スパマー
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「迷惑メール」はこの項目へ転送されています。架空請求サイトのURLを記載したメールについては「ワンクリック詐欺」をご覧ください。
スパムメッセージのあるフォルダ

スパム (spam) は、受信者の意向を無視して無差別かつ大量に一括してばらまかれる各種ネットメディアにおけるメッセージのこと。

当初は、電子メール(SMSを含む)サービス開始と共に電子メールにおけるスパムが席巻した。近年は各種SNSに同様な迷惑行為もある。

「迷惑メール」という語もあるが、その内容が迷惑であろうが、仮に有用であろうが「受信者や媒体の意向を無視して、無差別かつ大量に一括してばらまく」のがスパム行為であって別の語である。

語の由来については、スパム#迷惑行為とスパムを参照。
概説

スパムメールは、宣伝目的で一方的に送られる電子メールである。販売側から見て、不特定多数の個人に対して広告活動をするとき、郵便に比べて電子メールでは以下のような特徴がある。

郵便では一通ごとに内容の印刷郵送料によって出費が発生するが、電子メールはインターネット接続料金のみで送信できるため、コストが非常に低い。

短時間に大量の一括送信が可能。

封筒ごと捨てられる恐れがなく、題名だけでも受信者の目に触れる可能性が高い。

インターネットの普及とともに、無差別送信されるメールは急増した。セキュリティソフト会社マカフィーが2010年4月から6月にかけて調査した結果では、スパムメールの1日あたり配信数は約1750億通とされている[1]。メール使用者にとって必要な通常のメールよりも、これらスパムがはるかに多く届くといった事態にもなり、大きな社会問題となっている[2]

なお、語源となった商品名#語源参照)との混同や、一種のインターネットジャーゴン(専門語)である「スパム」を避け、日本語を使ってわかりやすく「迷惑メール」と呼ばれることも多い。

受信者に直接送信されるスパムの他に、宛先不在のスパムを、記述されている偽の送信元に返信することにより生じるbackscatter(後方拡散)、またはcollateral spam(巻き添えスパム)と呼ばれる二次被害を起こすこともある。

世界最初のスパムは、コンピュータ会社のディジタル・イクイップメント・コーポレーションが1978年5月に送信したものとされる[3][4]。内容はDECSYSTEM-20の製品発表会の案内で、約400人に送信された。
対象となるメールや別の呼び方

これらの無差別かつ大量に一括して送信される電子メールのほとんどは広告メールで、「迷惑メール」「ジャンクメール(junk mail)」「バルクメール (bulk mail)」とも呼ばれ、日本国内においては総務省などの省庁が使う表現に従って「迷惑メール」と呼ぶことが多い。アダルト向け勧誘やワンクリック詐欺URLが記されていることがある。

英語では、次のように呼ばれることもある。
UCE (Unsolicited Commercial Email)
勝手に送りつけてくる宣伝電子メール
UBE (Unsolicited Bulk Email)
勝手に送りつけてくる大量の電子メール

なお、コンピュータウイルスワームから無差別的に発信される電子メールも存在し、「ウイルスメール」と呼ばれることがある。このメールに添付されるファイルは、ウイルスそのものである場合が多く、厳重な警戒が必要である。
語源詳細は「スパム#モンティ・パイソンとスパム」および「スパム#迷惑行為とスパム」を参照

語源は、缶詰の "SPAM" およびコメディ番組『空飛ぶモンティ・パイソン』のスケッチ、『スパム』から来ている。

スパムではないメールのことを、スパムに準えて"ham"(ハム)と表現することがある。アンチスパムソフトウエアでhamという表現が採用されていることがある[どれ?]。
内容など
宣伝

有料ないし無料の会員制出会い系サイトアダルトサイトネズミ講(英: Make Money Fast)、マルチ商法、株取引[注 1]、商品の販売、ディプロマ・ミル学士号・修士号・博士号など学位の販売)、オンラインカジノ(日本からの利用は違法)、ダイエット・アダルト関連の医薬品類の販売など。出会い系サイトの宣伝がきっかけで、青少年性犯罪に巻き込まれるケースもある。海外発とみられるものも多い。広告宣伝メールでは、オプトアウトすることは逆効果である。

また、社会問題に関する訴えや、思想宣伝的な意図をもって流布される内容のスパムもある。「#アドレスの収集と有効性確認」も参照
詐欺

2003年頃から、有料成人向け番組、ツーショットダイヤル、ダイヤルQ2、有料出会い系サイト等、実際には利用していない有料情報サービスの利用料金を請求する、悪質な架空請求詐欺メール、ワンクリック詐欺メール、フィッシング詐欺メールといったものが増加し、社会問題になっている。
アドレスの収集と有効性確認

送信するアドレスについては、ウェブページ電子掲示板などに掲出されているアドレスを収集ロボットで大量収集したものが用いられることが多い。あるいは、懸賞応募などでユーザーが自ら登録したものや、何らかの契約業務に関連して収集された個人情報外部流出によるケース、無線識別信号を取り入れた物やニフティのIDのように単純な英数字且つ書式に規則性のあるアドレスに、使用ユーザーの有無に関係なく作成して無差別に送付するものもある。

このメールアドレスリストには主に2種類あり、「無差別に収集され、現在は既に無効となっているものも多く含まれているリスト」と「有効であり現在使われていると確認されたメールアドレスのリスト」がある。後者のリストの方が人の目にスパムを触れさせられる可能性が高く、スパマー、あるいは送信者はリスト中の有効なアドレスを選び出すことに腐心している。

リストの中から有効なアドレスを選び出す方法としては、主に下記の3つがある。
送信拒否方法や苦情の送付先が書かれている。
「配信停止はこちら」などの文句とともに返信用のメールアドレスが記載されている場合が多い。ここに連絡をすると、「現在有効なメールアドレスであり、このアドレスの持ち主はスパムメールをきちんと開いて読んでいる」と判断される。この手の連絡先は、そういう「返信」を期待して記載されている場合が大半であり、連絡したとしてもスパムメールの配信が止まる保証は全く無いどころか、メールアドレスが分かったことで、逆にスパムメールを大量に送り付けて来ることが殆どである。サイトへの広告掲載や質問を装って返答させ、それをリスト化する業者も存在する。
スパム内のヘッダや本文に、スパムメール毎の固有IDを含ませたウェブサイトへのURLやメールアドレスを設定する。

HTML形式のメールとなっており、特定のURLの画像を参照するように記述されている。
URLに固有の識別子が割り当てられている場合は、どのメールアドレスに送信したものかが判別される(このような画像ないしHTMLコードはWebビーコン、Webバグなどと呼ばれる)。

前二者に対しては連絡しない・URLをクリックしないという自衛手段で防ぐことができる。ウェブビーコンでは、メール本文の画像を開いた時点で情報が判別される危険があるが、「HTML形式のメールは開かず即刻削除する」といった強硬な対策を取ると、スパムではない通常の電子メールも削除してしまうリスクがある。そのため、メーラーの中には「イメージブロック」と呼ばれる、画像の表示を禁止する機能が実装されているものもある。
スパマーとゾンビPC

スパムメールを送信している者(spammer、スパマー)は“ゾンビ”と呼ばれる不正侵入されたシステムで構成された巨大な軍隊のようなものを統制している。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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