スナメリ
スナメリ Neophocaena phocaenoides
保全状況評価
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
スナメリ(Neophocaena phocaenoides、砂滑)は、ネズミイルカ科スナメリ属に属する小型のイルカである。 漢字では砂滑と表記する[1]。 日本では以下のような様々な地方名がある[2]。 中華人民共和国(中国)では江豚(Jiangtun、「河の豚」の意)と呼ばれている。長江(揚子江)に棲息するスナメリ(下記参照)は中国国家一級重点保護野生動物に指定されている[3]。 現在、スナメリ属(Neophocaena)には3つの亜種が認められている[4]。
呼称
関東地方以北:スナメリ
愛知県沿岸:スザメ、スンコザメ
瀬戸内海?響灘:ゼゴ、ゼゴンドウ、ナメクジラ、ナミソ、デゴンドウ、デングイ
長崎県沿岸:ナミノウ、ナミウオ、ボウズウオ
分類生息域
N. phocaenoides ssp. phocaenoides G. Cuvier, 1829 - 中東などのインド洋沿岸から香港沖に分布(英語版
N. phocaenoides ssp. asiaeorientalis Pilleri and Gihr, 1972 - 長江(揚子江)一帯に分布(英語版)、ENDANGERED (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))[5]
N. phocaenoides ssp. sunameri Pilleri and Gihr, 1975 - 東アジア沿岸に分布(英語版)、ENDANGERED (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))
ネズミイルカ科の現生群の中では比較的早期に分岐した群である[要出典]。 成体の体長は1.5-2m[6]、体重は50-60kgであり、現生のクジラ類では最も小型の種の一つとされる。 口吻の突出はほとんどなく、噴気孔の後ろに僅かな陥没が見られる[7]。背びれはほとんどなく、背面正中線上の皮膚が盛り上がった隆起が尾びれ間際まで続く。尾びれの両端は尖り、中央にはっきりとした切れ込みがある。頸椎の前方3個が癒合しているが[8]、後頭顆
形態
成体は全身が明るい灰色である。生まれた直後は背の隆起付近は灰色で大部分は黒いが、4ヶ月から6ヶ月で全身灰色になる。
生態と分布長江に生息する淡水亜種(中国科学院水生生物研究所)韓国の南海郡近海にてボラを狩るスナメリ
魚類、甲殻類、頭足類などを食べる。雄は4歳半から9歳で、雌は3歳から7歳で、それぞれ性成熟する。
中東からアジアの沿岸海域、特にインド、中国、インドネシア、韓国、日本の沿岸に生息する。生息域は海岸に近い水深50m以内の浅い海域で、海底が滑らか、もしくは砂地になっている場所を好む。東シナ海や黄海において、例外的に海岸から150km以上離れた海域での目撃例があるが、これも水深の浅い海域である。
長江ではヨウスコウカワイルカと分布を共有する淡水性の亜種が見られる。