スナフキン
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ムーミンの登場人物(ムーミンのとうじょうじんぶつ)では、小説『ムーミン』およびその派生作品に登場するキャラクターを解説する。
設定

作者であるトーベ・ヤンソン小説絵本新聞連載漫画戯曲など様々なメディアで「ムーミン」シリーズの作品を発表したが、共通する登場キャラクターであってもその性格付けやキャラ関係などが作品ごとに異なることがよく見られ、一度あるメディアで発表した作品を別のメディア向けに書き直す場合、ストーリーラインさえ大幅に変更していた。さらにアニメーションなどの二次著作においては、第三者の意図によりさらなる改変が加えられている。したがって登場人物について解説を加える際、どの作品に準拠しているのかを明確にしないとしばしば咬み合わない。本項目は現在、小説版、コミックス版、アニメ版、その他の設定が必ずしも準拠する作品を明示することなく入り混じった表記になっているため注意が必要である。

ムーミン・シリーズには、ムーミンのほか、スノーク、ミムラ、ヘムル(ヘムレン)、フィリフヨンカ、クニット/はい虫(むし)などの架空生物が登場する。下記に詳細を記すが、容姿が人に似ていても決して人ではないこれらの名称はその生物の種族名であるが、一部の名称については個人名や家族名のように使用されている。

なお、ムーミン・シリーズには他にも種族名や個体の名称や、姿の見えないキャラクターも数多く登場している。また、人のような外見のキャラクターも登場するが、基本的に人ではない別の生き物で、小さかったり、尻尾が生えていたりする[注釈 1]

以下の説明中の声優名は、

1969年・1972年版ムーミン

楽しいムーミン一家」「楽しいムーミン一家 冒険日記」「楽しいムーミン一家 ムーミン谷の彗星」「劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス」(2015年)、「劇場版ムーミン ムーミンパパの思い出」(2023年)

2009年劇場版」[注釈 2]

2019年3月16日開業「ムーミンバレーパーク」アトラクションでの担当声優[1]

「ムーミン谷のなかまたち」(2019年)[2]

の順に表記している。声優名の記載がない場合は同キャラクターについて声優がいない、あるいはその作品には未登場であることを意味する。1979年版のパペットアニメーションは、始めは全てのキャラクターを、岸田今日子が1人で吹き替えを演じてCSで放送されていた。この後2009年版を再編集をし、女優の松たか子と俳優の段田安則の2人で全ての役を演じたバージョンは2012年にNHKBSプレミアで放送された。

