スピッツァー宇宙望遠鏡
Spitzer Space Telescope基本情報
NSSDC ID2003-038A
スピッツァー宇宙望遠鏡(スピッツァーうちゅうぼうえんきょう、英語: Spitzer Space Telescope、SST)は、アメリカ航空宇宙局 (NASA) が2003年8月にデルタロケットにより打ち上げた赤外線宇宙望遠鏡である。2020年1月までの16年間に渡り運用された[3]。打ち上げ前は、Space Infrared Telescope Facility (SIRTF) と呼ばれていた。
この宇宙望遠鏡は、地球を追いかける形で太陽周回軌道上に存在する人工惑星である。またこの望遠鏡は、ハッブル宇宙望遠鏡、コンプトンガンマ線観測衛星、X線観測衛星チャンドラとならび、グレートオブザバトリー計画のうちの1機である。
望遠鏡の名前の由来となっているのは、1940年代にはじめて宇宙望遠鏡の提案を行ったライマン・スピッツァー Jr.博士である。 スピッツァー宇宙望遠鏡は、軌道にのせられた赤外線観測衛星の中で、最も凝った作りをしているだろうと言われている。 望遠鏡の本体は太陽の熱をさえぎる板で守られ、軽量ベリリウムで構成された反射望遠鏡を搭載しており、高精度の赤外線観測のために液体ヘリウムを用いて5.5ケルビンまで冷却していた。地球も熱を出すので、望遠鏡は地球の近くで観測することができない。そのため、望遠鏡は地球と一緒に太陽を回る軌道にのせられ、地球を少し離れたところを追いかけている。そして、冷却材が減るにつれて、少しずつ地球から離れていっているのである。これまでに、星形成や恒星をまわる惑星、遠くの銀河など、さまざまな分野で重要な発見を重ねている。[4] この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。
概要
観測装置
出典検索?: "スピッツァー宇宙望遠鏡"
軽量ベリリウムで構成された反射望遠鏡を搭載しており、高精度の赤外線観測のために液体ヘリウムを用いて5.5ケルビンまで冷却していた。
IRAC (InfraRed Array Camera)
4波長 (3.6 μm, 4.5 μm, 5.8 μm and 8 μm) の赤外線を同時に観測するためのカメラ。256 x 256 画素。
IRS (InfraRed Spectrograph)
4波長 (5.3 μm-14 μm, 10 μm-19.5 μm, 14 μm-40 μm, 19 μm-37 μm) の赤外線を分光観測できる分光計。
MIPS (Multiband Imaging Photometer for Spitzer)
遠赤外線を観測するための観測装置。24 μm帯では128 x 128画素、70 μm帯では 32 x 32 画素、160 μm帯では 2 x 20画素。
冷却用のヘリウムは2009年5月に底を突き、望遠鏡の温度は5.5ケルビンから30ケルビンにまで上昇した[5]。これにより望遠鏡自体が赤外線を発するようになったため、最も長波長のチャンネルは観測に使用できなくなった。残りのチャンネルはその後も「ウォーム・ミッション」として稼働を続けたが、2020年1月30日に全ての運用を終了した[3]。
関連
あかり
ハーシェル宇宙望遠鏡