スナガニ属
巣穴から半身を出すスナガニ
分類
スナガニ属(砂蟹属、学名 Ocypode)は、十脚目(エビ目)スナガニ科のカニ。世界中の熱帯・温帯域に分布し、多くの種類がある。日本には3種類が分布する。
鋏脚は左右どちらかが大きいが、シオマネキほどの差異はない。眼が大きいため視力がよく、全方向を見渡すことができる。砂浜に45°の角度で深さ1メートル以上の巣穴を掘る。時速16kmほどで走ることができ、急な方向転換も得意である。夕方に波打ち際まで走って鰓に海水を受け、酸素を補給する。雌は初夏に放卵する。
スナガニ属の英語での総称は"Ghost crab"(幽霊ガニ)である。この名の由来は文献によって差異がある。
足が速いため「影を残して走り去る」という例えから
素早く巣穴に隠れるため「さっきまで居たはずなのにもう居ない」ことから
保護色で砂の色に紛れこむため、夜の砂浜に照明を当てると「影だけが動いている」ように見えることから
主な種
スナガニ O. stimpsoni、Stimpson's ghost crab、 Ortmann, 1897
甲幅は3cmほどで、甲は背中側にやや膨らんだ長方形をしている。大鋏の内側に顆粒列が並ぶ。
ミナミスナガニ O. cordimana、 Smooth-handed ghost crab Latreille, 1818
甲幅3cmほどで、西日本から西太平洋、インド洋の砂浜海岸に広く分布する。スナガニに似ているが甲羅がやや丸くて白っぽいこと、大鋏に顆粒列がないことなどで区別する。
ツノメガニ O. ceratophthalmus、 Horned ghost crab、 Horn-eyed ghost crab (Pallas, 1772)
甲幅4cmほどで、スナガニやミナミスナガニより大きい。沖縄諸島から西太平洋、インド洋の砂浜海岸に分布する。和名通り複眼の上に1本の突起があり、長いまつ毛が生えたように見える。また大鋏の顆粒列は下半分だけにある。
ミナミスナガニ (Ocypode cordimana)
ムラサキのツノメガニ (Ocypode ceratophthalmus)
ミドリのツノメガニ (Ocypode ceratophthalmus)
ミナミスナガニ
Atlantic ghost crab (O. quadrata)
Painted ghost crab、 Cart driver crab (O. gaudichaudii)
ミナミスナガニ.徳之島
ミナミスナガニ(徳之島).腹面.大鋏には顆粒列がない
ツノメガニ.徳之島
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