スルファジアジン銀
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スルファジアジン銀
IUPAC命名法による物質名
IUPAC名

Silver [(4-aminophenyl)sulfonyl](pyrimidin-2-yl)azanide

臨床データ
販売名Silvadene
Drugs.commonograph
MedlinePlusa682598
胎児危険度分類

B (not recommended in late pregnancy)

法的規制

? (Prescription only)

投与経路Topical
薬物動態データ
生物学的利用能<1% (silver), 10% (sulfadiazine)
血漿タンパク結合High (silver)
排泄2/3 renal (sulfadiazine)
識別
CAS番号
22199-08-2 
ATCコードD06BA01 (WHO)
PubChemCID: 441244
DrugBankDB05245 
ChemSpider390017 
UNIIW46JY43EJR 
KEGGD00433  
ChEBICHEBI:9142 
ChEMBLCHEMBL1382627 
別名(4-Amino-N-2-pyrimidinylbenzenesulfonamidato-NN,01)-silver, sulfadiazine silver, silver (I) sulfadiazine, 4-amino-N-(2-pyrimidinyl)benzenesulfonamide silver salt
化学的データ
化学式C10H9AgN4O2S
分子量357.14 g/mol
SMILES

[Ag+].O=S(=O)([N-]c1ncccn1)c2ccc(N)cc2

InChI

InChI=1S/C10H9N4O2S.Ag/c11-8-2-4-9(5-3-8)17(15,16)14-10-12-6-1-7-13-10;/h1-7H,11H2;/q-1;+1 

Key:UEJSSZHHYBHCEL-UHFFFAOYSA-N 

物理的データ
融点285 °C (545 °F)
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スルファジアジン銀(Sulfadiazine silver, Silver sulfadiazine: 略:SSD)は、部分層、また全層の熱傷(やけど)の感染予防に用いる局所抗生物質である[1]。日本ではゲーベンクリーム、英語圏ではSilvadeneで知られる。他の創傷被覆材のほうが効果的であるという暫定的なエビデンスがあるため、一般には使用は推奨されない[2][3]

副作用としては、一般に使用部位への痒みや痛みがみられる[4]。その他、白血球の減少、アレルギー反応、銀皮症溶血肝炎がみられることもある[4]サルファ薬であるため、アレルギーに注意が必要である[4]。周産期の妊婦には使用できない[4]。2か月未満の乳児には推奨されない[4]。また、日本では疼痛を生じることから軽症の熱傷に対して禁忌とされている[5]

スルファジアジン銀は、1960年代に発見された[6]。日本では1982年に発売され[7]、世界保健機関の必須医薬品一覧にも掲載されている[8]
医療用途

感染創傷に対して、銀含有創傷被覆材および銀クリームを使用するためのエビデンスは不十分である[9]

表層および部分層熱傷の治療において、他の創傷被覆材の方が効果的であるという暫定的なエビデンスがあり、使用は一般には推奨されない。[2][3]。2010年のコクランによるシステマティックレビューでは、「銀含有被覆材や外用薬が創傷感染の治癒を促したり、予防するかについて証拠は不十分である」とされた[10]。また、2013年のコクランのレビューでは、見出された研究のうちレビューの基準に合致したものの多くに手法の不備があり、熱傷治癒におけるスルファジアジン銀の有効性評価にはほとんど役に立たなかった[2]。ほかのレビューでも、研究の質が十分でないと結論されている[11]

コクランは、SSDを用いることで創傷治癒が遅れる恐れがあると指摘している[2]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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