スレイター行列式
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出典検索?: "スレイター行列式" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2012年12月)

スレイター行列式(スレイターぎょうれつしき、: Slater determinant)とは、フェルミ粒子からなる多粒子系の状態を記述する波動関数を表すときに使われる行列式である。この行列式は2つの電子(または他のフェルミ粒子)の交換に関して符号を変化させることによって反対称性の必要条件と、その結果としてパウリの排他原理を満たす[1]。名称は1929年に波動関数の反対称性を保証する手段としてこの行列式を導入した[2]ジョン・クラーク・スレイターに因むが、この行列式の形式での波動関数はそれより3年前にハイゼンベルク[3]ディラック[4]の論文において最初に独立に登場していた。

量子論では複数の同種粒子は原理的に区別できない(エンタングルしている)。よって複数の同種粒子を含む系の状態ベクトルは一定の対称性を持つものに限られる。その対称性は、任意の2個の粒子を入れ替えることに対して、ボーズ粒子では対称性をもつ波動関数フェルミ粒子では反対称性をもつ波動関数という、少し不自然にも見える形で現れる。この不自然さは、個々の粒子に別々の「位置」を割り当てるのは粒子が区別できることが大前提であるのに、区別ができない粒子にそれをやってしまったことによる。

スレイター行列式は、複数のフェルミ粒子系の波動関数が持っている反対称性と同じ性質を持っている。またスレイター行列式の線形結合も反対称性を満たす。よって多電子系などを表すときに、スレイター行列式は便利なのでよく用いられる。
フェルミ粒子の性質とスレイター行列式

同種の複数のフェルミ粒子からなる系の波動関数が満たすべき性質は次の3つである。
任意の2つの粒子の位置のラベルを交換すると符号が逆になる。

任意の2つの粒子が同じ座標を持つと0になる。(パウリの排他原理)

全ての粒子は区別できない。

これは行列式の以下の性質と良く似ている。
任意の2つの行、または列を交換すると符号が逆になる。

任意の2つの行、または列が同じ時は0になる。

全ての置換パターンが考慮される。

よって複数のフェルミ粒子から成る系の波動関数を表すときに、行列式を用いると便利であることが分かる。実際、上記のスレイター行列式を見ると分かるように、フェルミ粒子波動関数の性質を全て満たしていることが分かる。
定義
2粒子の事例

多粒子系の波動関数を近似するための最も単純な方法は、適切に選ばれた個々の粒子の直交波動関数の積を取ることである。空間座標 x 1 {\displaystyle {\boldsymbol {x}}_{1}} および x 2 {\displaystyle {\boldsymbol {x}}_{2}} の2粒子の事例では以下のようになる。 Ψ ( x 1 , x 2 ) = χ 1 ( x 1 ) χ 2 ( x 2 ) {\displaystyle \Psi ({\boldsymbol {x}}_{1},{\boldsymbol {x}}_{2})=\chi _{1}({\boldsymbol {x}}_{1})\chi _{2}({\boldsymbol {x}}_{2})}

この表現は多粒子波動関数に対するアンザッツとしてハートリー近似で用いられており、ハートリー積として知られている。しかしながら、上記の波動関数がフェルミ粒子のもののように反対称ではないため、これはフェルミ粒子に対しては満足のいくものではない。というのも、 そもそも反対称な波動関数は以下の式を満たすはずである: Ψ ( x 1 , x 2 ) = − Ψ ( x 2 , x 1 ) {\displaystyle \Psi ({\boldsymbol {x}}_{1},{\boldsymbol {x}}_{2})=-\Psi ({\boldsymbol {x}}_{2},{\boldsymbol {x}}_{1})}

ハートリー積はこれを満たさない。この困難は、 ハートリー積の線形結合を取ることで克服することができる: Ψ ( x 1 , x 2 ) = 1 2 { χ 1 ( x 1 ) χ 2 ( x 2 ) − χ 1 ( x 2 ) χ 2 ( x 1 ) } = 1 2 。 χ 1 ( x 1 ) χ 2 ( x 1 ) χ 1 ( x 2 ) χ 2 ( x 2 ) 。 {\displaystyle {\begin{aligned}\Psi ({\boldsymbol {x}}_{1},{\boldsymbol {x}}_{2})&={\frac {1}{\sqrt {2}}}\{\chi _{1}({\boldsymbol {x}}_{1})\chi _{2}({\boldsymbol {x}}_{2})-\chi _{1}({\boldsymbol {x}}_{2})\chi _{2}({\boldsymbol {x}}_{1})\}\\&={\frac {1}{\sqrt {2}}}{\begin{vmatrix}\chi _{1}({\boldsymbol {x}}_{1})&\chi _{2}({\boldsymbol {x}}_{1})\\\chi _{1}({\boldsymbol {x}}_{2})&\chi _{2}({\boldsymbol {x}}_{2})\end{vmatrix}}\end{aligned}}}


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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