100(197kg、130ps)に相当する。

1993年も各社の世界最高速度競争は過熱し、スズキはGSX-R1100を水冷化し155ps、231kgへモデルチェンジ、カワサキはZZ-R1100をD型147ps、233kgへモデルチェンジ[1]。また、トライアンフからトライアンフ・デイトナ1200が147ps、228kgというスペックで発売され、この競争に参加した[1]。しかし、ホンダはCBR1000Fを据え置きし参加することもなかった。また、ホンダは750ccに、より軽快な車両を販売しておらず、他社は販売していたこともあり、CBR900RRのようなコンセプトの車両はホンダとドゥカティぐらいであった。

1994年、CBR900Rはモデルチェンジするも諸元は据え置かれ、基本コンセプトは維持された。


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