スペル星人
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スペル星人
ウルトラシリーズのキャラクター
初登場『ウルトラセブン』第12話
作者

実相寺昭雄(監督)

佐々木守(脚本)

成田亨(デザイン)

高山良策(造型)

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スペル星人(スペルせいじん)は、特撮テレビドラマウルトラセブン』に登場する、架空宇宙人である。別名吸血宇宙人(きゅうけつうちゅうじん)[注釈 1]
概要

諸元スペル星人
別名吸血宇宙人
身長1.7 
m - 40 m
体重100 kg - 1万 t
飛行速度マッハ20
出身地スペル星

第12話「遊星より愛をこめて」に登場。

本編には地球人に擬態した複数のスペル星人が登場する。

スペル星人は、母星におけるスペリウム爆弾の実験のため、その放射能で血液が著しく侵されてしまい、代わりとなる血液を奪うため、複数名が先行して地球に来訪した。目から怪光(破壊光線)を放つ。

当初は、地球人の女性を対象に採血機能と血液の結晶化機能を備えたスペリウム金属製の腕時計(装着した人間は白血球が減少して昏倒する)をばら撒き、地球人の血液を奪っていたが、女性の血液よりも子供の血液のほうが純度が高いことを知ると、対象を子供に変更する。新聞で子供を対象とした「ロケットの絵を描いて、宇宙時計を貰おう」というキャンペーンを展開し、子供たちに腕時計を大量に配布して血液を奪おうと企むが、新聞で異変を察知したウルトラ警備隊に計画を阻止され、自らのアジトを破壊して巨大化し、地球人の血液を奪うことを宣言する。

ウルトラホーク3号を撃墜するなど応戦するも、搭乗していたダンがウルトラセブンに変身し、一騎討ちとなる。セブンのアイスラッガーを一度は回避したが、ウルトラ警備隊に円盤を破壊され、逃げようと空中に飛び上がったところを、背後から二度目のアイスラッガーで両断され、絶命した。

スーツアクター:中村晴吉[2]

当初、シナリオでは甲虫型の宇宙人として描写されていたが、監督の実相寺昭雄の要望で人型に変更された(詳細は#スペル星人のデザインを参照)。

語源はより[3]。脚本の13pに「スベル星人」4pと9pには「スベリウム」とも記載されていた。

未発表作品「宇宙人15+怪獣35」では、蘇った宇宙連合軍の1体として名前が確認されている。

「静止画による戦い」は『ウルトラマン』第35話のシーボーズ戦でも用いられており、監督は同じく実相寺が担当している。

「スペリウム爆弾」の名称は、第38話でウルトラ警備隊がバンダ星人クレージーゴンに対して用いる最新型の爆弾にも用いられている。

スペル円盤
相手の目を眩ませる怪光とビームを武器としている。円を描くように旋回することにより、光線をバリアー状に張れる。スペル星人との共同攻撃でセブンを苦しめるが、セブンのウルトラスパイラルビームでバリアを破られ、ウルトラホーク1号に撃墜された。
『ウルトラセブン』第12話「遊星より愛をこめて」の欠番扱い

スペル星人が登場する『ウルトラセブン』第12話「遊星より愛をこめて」は欠番扱いとなっている。1970年以降、日本国内では一切再放送されていないと同時に、映像ソフトにも収録されていない。欠番扱いとなる経緯に関しては下記を参照。
第12話の内容

宇宙のどこかで大爆発が起きた。ウルトラホーク2号で宇宙パトロール中だったソガ隊員とアマギ隊員は、大爆発による放射能を検出する。一方、東京では若い女性が突然昏倒し、やがて死亡する事件が多発する。分析の結果、彼女たちは白血球が急に欠乏する「原爆病」に似た症状を発していたうえ、地球に存在しない金属でできたメーカー名もネームもない謎の腕時計を所持していた。2つの「線」は、やがてアンヌの旧友・山部早苗と彼女の恋人・佐竹三郎で交差する。佐竹が早苗に贈った腕時計には、人間の血液を奪う機能があった。そして、佐竹は地球人の血液を奪いに来たという本性を現し、スペル星人の放射能に冒された異形の姿をさらけ出す。

スペル星人は腕時計に偽装したメカで血液を収集するが、被害者は白血球が皆無に近くなり昏倒、ダンは「原爆病によく似た症状」という台詞がある。なお、作中ではセブンの出自がM78星雲であることが初めて言及される。
作品の評価

