スナイドル銃
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スナイドル銃
スナイドル銃
種類歩兵銃
製造国.mw-parser-output .plainlist--only-child>ol,.mw-parser-output .plainlist--only-child>ul{line-height:inherit;list-style:none none;margin:0;padding-left:0}.mw-parser-output .plainlist--only-child>ol li,.mw-parser-output .plainlist--only-child>ul li{margin-bottom:0}

イギリス

イギリス領インド帝国

設計・製造エンフィールド造兵廠、ダムダム工廠(英領インド
仕様
種別後装式小銃
口径.577口径 (14.66 mm)
銃身長990mm
ライフリング5条
使用弾薬.577 Snider(ボクサーパトロン)
装弾数単発
作動方式蝶番式閉鎖機構
全長1,250 mm
重量3,800 g(未装填)
発射速度1発/6秒
銃口初速267 m/s
最大射程1,150 m[1]
有効射程900 m
歴史 
設計年1860年
製造期間1863 - 1875年
配備期間1868 - 1901年
配備先イギリス陸軍英印軍英連邦
関連戦争・紛争ズールー戦争ボーア戦争戊辰戦争台湾出兵西南戦争江華島事件日清戦争
バリエーション三ツバンド、二ツバンド、MKI、MKII、MKIII、スナイドル騎兵銃
製造数250,000-500,000
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スナイドル銃(スナイドルじゅう、Snider-Enfield スナイダーエンフィールド)とは、イギリスエンフィールド造兵廠 (RSAF) が前装式ライフル銃であるエンフィールド銃を改造した後装式小銃である。日本では蘭語読みで「スナイドル」と呼ばれるが、英語読みでは「スナイダー」で、これは機関部を考案したジェイコブ・スナイダー(英語: Jacob Snider)の名に由来する。

今日広く使用されているセンターファイア式実包に使用される、ボクサー型雷管の原型となった口径14.7 mmのボクサーパトロン (.577 Snider) を使用した。

1866年イギリス陸軍制式採用した。日本にも明治維新前後から輸入されるようになり、明治7年(1874年)には旧日本陸軍の制式歩兵小銃として採用された[2]
構造と特色スナイドル銃を装備したグルカ兵1898年

スナイドル銃はエンフィールド銃の銃身後部が切断され、米国人のジェイコブ・スナイダーが考案した右開きの蝶番式銃尾装置が取り付けられており、前装銃と後装銃の中間に位置する過渡的な構造である。この右開きの構造が煙管で用いられる刻みタバコを入れる莨入(たばこいれ)に類似していた事から、日本語ではこれを意味する莨嚢式(ろくのうしき)とも呼ばれた[3][出典無効]。より正確には銃尾開閉型莨嚢式と呼ばれ、スナイドル銃と同様の構造ながらも前方向に開閉する、後装式改造エンフィールド銃(改造エンピール銃)やアルビニー銃(英語: Albini-Braendlin_rifle)は活罨式(かつあんしき)として明確に区別された。

エンフィールド銃をスナイドル銃に改造する費用は、1878年(明治11年)の日本での見積価格で1丁あたり3円30銭だったと記録されている[4][5][出典無効]。
メカニズム

スナイドル銃の構造は、改造母体となったエンフィールド銃をそのまま流用しているため、雷管式前装銃のサイドハンマー式撃発機構を使用している。

改造された部分はエンフィールド銃の銃身後方のみであり、ここを切断して蝶番式銃尾装置がネジで固定されており、弾薬の装填と排莢は蝶番で銃身とつながれたブリーチ部を開けて行う。

この時期、各国で様々な方式の前装銃の後装式への改造が行われているが、その中でもスナイダーの考案した蝶番式銃尾装置は最もシンプルな構造で、腔圧によってブリーチが吹き飛ぶ心配の少ないものだった。

スナイドル騎兵銃のブリーチ部閉鎖状態

スナイドル騎兵銃のブリーチ部開放状態

開放したブリーチ部を引くとエクストラクターが後退する

一体型薬莢を用いる後装式では、前装式と比べて不発時の対処は格段に容易となった[注釈 1]が、発射後に腔圧で膨張した薬莢が、薬室の内側に張り付くという新しい現象が発生したため、薬莢を強制的に引き出す排莢機構が必要となった。

このため、スナイダーの銃尾装置では、開放状態にした蝶番式ブリーチを後方に引くと、銃身後端に収まっているエキストラクター(抽弾子)が同時に後退し、薬莢後端のリムと呼ばれる縁状の突起部を引っ掛けて、薬莢を引き出す仕組みになっている。薬莢を薬室から引き出すことに成功したら、その後は銃を傾けるか薬莢を指でつまむことで、薬莢を簡単に取り去ることができる。
弾薬

スナイドル銃が使用するボクサーパトロン(.577スナイドル弾、.577 Snider)は黒色火薬が詰められた金属製の薬莢基部にボクサー雷管が挿入されており、これを後方から撃針で打撃すると着火する。火薬の燃焼は薬莢の内部だけで完結する仕組みであり、同時代のドライゼ銃シャスポー銃で用いられた紙製薬莢のように撃針で薬莢底部を突き破る必要がない上、発射ガスによる腔圧で膨張した薬莢側筒部が薬室内壁に張り付いて密封されるため、紙製薬莢式の銃器が悩まされた銃身後端(薬室部)からのガス漏れは起こらないようになっていた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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