スバル・レオーネ
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スバル・レオーネ
概要
別名
いすゞ・ジェミネットII1988年から1994年いすゞ自動車へのOEMモデル
日産・AD1994年以降のOEMモデル)
製造国 日本
販売期間1971年-2001年
※自社生産としては1994年まで。
ボディ
エンジン位置前
駆動方式前輪駆動/四輪駆動
系譜
先代スバル・ff-1 1300G
後継スバル・レガシィ
スバル・インプレッサ
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レオーネ(LEONE)は、富士重工業(現・SUBARU)で生産されていた自動車である。

1970年代前半から1980年代後半にかけてスバルの基幹車種であった。OEMを除く歴代の全モデルがスバル1000以来の伝統である水平対向エンジンを採用し、スペアタイヤはエンジンルーム内に収納されていた。サッシュレスドアやステーションワゴンといったスタイル、そして四輪駆動(4WD/AWD)の技術は後のレガシィインプレッサの基礎となった。

Leoneはイタリア語で「雄ライオン」を意味し、「勇者」を想起させる言葉である[1][2]。レオーネは「獅子座宮星座」、「雄ライオン」、「勇者」という意味を込めて命名された[3]
初代(1971年-1979年)

スバル・レオーネ(初代)
A21/22/62/64/65型
4ドアセダン16004WD

クーペ1600RX/A
概要
販売期間1971年 - 1979年
ボディ
乗車定員5人
ボディタイプ2/4ドアセダン
2ドアクーペ
2ドアハードトップ
ライトバン
駆動方式前輪駆動 / 四輪駆動
パワートレイン
エンジン1.4 L水平対向4気筒OHV
93PS/6,800rpm
11.0kgf・m/4,800rpm
変速機3速AT
4速/5速MT
サスペンション
ストラット式
セミトレーリングアーム式
車両寸法
ホイールベース2,455 mm
全長3,995 mm
全幅1,500 mm
全高1,385 mm
車両重量775 kg
その他
車種クーペ1400GSR
販売終了前月までの新車登録台数の累計39万9576台[4]
系譜
先代スバル・ff-1 1300G
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初代は1971年10月7日に発売され、当初はクーペモデルのみの展開(グレードはDL・GL・GS・GSR)で、スバル・ff-1 1300G シリーズと併売されたが、1972年4月、2/4ドアセダン(スタンダード・DL・GL・カスタム・スーパーツーリング)、1.1Lモデル(DL)、商用車のエステートバン(スタンダード・DL・スバル初の4WD)が追加され、ff-1からの世代交代を完了した。CMには歌手の尾崎紀世彦をイメージキャラクターおよびCMソング[注釈 1]で起用するなど、それまでのスバルからは大きくイメージの異なる広告手法を採用した。

当時のトレンドおよび提携先の日産自動車の影響が感じられるロングノーズ・ショートデッキの抑揚の強いデザインを持ち、メカニズム的にもフロントブレーキが特徴的なインボードブレーキから一般的なアウトボードブレーキに変更されたり、スポーツモデルのステアリングギア比が遅くされるなど、スバル・1000/ff-1の技術至上主義を抑え、より市場に受容される「商品」としての性格を強めようとする意図が感じられた。スバル・360/サンバー/1000まで全てのスバル車の基本設計を担当してきた百瀬晋六を、日産自動車との業務提携が成立した1968年8月に設計本部から技術本部に移し、レオーネの設計に関わらせなかったことも、新型車レオーネの性格を決定付けている。しかし、レオーネの代になってスバル・1000/ff-1シリーズのシンプルな機能美が失われた点は、古くからのスバルファンや、欧州車志向の強いカーグラフィックなどの自動車ジャーナリズムを嘆かせた。

一方、レオーネの進歩的な部分としては、窓枠のないサッシュレスドアをバン[注釈 2]を含む全車に採用したことが挙げられる。サッシュレスドアは富士重工業にとっては1960年の試作車「A-5」以来追求されてきたテーマで、近年まで採用を続けていたが、インプレッサフォレスターでは2007年のフルモデルチェンジとともに一般的なサッシュドアに移行し、最後までサッシュレスドアを採用していたレガシィ2009年の5代目へのモデルチェンジによりラインナップから一旦姿を消した[注釈 3]。1972年8月1日、エステートバンに4WDを設定。前年に東北電力の要請に応じて数台が注文生産された「1300Gバン4輪駆動車」から得た経験をつぎ込んだ「ジープタイプではない量産4WD」が世界で初めて世に送り出された。それまで四輪駆動といえば、ジープに代表されるラダーフレーム構造のクロスカントリータイプの車(オフローダー)を意味し、大量生産された乗用車タイプの四輪駆動車はほぼ存在しなかったが[注釈 4]、これ以降、他社の乗用車にも四輪駆動車が設定されるようになった[5]。さらに同年12月1日には、専用ハードサスペンション、専用クロスレシオ5速MTを装備したホットモデル・「RX」[注釈 5]が追加された。基本的な構成は「1400GSR」と共通だが、大衆向けの量産車としては日本初となる総輪ディスクブレーキを装備していたことが特筆される。ちなみにレオーネは、パーキングブレーキが前輪に効くようになっているので、いわゆるサイドターンは出来ない。本車種以降に登場したSUBARUのボクサーエンジン搭載車は、給油口が車両右側についている。

1973年6月には、ピラーレスの2ドアハードトップが追加された。後席ヘッドクリアランス確保のためにリヤウィンドウ傾斜角がクーペから若干立てられ、15mm全高が高められている。4灯式フロントグリルとランドウトップ風の太いCピラーによる、元々アクの強い初代レオーネ中でも最も複雑なスタイリングを特徴とした。続いて1973年10月のマイナーチェンジではセダン・クーペ・エステートバンのフロントグリルが変更され、インパネが先に発売されたハードトップと統一デザインとなった。またこの際、セダン1100は1200にスケールアップされ、エステートバンにはFFのトップグレードとして1400GLを新設定。当時の商用車としては珍しく、前輪ディスクブレーキ(マスターバック付)を標準装備していた。

1975年1月20日にはエステートバン4WDに続いて世界初の量産4WD乗用車「4ドアセダン4WD」が、同じく日本の前輪駆動車では初のフルオートマチック車(セダン・カスタムとハードトップGFに設定)と同時に発売された[注釈 6]。同時にマイナーチェンジが行われ、セダン1200GLの追加、ホイールカバーの変更、セダン1400シリーズのフロントマスクはハードトップと同じ丸型4灯ライトとなった。同年10月には、SEEC-Tと名付けられた排気ガス浄化方式により(ツインキャブのスポーツ系も含めて50年規制を飛び越え一気に)全車51年排出ガス規制適合を果たした。パワーダウンを補うために、車種構成全体で1.2L→1.4L、1.4L→1.6Lへと排気量アップが行われた。CMキャラクターは怪人二十面相


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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