『中年スーパーマン左江内氏』(ちゅうねんスーパーマンさえないし)は、藤子不二雄名義で発表されたSFサラリーマン漫画。藤本弘(のちの藤子・F・不二雄)による単独執筆作[注釈 1]。『漫画アクション』(双葉社)に1977年9月15日号から1978年10月26日号に掲載された。全14話。
2017年1月に『スーパーサラリーマン左江内氏』のタイトルで連続テレビドラマ化された(日本テレビ系)。設定と作風は漫画とは大きく異なっている。
以下では、漫画作品について記述する(ドラマ作品は「#テレビドラマ」の項内のみに記述)。 ごく平凡な中年サラリーマンの左江内はある日「スーパーマン」を自称する初老の男性に付きまとわれ、スーパーマン業の後がまになってくれないかともちかけられる。左江内は酒の上の冗談だと思い本気にしなかったが、娘の危機を救うためにスーパーマンに変身したことで、そのままスーパーマン業を引き受けることに。左江内は平凡なサラリーマン生活を続けながら、身の回りの些細な揉め事を解決したり、暴漢や強盗と戦う日々を送ることとなる。 漫画作品内での能力を以下に記す(ドラマ版での能力は「#ドラマのみの設定と場面」を参照)。 スーパーサラリーマン左江内氏
あらすじ
登場人物
左江内
会社での役職は係長。45歳。下の名前は不明。小心者でお人よし、少々頼りなさげな中年男性。そういった性格で能力を悪用もしないだろうと、先代のスーパーマンからスーパー服を譲り受けた。この服の能力のせいで事件を察知できるようになり、仕事中でもスーパーマンとして出動しなければならない羽目になる。
左江内 円子
左江内の妻。夫のことはまるで信頼していない。いつもぐうたらしている。
左江内 はね子
左江内の娘。高校生。年頃で反抗期を迎えている。夜遊びの帰り道にオートバイの男に襲われたところを「スーパー服」を着用した左江内に助けられる。
左江内 もや夫
左江内の息子。姉のはね子から襲われそうになった話を聞き「かーっこいい!!」と口にする。
先代のスーパーマン
初老の男性。左江内にスーパー服を譲り渡す。本業はハンコ屋であるが、スーパーマン業に精を出し過ぎて経営が苦しくなり、妻にも逃げられた。スーパー服はさらに先代のスーパーマンから譲り受けたもの。
パーやん
同作者の別作品『パーマン』のキャラクター。最終話に登場。内職としてパーマンの力を使った運送業を営んでおり、左江内を共同経営者に誘った。
スーパーマンの能力
スーパー服の着用時
高速で飛行が可能で、高いビルも超えられる。
パンチ1発で岩やオートバイを砕き、家1軒や木も根元から引き抜ける。
弾丸を跳ね除ける防御力。
水中で呼吸ができる。
任意の数段階で透視できる(壁の透視から、衣服の透視、レントゲンのように骨を見ることもできる。女性の衣服を透視して裸体を拝むこともできる)。
スーパー服はどんな体型でもフィットする。
スーパー服の生地からは光線が常に発せられており、スーパーマンを目撃した人物は数秒でその存在すら忘れてしまう。このため、正体を知られることはないが、活躍を記憶されることもない。スーパー服の上から通常の服を着ることで、光線の効果を消すことができる。
スーパー服は通常は畳んだハンカチの形状にして持ち歩ける。変身したいときには一瞬で広げられる。
定期的に洗濯をしないと汚れて悪臭を発する。
裏返しに着ると力が抜けて弱くなる。
常時
スーパーマンが出動すべき事件が起きると、遠くからでも察知できる(スーパー服を着ていない時も察知できる)。
単行本
『中年スーパーマン左江内氏』 双葉社〈アクションコミックス〉 全1巻
『中年スーパーマン左江内氏』 中央公論社〈藤子不二雄ランド〉全1巻
『SF全短篇』第3巻 中央公論社〈中公愛蔵版〉 ※全14話を全て収録
『中年スーパーマン左江内氏』 小学館〈藤子・F・不二雄大全集〉[注釈 2] ※全14話を全て収録
『中年スーパーマン左江内氏』小学館〈てんとう虫コミックススペシャル〉全1巻[注釈 3]
テレビドラマ
ジャンルテレビドラマ
原作藤子・F・不二雄
『中年スーパーマン左江内氏』
脚本福田雄一
演出福田雄一
監修池村聡(法律)
古谷謙一(警察)
出演者堤真一
小泉今日子
ムロツヨシ
島崎遥香
賀来賢人
早見あかり
中村倫也
横山歩(子役)
富山えり子
金澤美穂
犬飼貴丈
佐藤二朗
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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