スパイクタンパク質
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.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}コロナウイルスにおけるスパイクタンパク質については「コロナウイルススパイクタンパク質(英語版)」をご覧ください。COVID-19を引き起こすSARS-CoV-2ウイルスの表面から突出するコロナウイルススパイクタンパク質(英語版)(空色)。このタンパク質はグリコシル化されており、その糖鎖はオレンジ色で示される[1]SARS-CoV-2の三量体スパイクの1つの3Dプリント

ウイルス学において、スパイクタンパク質(すぱいくタンパクしつ、: spike protein)またはペプロマータンパク質(: peplomer protein)は、エンベロープウイルスの表面から突出したスパイクまたはペプロマーとして知られる大きな構造体を形成するタンパク質である[2][3]:29?33。このタンパク質は通常、二量体または三量体を形成する糖タンパク質である[3]:29?33[4]
歴史と語源

「ペプロマー(peplomer)」という用語は、ウイルス表面の個々のスパイクを指す。ウイルス外表面の物質層を総称して「ペプロス(peplos)」と呼ばれている[5]。この用語は、ギリシャ語のpeplos(ゆるい外衣[3]、ローブまたはマント[6]、女性用マント[5])に由来している。1960年代に提唱されたルヴォフ-ホーン(英語版)-トゥルニエ方式などの初期のウイルスの分類体系では、分類のための重要な特徴としてペプロスとペプロマーの外観や形態が用いられた[5][7][8]。最近ではペプロスという用語は、ウイルスエンベロープの同義語と見なされている[6]:362。
特徴

スパイクやペプロマーは通常、ウイルス表面からの棒状または棍棒(こんぼう)状の突起である。スパイクタンパク質は通常、大きな外部エクトドメイン(英語版)、ウイルスエンベロープに固定する単一の膜貫通ドメイン、およびウイルス内部に短い尾部を持つ膜タンパク質からなる。それらはまた、ヌクレオカプシドを形成するものなど、他のウイルスタンパク質とタンパク質間相互作用を形成することもある[3]:51?2。通常、それらは糖タンパク質であり、O-結合型グリコシル化よりもN-結合型グリコシル化を受けるのが一般的である[3]:33。
機能

一般的に、スパイクはウイルスの侵入に関与する。それらは、宿主細胞上に存在する細胞表面受容体と相互作用し、その結果として赤血球凝集活性をもつ場合もあれば、酵素である場合もある[6]:362。たとえばインフルエンザウイルスには、これらの2つの機能を持つ表面タンパク質としてヘマグルチニンノイラミニダーゼがある[6]:329。この細胞表面受容体との結合部位は通常、スパイクの先端にある[3]:33。スパイクタンパク質の多くは膜融合タンパク質である[9]。スパイクタンパク質は、ビリオンの表面に露出しているため、抗原となる場合がある[6]:362。
事例

スパイクやペプロマーは、オルソミクソウイルスパラミクソウイルスラブドウイルスフィロウイルスコロナウイルスブニヤウイルスアレナウイルスレトロウイルスなどのエンベロープウイルスの電子顕微鏡写真(英語版)画像で見ることができる[3]:33。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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