本編は監督:実相寺昭雄、脚本:佐々木守によって制作され、本放送では32.8%と全49話中第4位の高視聴率を記録した。それでいて本放送時は抗議などは一切なく、再放送も同様であった。
スペル星人のデザイン

劇中に登場するスペル星人の姿は、

全身は真っ白

凹凸のない
能面のような顔

体のところどころにケロイド(火傷などによる皮膚の外傷状態。通常生活でも起こりうる。)を彷彿させる黒い大きなシミのような物があり、時折オレンジに点滅する。

佐々木守の脚本におけるスペル星人は、「煙の中からかぶと虫のようなスペル星人があらわれる」(8p)「スペル星人の角がぐっとまがって熱戦発射!」(9p) 「とつぜん、その背中の羽がひらくと一気にまい上がる」(12p)などと表現されていたが、その経緯について佐々木は「何かの形にしないといけないから、そういうふうに書いていただけで僕のウルトラマンの怪獣はみんなそうですよ」とのコメントを残している[4]

12話の特撮監督の大木淳吉は、撮影当時の現場で「被爆者を怪獣みたいに見るような、そういう意識はありませんでした」「ただコスチュームを考えるときに、実相寺さんが内臓だとか血管だとかがチラッと見えるようにしてくれと、そういった注文を出していたのを覚えています」とのコメントを残している。

監督の実相寺昭雄はデザインに関して「全身に毛細血管が浮き出たイメエジを打合せした」[5]「色が全部出ちゃったような青白さを出したかったんだよ。血管が浮き出ているようなね。ジャミラとは違って、乾燥してない体が透けていて、白血球と赤血球のせめぎ合うイメージで」[6]と考えていた。昆虫から人型への変更や、スペル星人の体色、ケロイドなど具体的なデザインの成田亨への依頼については、以下のようなコメントを残している。

”スペル星人のケロイドや白い体は実相寺監督のアイディアだったのか?” との問いに「そうだね。でも、それがあまり成田さんのデザイン意欲をそそらなかったんだね」「あまり良いデザインではなかったから、12話での特撮シーンは少ないですよ」[6]

”白い体にケロイドというのを考えたのは実相寺監督だったのか?” との問いに「デザインしたのは成田さんだけど、僕が、こういうふうに(ケロイド状に)したい、と依頼したんだ」「最初は何か昆虫的なものだったらしいけど、それを僕が人間の姿にさせたんだ」「成田さんは怪獣を人間っぽくするのは嫌がる人だったから気が進まなかったようだね」[7]

被爆者を連想させるようなデザインだからまずい”という抗議団体の主張に対して「人の見方だから そう見えないと言えば終わり 笑いものにしているわけではない」と反論した上で、「地球の話じゃないんだから」「地球が被爆の被害が少ないから 地球人の血を採りにきたわけだよ だからメトロン星人みたいな形じゃ困るんだよね」[8]

腰の内臓が露出しているという注文を出したタイミングについては「元々打合せしている最中にだね。成田さんのデザインにもそういうふうにお願いしてあったから」[9]

高山良策の作ったスペル星人の実物を見た時の感想について「オレのイメージはそれで中の内臓がちょっと露出してるって感じだけど、それ見た時にね、なんかビニールの管とか丸見えだったんでイヤになっちゃったよ。ホントに」[9]

成田亨のデザイン画と高山良策の作った実物はイメージと違ったのかの問いに「イヤイヤ似てますよ。色々ディティールが違うってくらいで。腰の露出しているところとかね。それはやっぱり(成田亨の)絵のほうがきちんと書いてあったよ。実物見るとがっかりすることが多いんだよね」[9]

デザイン画のコピーを見た上で「僕が打ち合わせした時のデザイン画は、もっと書き込まれていて、ケロイドの部分は血管まで書いてあったような気がする 大きなボードに書いてあった」[注釈 2]「(デザイン画はどこかに現存)してるだろうね。成田さんのところだと思うよ。成田さんが誰かにあげちゃってれば別だけどね。大きなパネルくらいの大きさのデザイン画書いてたなあ」[9]

高山良策の1967年9月10日の制作日誌には以下の記述が残されている。

「午後、円谷プロの佐藤君と成田氏やって来る。新しいデザイン、簡単なスケッチを持参。ノッペラボーのケロイドのある少々薄気味悪い宇宙人。スペル星人」

成田亨は、自著の中で彼が『ウルトラマン』で定めた怪獣デザインのポリシーと相反するために難色を示したものの、実相寺に押し切られ「ほとんど投げやりにデザインした」と回顧している[注釈 2]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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