そのほか、絵本が原作の紙芝居ふうのアニメ作品がある。日本で発売されたDVDソフト「それからどうなるの」、「さびしがりやのクニット」の原語のナレーションはトーベ自身が担当、日本語の吹き替えは小泉今日子が1人で全てのキャラクターを演じたほか、いくつかのバージョンがある。アニメーションの絵もトーベ自身の絵本の絵が用いられていた。2012年にも3話になり、再発売された。
主要人物ムーミントロール
ムーミントロールスウェーデン語: Mumintrollet、フィンランド語: Muumipeikko)
声 - 岸田今日子 / 高山みなみ / 野島健児 / 戸松遥[1] / 寺島惇太[2]本作の主人公。ムーミン一家の一人息子であり、好奇心旺盛な優しい男の子。妖精と言われることもあるが、厳密にいえば妖精ではない[注釈 3]。コミックスと『楽しいムーミン一家』では、ムーミン一家とフローレンがカバに間違えられて怒るエピソードがある。さらにヘムレンによって生物学的にもカバとは異なる種族であることが証明されているが、原作者本人の挿絵ではカバのに見える部分は巨大な[注釈 4]という設定である。父親はムーミンパパ、母親はムーミンママ。一人称は「僕」。ムーミントロール一族の体色は原作中で「白」と明言されている[注釈 5]が、アニメ版ではグレー(昭和版の両親)・青っぽいグレー(昭和版の息子、平成版のパパ)・空色(平成版の息子)・クリーム色(平成版のママ)とこれ以外の色で描写されていることもある。CGアニメーション『ムーミン谷のなかまたち』では、全身に白い体毛が生えた姿に描かれている。「Muumin Dalen」(ムーミン谷)と呼ばれる場所で、ひっそりと暮らしている。冬になると家に籠もって冬眠する。先祖は大きなストーブの裏側に住んでいた。小説でのムーミン達は、体の大きさは「電話帳くらいのサイズ」とトーベ・ヤンソンは言う。しかしパパが育てるこだわりのタバコ(タバコの葉っぱは大きく、葉っぱ1枚が電話帳位の大きさである)や、ママが育てる野菜、ジャムを作るのに摘みに行く木の実を扱うには、電話帳の大きさでは不可能である等、またコミック版のムーミンでは人と同じサイズに思われる。登場する人型のキャラクターがあるが、鏃形の尾が書かれている時があり、人ではない。元々は、スウェーデン語により書かれた小説だが、1954年以降、英国の新聞イブニング・ニュースにトーベと末弟のラルス・ヤンソンが描いた漫画版が連載された。当初はトーベのスウェーデン語の文字を、ラルスが英語に翻訳する形をとっており、途中からラルスが原案、トーベが絵を描き、最終的にはラルスが単独で連載を引き継いだ。また、『たのしいムーミン一家』『ムーミン谷の仲間たち』ほか、多くの作品に登場する。「トロール」という名前は、北欧の伝説に現れる妖精トロールに由来するが、姿や性質はトーベのオリジナル。また、「ムーミン」という名前は種族を表すが、童話での「ムーミントロール」は主人公の名前として使われている。トーベ・ヤンソンが初めてムーミンらしきものを描いたのは、10代の頃に次弟のペル・ウーロフ・ヤンソンと口喧嘩をして負けたときに悔し紛れにトイレの壁に描いたもので、そのムーミンらしき姿に(SNORK:スノーク;とても醜い生物)と書いたものであった。トーベ・ヤンソンがムーミントロールの原型らしきものを公に最初に描いたのは政治風刺誌『ガルム』誌上であり、当時は画中の隅のほうにいる小さな目立たないキャラクターにすぎなかった。それ以外にも、トーベ・ヤンソンはムーミンかどうかはわからないものの、トロールのシルエットを描いた作品「黒いムーミントロール」を残している。元々北欧では、トロールは人間にとって気味のわるい生き物であるとされており、トーベは勉強のために叔父の家に下宿したが、夜中に勉強中に冷蔵庫から盗み食いを繰り返していたところ、叔父から「夜中に背後から息をふきかけてくるトロール」(これがムーミントロールと言った)の話を聞かされたという記述がある[3]。ムーミンの瞳は青であるが、初期のアニメーションでは黒目であった。アニメ「ムーミン」や「楽しいムーミン一家」では家の3階部分に自らの部屋を持っている。窓の外側には1階へすぐに降りられるよう縄梯子を取付けているが、何度も滑り落ちてしまう描写がある。ムーミンママとムーミンパパ。フィンランドのムーミンワールドにて。
ムーミンパパ(: muminpappa、: Muumipappa)
声 - 高木均 / 大塚明夫、高山みなみ(少年期) / 稲葉実 / 菊池康弘[1] / 松本保典[2]ムーミントロールの父親。妻はムーミンママ。出自は捨て子で、ヘムル(?)[注釈 6]孤児院に保護された。夢見がちでロマンチスト。院長とウマが合わず孤児院を脱走して、発明家フレドリクソンらと共に蒸気船「海のオーケストラ号」で冒険の旅に出た。航海の後、嵐の海岸で助けた女のムーミントロール(のちのムーミンママ)との間に生まれたのがムーミントロールである。『ムーミンパパの思い出』が現在に至るまでの半生記となっている。原作では“ムーミン”が種族名なので特に問題はなかったが、アニメ『楽しいムーミン一家』では“ムーミン”が個体名のような扱いとなっている。第59話「パパの思い出」にて、「私は結婚するまでムーミンと呼ばれていたんだ」と断りを入れながら回想シーンを話している。一人称は「わたし」(少年期は「ぼく」)。シルクハットがトレードマークだが最初のうちはかぶっておらず、小説版『たのしいムーミン一家』で初めて身につけた姿が描かれている[注釈 7]パイプ(たばこ)を好み、自分のタバコ畑でこだわりのタバコを栽培している。原作、コミックスを含めアニメ『ムーミン』はもとより、アニメ『楽しいムーミン一家』でもパパはパイプを持っている。しかし、スナフキンは原作(コミックスを含む)とアニメーション『ムーミン』ではパイプでタバコを吸っているが、『楽しいムーミン一家』ではキャラクターデザインまではパイプをくわえているものの、アニメ本編ではタバコを吸っていない。しかし、2015年にフィンランドで製作された長編アニメーションでは、パイプをくわえている。若い頃は冒険家であり、現在は第一線を退いているもののその精神は忘れていない。家族を守ることに強い使命を感じている。しかしモランから家族を守ろうとして逆に不寝番を断られたりと行動が空回りすることもしばしば。原作では、ふとした時に冒険心に駆られムーミン屋敷を飛び出すなど放浪癖がある。また、コミック版では、見栄を張るあまり失敗する場面も多く描かれている[4]
ムーミンママ(: muminmamma、: Muumimamma)


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