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トヨタ・RAV4
スポーツ・ユーティリティ・ビークル(英語: Sport utility vehicle, SUV)とは、自動車の形態の一つ。日本語では「スポーツ用多目的車」と訳される。 SUVには様々な種類と出自が存在するため明確な定義は存在せず、メディア、辞書、ジャーナリストの間でも意見が分かれている。近年はあまりに多様化が進行しているため、「カテゴライズを各消費者に委ねたものがSUVだ」という意見まである[1]。 現在一般的にSUVと呼ばれるものは と大きく分けて4つが存在している。これらは出自こそ異なるが、いずれも「全高の高いボンネット型自動車」という形状を共通して持っているため、そうしたものの総称が「SUV」であると広く捉えるのが無難である。 ただし上記の分類については消費者需要の変化や操縦安定性の向上、NVHの低減、軽量化といった技術的変遷から「ラダーフレーム」や「ピックアップベース」といった分類にこだわることが難しくなっており、 といった立ち位置の車種も存在する。 車格によっても小さい順に「ミニSUV(サブコンパクトSUV)」「コンパクトSUV」「ミッドサイズSUV」「フルサイズSUV」「エクステンド・レングスSUV(北米のみ)」に分けられるが、これらにも明確な定義は存在しない。例えば日本人の感覚ではホンダ・ヴェゼルはコンパクトSUV、三菱・アウトランダーはミッドサイズSUVだが、欧米の感覚ではヴェゼルはミニSUV、アウトランダーはコンパクトSUVに分類される。詳細は「en:Mini_sport_utility_vehicle
定義
ピックアップトラックの荷台に「シェル」と呼ばれる居住・荷室空間を作り、ステーションワゴンのような形状にしたもの。米国発祥。
地上高を高くしたりラダーフレーム構造を採用したりするなど、本格オフロード(悪路)走行向けに設計された四輪駆動車 →「クロスカントリー車」(クロカン)。主に軍用車両を発祥、中心として各国で進化。中には3BOXスタイルのセダン型もある。
「クロスオーバーSUV」(CUV)と定義されるものには以下の2つがある。
モノコック構造で1.と2.のようなSUV風の外観を持つ車
非SUV系の乗用車(セダン、ハッチバック、ステーションワゴンなど)に1.や2.のようなアイコンとなる装備(例えばアンダーガードや無塗装樹脂のクラッディングパネル、カンガルーバー、ハイリフトサスペンションや大径タイヤ、背面タイヤなど)を追加するなどしてイメージチェンジを図った車
キャラクターとしては1または2に分類されるが、「ラダーフレーム一体型モノコック」という構造のため3にも分類されうる(例:3代目以降の三菱・パジェロや3代目スズキ・エスクード)
本来1または2だったものが、モデルチェンジで完全なモノコックとなり、純然な3となる(例:2代目ランドローバー・ディフェンダーや4代目スズキ・エスクード)
1.の例 トヨタ・ハイラックスサーフ
2.の例 三菱・パジェロ
3-1.の例 日産・エクストレイル
3-2.の例 スバル・レガシィアウトバック
「SUV」という名称が最初に一般人の間で定着したのは1980年代のアメリカの、ジープ・XJチェロキーの大ヒット以降であるが、具体的な起源については諸説あり、明確には分かっていない。
1910年代から1930年代のフォード・モデルTに『デポハック』と呼ばれる、背の高いステーションワゴンのような形状の、鉄道駅から目的地まで客と荷物を輸送する目的の自動車が存在した[2]。これは現代のSUVに極めて近いシルエットをしており、これをSUVの原型だと主張する説もある。
1940年代の第二次世界大戦ではジープとダッジ WCが戦場用四輪駆動車として名を馳せ[注釈 1]、戦後に民生用としても販売されるようになると、特にジープは、積載性や走破性の高さから業務用・オフロード走行・野外探検・レジャー用などとして一部から人気を集めるようになった。
1960年代にピックアップトラックの荷台にシェルと呼ばれるFRP製のハードトップを載せてステーションワゴンのようなスタイルにしたものが各メーカーから登場した。このシェルは登場した頃は着脱可能なものが多かったが、需要の高さによる生産台数の増加から、後にシェルと車体が一体化したものが多く開発される様になり、これが今日のSUVのスタイルとなった。アメリカのある辞書では、SUVは「ライトトラック(ピックアップトラック)のシャシーをベースに作られたステーションワゴンのような車」、つまりこのタイプのものがSUVとして定義されている[3]。初代ブロンコの「Sport Utility」
しかし「SUV」という単語の正確な起源については謎が多い。1966年発売の初代フォード・ブロンコでは「Sport Utility」というグレードが設定されていたが、これは2人乗りのピックアップトラック型であった。シェル付きで今日SUVと呼ぶような形状は「Wagon」と名付けられていた[4]。1974年には「Wagon」型のジープ・チェロキーが、最初に「SUV」という呼称をカタログで用いたとされている[5]が、なぜそのような変化が起きたのかという経緯については不明である。
また語源という観点からは、SUVのSの「スポーツ(en:Sport)」とは、当時北米で人気が出始めていたオフロード走行を指すという説と、同じく当時流行していたアウトドアスポーツ(のために積載空間を設けた車)という意味があるとする説の両方がある[6]。そしてUVの「ユーティリティ・ビークル(en:Utility_vehicle)」とは、乗用車に対して商用・軍用など、何らかの目的に沿って設計された自動車のことである。つまり「多目的」は原義には無く、本来は誤訳だが、本記事中で述べてきたように、その「何らかの目的」が指すところの曖昧さゆえに生まれた和訳であるという見方もできる[注釈 2][注釈 3]。モノコック構造を用いた初代ジープ・XJチェロキーは、SUVというカテゴリを一般大衆にとって身近なものにした
1970年代のオイル・ショックや排出ガス規制とともにCAFE(Corporate Average Fuel Economy=企業平均燃費)が導入された後、アメリカ政府は四輪駆動のクロスカントリー車もピックアップトラックベースのステーションワゴンも同じラダーフレーム構造ということで、ピックアップトラックと同じく税法上有利なライトトラックに分類していた。1980年代にトラックではなく乗用車ベースの、モノコック構造のクロスカントリーカーであるAMC・イーグルやジープ・XJチェロキーが登場しヒットを飛ばしたが、これらもメーカーのロビー活動によってライトトラックに分類され、この時初めてSUVの呼称が自動車区分の一つとして公式に認められた[7]。