スペースラブ
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STS-50 コロンビアの貨物室にあるスペースラブモジュール LM1 とトンネル。

スペースラブ(Spacelab)は、スペースシャトルに積み込まれる再利用可能な宇宙実験室である。与圧モジュール、非与圧のキャリア、その他関連する機器などの複数の構成要素からなり、地球周回軌道上の微小重力状態で実験を行うことができる。
歴史

1973年4月に、スペースシャトルで使うモジュラー式の科学パッケージの製造に関して NASA と欧州宇宙研究機構 (ESRO) (現在の欧州宇宙機関〈ESA〉 )が合意し、1974年から、ERNO(VFW-フォッカー社を代表とする企業共同体、後にメッサーシュミットに買収され、2003年からはEADSスペーストランスポーテーションの一部門となった)によりスペースラブの製造が開始された。最初の実験モジュール (LM1) は、ヨーロッパの宇宙飛行士に搭乗機会を与えることと引き換えに無料で NASA に引き渡された。2つ目のモジュール (LM2) は、NASA 自体が使うために購入した。2基の実験モジュール以外に、真空での実験用にブリティッシュ・エアロスペース (BAe) が製造した外部パレットもある。

スペースラブは25回のシャトル・ミッションで使われた。しかし、国際宇宙ステーション (ISS) やスペースハブ(スペースラブに似た与圧モジュール)で科学的な研究を行うことになったため、スペースラブは1998年に引退することになった。スペースラブのパレットは機器の輸送のため、2002年の STS-99で復活し、合成開口レーダーの輸送に使われた。その後、2008年の STS-123 で ISS にデクスターを運ぶ際にも使われた。将来は2009年の STS-127 で使われる予定である。

ドイツブレーメンブレーメン空港にあるブレーメンホールに LM1 が展示されている。
解説スペースラブのレイアウト。トンネル、与圧モジュール、パレットがある。

スペースラブのモジュールは、巨大な円筒形をした実験室で、スペースシャトルの貨物室に積み込まれ、長いトンネルで乗員室と接続されている。実験室の外径は 4.06 m で、各区画の長さは 2.7 m である。ほとんどの場合は、二つの区画が使われている。

スペースラブのパレットは、巨大な機器、宇宙空間への曝露が必要な機器、望遠鏡などの広い視野を必要とする機器、などを取り付けるためのU字型のプラットホームである。大型の設備を取り付けるためのハードポイントもいくつか用意されている。パレットは、1基だけで使われることも、端と端を繋いで2基や3基で使われることもある。

その他の要素として、トンネル、イグルー、Instrument Pointing System (IPS) がある。
スペースラブのミッション

STS-9, Spacelab 1, 1983年11月, LM1 とパレット (コロンビア

STS-51-B, Spacelab 3, 1985年4月, LM1 (チャレンジャー

STS-51-F, Spacelab 2, 1985年7月, パレット3基 (チャレンジャー)

STS-61-A, Spacelab D1, 1985年10月, LM2 (チャレンジャー)

STS-35, ASTRO-1, 1990年12月, パレット (コロンビア

STS-40, SLS-1, 1991年6月, LM1 (コロンビア)

STS-42, IML-1, 1992年1月, LM2 (ディスカバリー

STS-45, ATLAS-1, 1992年3月, パレット2基 (アトランティス

STS-50, USML-1, 1992年6月, LM1 (コロンビア

STS-47, Spacelab-J, 1992年9月, LM2 (エンデバー

STS-56, ATLAS-2, 1993年4月, パレット (ディスカバリー

STS-55, Spacelab D2, 1993年4月, LM1 (コロンビア

STS-58, SLS-2, 1993年10月, LM2 (コロンビア)

STS-59, SRL-1, 1994年4月, パレット (エンデバー

STS-65, IML-2, 1994年7月, LM1 (コロンビア

STS-68, SRL-2, 1994年10月, パレット (エンデバー

STS-66, ATLAS-3, 1994年11月, パレット (アトランティス

STS-67, ASTRO-2, 1995年3月, パレット (エンデバー

STS-71, Spacelab-Mir, 1995年6月, LM2 (アトランティス

STS-73, USML-2, 1995年10月, LM1 (コロンビア

STS-78, LMS, 1996年6月, LM2 (コロンビア)

STS-83, MSL-1, 1997年4月, LM1 ([コロンビア)

STS-94, MSL-1R, 1997年7月, LM1 (コロンビア)

STS-90, Neurolab, 1998年4月, LM2 (コロンビア)

STS-99, SRTM, 2000年2月, パレット (エンデバー

その他のミッション

STS-92, PMA-3, 2000年10月, パレット (ディスカバリー

STS-108, 2001年12月, Lightweight Mission Peculiar Support Structure Carrier (LMC) (エンデバー

外部リンク

Spacelab components on Nasa.gov

Spacelab history on Nasa.gov










NASA スペースシャトル (STS)
中心項目

スペースシャトル

スペースシャトル計画

ミッション一覧




構成要素

オービター (OV)

固体燃料補助ロケット (SRB)

外部燃料タンク (ET)

メインエンジン (SSME)

軌道操縦システム (OMS)

姿勢制御システム (RCS)

熱防護システム (TPS)

ブースター分離モータ (BSM)(英語版)

オービター


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