スバル
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スバル
SUBARU
所持会社株式会社SUBARU
使用開始1945年
ウェブサイトSUBARU
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SUBARU(スバル)は、株式会社SUBARU(旧・富士重工業)が展開する自動車製造部門・航空機製造部門のブランド名である。
概要SUBARU STAR SQUARE(エビススバルビル1階ショールーム)

SUBARUは太平洋戦争までの航空機メーカーである中島飛行機を源流に持ち、創業期に百瀬晋六をはじめとする元航空技術者たちが自動車開発に携わってきたという歴史から、航空機に通じる機能性・合理性優先で、既成概念にとらわれないユニークなメカニズムを特徴とする自動車を多く送り出してきた。特に走行性能に特化した技術志向が強く、四輪駆動車と水平対向エンジンはスバルの技術の特徴となっている。そのため、スバルというブランドをこよなく愛するスバリスト[注釈 1][注釈 2][注釈 3]と呼ばれるエンスージアスト(熱心なファン)も少なくない。

近年、北米市場で、悪路走破性と衝突安全性の面からスバルの評価が高く、販売台数を急速に伸ばしているが、SUBARUは年間販売台数が100万台未満の国内大手自動車8社中で最小の自動車メーカーで、著しく国内生産比率が高いこともあり[2]、北米市場で恒常的な供給不足が続いている[3][4]。北米市場における供給不足と技術志向の高性能プレミアムイメージによる車体販売価格の高値推移により、SUBARUの営業利益率は、高級ブランドのBMWを超える13 %を記録している[5][6]2014年には累計国内生産台数が2000万台を突破した[7]。安全性に関し、日本では自動車事故対策機構からインプレッサSPORT/G4およびSUBARU XVが2016年度自動車アセスメント「衝突安全性能評価大賞」[8]を、北米では米国道路安全保険協会から2017年型インプレッサが2017年安全評価で最高評価「トップセイフティピック(TSP)+」を受けている[9]。2018年現在、国内主要自動車メーカーで軽自動車商用車OEM車を除く国内販売の現行車種が全て3ナンバー車種である唯一の自動車メーカーである。
自動車開発の歴史1958年 スバル・360

その初期の製品は、航空機開発によって培われた設計指針により、軽量かつ操縦性に優れ、空間実用性をも満たした高度な設計がなされ、市場を先導した。1954年(昭和29年)に試作されたスバル・1500では、日本製乗用車として初のフル・モノコック構造を採用している。

1958年(昭和33年)発売のスバル・360は、「国民車構想[注釈 4]の内容に近い水準の自動車を、高度な技術で具現化したもので、「大人4人が乗れる初めての軽自動車リアエンジン・リアドライブ(後ろ置きエンジン・後輪駆動)方式として、日本人にとって自動車を身近なものにした。1966年 スバル・1000

1966年(昭和41年)発売のスバル・1000では、縦置き水平対向エンジンによる前輪駆動レイアウトを採用し、以後、四輪駆動車を含む現行主力モデルに至るまでこれを踏襲している[注釈 5]。またこのスバル・1000では、前輪駆動車にとっての重要部品である「等速ジョイント」の完成形、ダブル・オフセット・ジョイント(D.O.J.)を東洋ベアリング(現・NTN)と共同で開発、同車の成功の要因となり、1970年代から本格化した、小型車の前輪駆動化の世界的な潮流に先鞭をつけた。1989年 スバル・レオーネ GL 4WD

スバル初の四輪駆動車は、1972年レオーネエステートバン1400 4WDで、本格的な量産ラインで生産される自動車としては世界初の四輪駆動乗用車[注釈 6]となった。自動車の運動性能にもたらす四輪駆動の効果に世界が注目する端緒となったドイツアウディ・クワトロの発売は1980年であり、富士重工業は四輪駆動乗用車開発・生産の経験ではアウディをも上回る。そのため、四輪駆動システムについても、その初期から様々な試みがなされており、世界の自動車メーカーのベンチマークとなっている技術も数多い。

レオーネの四輪駆動車は一般的なセダン・ワゴンの外見でありながら、優れた悪路走破性を持つ独自の特徴が降雪地域の利用者などから高い評価を得た。1980年代からはよりオンロード色が強まり、後継のレガシィやインプレッサではさらに顕著になった。2021年現在、軽自動車を含む全車種(BRZを除く)に四輪駆動が展開されているが、特にレガシィフォレスターレヴォーグXVVA型WRXは全モデルが四輪駆動である。

四輪駆動の技術を活かし、アウトドアを嗜む社員の視点から、レオーネ/レガシィ・ツーリングワゴンのような四輪駆動ステーションワゴンやレガシィ・アウトバック、フォレスターのようなクロスオーバーSUVといった新規市場を開拓した[注釈 7]。1989年10月発売のレガシィ・ツーリングワゴンGTは高出力4WDワゴンという特徴が市場に好評を博した。社団法人自動車技術会の委員会が「後世に語り継ぐべき特徴を持つ故実」として選定した「日本の自動車技術330選」にスバル・レオーネ4WDバンとセダンがそれぞれ選ばれている。

1981年、後輪駆動用トランスファーに、世界で初めて流体式の電磁式油圧多板クラッチを実用化したフルタイムAWDオートマチックを発売。

また、この電磁式油圧多板クラッチを発展させ、前後不等・可変トルク配分とエンジン出力制御、ABSとの統合制御による高度なアクティブセーフティ(予防安全)技術である車両制御システムVDC(Vehicle Dynamics Control System、横滑り防止機構)も実用化している。このVDCは、すでに実用化されている自動運転支援システムADA(Active Driving Assist)や防衛関連事業で培った高度なロボット技術との統合制御による、完全自律運転システムへの発展が期待され研究が続けられている。

なお、2008年6月、このADAから前車との車間計測のために備えていたミリ波レーダーを廃して、2台のCCDステレオカメラで車両周辺の状況を解析・判断、車両制御技術としては世界初となる、車速が15 km/h以下での衝突被害軽減ブレーキ制御や障害物検知、さらに全車速追従型クルーズコントロールなどの機能を備えた「EyeSight(アイサイト)」システム搭載車を発売。従来の安全技術などと比べ高機能ながら割安で、戦略的な価格設定であった。その後EyeSightは2021年現在で新世代アイサイト(Ver.4相当)にまで進化し、とりわけVer.2以降は市場の認知も広がり、他社銘からの乗り換え需要をも取り込み爆発的な人気を博した。その後他社からも衝突被害軽減ブレーキ搭載車種が増えるなどASV普及の起爆剤となっているが、NASVA公式発表映像においても衝突回避の可否においてEyeSightと他社製品との雲泥の差を見せつけるなど性能の高さを実証した@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}(ただし2017年現在、少なくとも定められた試験条件の中ではEyeSightに迫る性能を備えた他社製品[10]も増えてきている)[要出典]。リニアトロニック(東京モーターショー2009出展)


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