地球科学の未解決問題地震、スロー地震、定常すべりなど断層運動を全て説明できる統一的な物理メカニズムは存在するのか?
スロースリップ(英: slow slip)は、地震学の用語で、普通の地震によるプレートのすべり(スリップ)よりもはるかに遅い速度で発生する滑り現象のことである[23]。「スローイベント」[24]「スロー地震」[25]「ゆっくりすべり」[26][27]「ゆっくり地震」[28]「ぬるぬる地震」[29]とも呼ばれる。海溝などの沈み込み帯ではよく見られる現象[30]。また、1つのプレートの中に存在する断層の面でも発生する[31]。スロー地震とファスト地震の相関図[1]。
特に、「スロー地震」(英: slow earthquake)という用語は、同規模の通常の地震に比べて断層がゆっくりと滑る現象の総称として使用される[32]。スロー地震には、低周波地震、低周波微動、超低周波地震、短期的スロースリップイベント、長期的スロースリップイベントなど、多様な時定数をもつ低速な断層すべり現象が含まれる[32]。低周波微動は、防災科学技術研究所により整備された高感度地震観測網の観測結果がきっかけとなり発見された[33][34]。
低周波微動(英: low-frequency tremor)は、英語でtectonic tremorあるいはnon-volcanic tremorと呼ばれることもあり[5][35]、それぞれテクトニック微動(あるいは構造性微動)、非火山性微動と和訳される[36][37][38]。スロースリップイベントは、SSE(Slow Slip Event)と略される事もある[39]。
普通の地震は、スロー地震との対比から「ファスト地震」(英: fast earthquake)と呼ばれることがある[40]。
「普通の地震よりもはるかに遅い速度」というのは、断層の滑る速度のことであるが[32]、断層の滑りが広がる速度(断層破壊速度)を指すこともある[25]。