ストリートファイターZERO
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「ストゼロ」の通称で知られるチューハイについては「-196℃ ストロングゼロ」をご覧ください。

ストリートファイターZERO
ジャンル対戦格闘ゲーム
開発元カプコン
発売元カプコン
主な製作者船水紀孝
1作目ストリートファイターZERO
1995年6月27日
最新作ストリートファイターZERO Fighter's Generation
2006年5月25日
スピンオフ作品さくらがんばる!(漫画)
公式サイトストリートファイター総合サイト
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『ストリートファイターZERO』(ストリートファイターゼロ、Street Fighter ZERO)は、カプコン製作の2D対戦型格闘ゲームである。通称『ストZERO』。1995年に1作目が登場した後、シリーズ化された。
概要

発売は『ストリートファイターII』(以下『II』と表記)シリーズの後であり、タイトルは『ZERO』となっているが、物語の時代設定は初代『ストリートファイター』(以下『I』と表記)と『II』との間である。

ストリートファイターIII』(以下『III』と表記)の開発が遅々として進まないために発案された繋ぎ企画だった[1]が、『ZERO』が作られた後も『III』が完成していなかったため『ZERO2』が作られ、シリーズ化された[1]。『ZERO』の前年(1994年)に登場した『スーパーストリートファイターII X』(以下『II X』と表記)のタイトル案に『スパIIZ』というものがあり、その名残として開発者の間では当初『スーパーストリートファイターZ』と呼ばれていた[1]。『III』が「究極の2D格闘対戦ゲーム」として練り込まれたのに対し、『ZERO』シリーズは「一定の開発期間でどこまで作り込めるか」という従来とは異なるコンセプトで制作された。家庭用ゲーム機への移植を前提に制作されており、アーケード版の発売から3か月 - 半年という、従来では考えられなかった短期間で発売され、また移植度も高かった。

本シリーズの特徴として、『II』シリーズのようにドットパターンを駆使したグラデーションで陰影を表現するのではなく、『ヴァンパイア』シリーズに採用されたアニメ絵の手法を用いたグラフィックを採用したことが挙げられる。これにより、クオリティーを統一しつつもアニメーションパターンを増やすことに成功している。それに伴ってキャラクターデザインもデフォルメ色の強いアニメ絵調のタッチとなり、本家シリーズと大きく異なる雰囲気となった。「ミステリアス・ファクト」として隠しキャラクターや隠しモードを多く入れているのも特徴。

なお本シリーズの時間軸は『I』と『II』シリーズの間をイメージされており、『ZERO2』までの各キャラクターのエンディングは『II』に繋がる伏線を垣間見ることができる。リュウやケンの最終ボスがベガでないのも、『II』へのつながりを考えてのもの[2]

世界観などの設定を担当した村田治生[3]は『II』シリーズのパラレルワールド的な世界と考えており、イメージとしては『I』の数か月後の話だが厳密にはどういうものかは決めておらず、キャラクターの生年月日も考えていないと語っている[2]。また、「プレイヤーに想像して自由に世界をつくってほしいので押しつけがましい設定をするのは止めている」としており、『I』『II』と同じ時間軸かどうかはあいまいにしている[4]。『ZERO』のコンセプトの1つとして、プレイヤーが「もしかしたらこんなことが昔あったんじゃないかな」と考えているような夢の対決的なものをやってみたいというものがあり、本シリーズに登場するナッシュも『II』に名前だけ登場したナッシュと同一人物かは明記されておらず[2]、エンディングで死んでいるとも生きているとも思ってかまわないとしている[5]。村田によると『ストリートファイター』は全シリーズ通して世界観が繋がっているわけではなくキャラクターのストーリーごとに独立した世界があるが、『ZERO』ではそれを特に強調しており、『ZERO』と『ZERO2』のストーリーはリンクしていないという[1]。ただし、『ZERO3』はストーリー構成にこだわったと言い、それまでキャラクターごとに独立していた世界が1つにまとめられている[5]。また、最終ボスをベガに固定することで強いベガを復活させることをテーマとしている[5]。本シリーズのプロデューサーである船水紀孝は『ゲーメスト』のインタビューにおいて、スーパーコンボなど『ZERO』で使えていた技が『II』で使えなくなっていることについて、「ストーリー上では『II』の流れを汲んでいますが、早い話が異世界、パラレルワールドと受け取ってください」と答えている[6]。また、船水は設定を1回リセットしてパラレルワールドにしたいと思い、村田の「もう、いいじゃないですか」という一言で決まったと語っている[7]

また、当シリーズの開発者の1人である伊津野英昭へのインタビューでは、元々はBENGUSが描いた初代『ストリートファイター』のイラストを使い、スーパーファミコン(略称:SFC)に移植する前提で『ストリートファイタークラシック』(略称:SFC)を出そうという企画が転じて当タイトルになったことや、CPシステム基板の在庫処理の必要があったこと、また『ストリートファイターIII』に当時のカプコン開発陣のエースが投入されていたことから、若手を中心に「やりたいことやったらいいんじゃないか?」というコンセプトのもと、製作されたことが語られている[8]

岡本吉起によると、『ZERO』は5万枚に上るCPシステムI基板の倉庫在庫を一掃する目的で、ビッグタイトルである『ストリートファイター』を利用するために企画されたものだという。既にスペックが陳腐化したCPシステムI基板で、開発スタッフにかなりの無理をしてもらい制作したものの、経営会議の場で「(上位互換基板である)CPシステムII基板でやってくれ。CPシステムIの在庫は『ZERO』の売り上げで処分する」と言われたとのこと。会社側にCPシステムI基板の全処分を約束させた上で『ZERO』はCPシステムII基板で販売されたが、結局その約束は果たされなかったとのことである[9]
欧米版の名称

アメリカ市場では、 ZERO という単語にはネガティブな意味合いが強いため[10]、タイトルが"Street Fighter ALPHA"(ストリートファイター アルファ)に変更された。そのため「ZEROカウンター」は "ALPHA COUNTER" に、『ZERO3』の「Z-ISM」は "A-ISM" に変わっている。アジア圏では日本と同じ『ZERO』のままである。
シリーズ
アーケード版
ストリートファイターZERO(1995年6月27日)
『ZERO』シリーズ第一作。『I』や『
ファイナルファイト』からキャラクターが参加し、また長らく謎の存在だったガイルの親友ナッシュが登場。空中ガード、ダウン回避、ZEROコンボ、ZEROカウンター、オートモードといった新機能の追加、投げの仕様変更など、『II』シリーズから大幅なシステム変更がされている。また、アニメ映画を再現したドラマチックバトルなどの隠し要素もある。『ZERO』シリーズは『ZERO3↑』を除き全てシステム基板CPシステムIIだが、本作のみCPシステム互換の一般家庭向けカートリッジ式システム「CPSチェンジャー」への移植版が存在する(後述)。本作の稼働に先駆け、約1か月前に『ストリートファイター ザ・ムービー』も稼働を開始している。
ストリートファイターZERO2(1996年3月25日)
新キャラクターを追加し、ゲームバランスを調整した作品。ZEROコンボ削除、オリジナルコンボ追加などシステムも変更。隠しキャラクターとして『II』シリーズ衣装の春麗を使用できる。また一定条件を満たすと、キャラクターに応じた特定のCPUが乱入してきたり、CPU専用の隠しボスキャラクターとして真・豪鬼が登場する。ナレーションは三木眞一郎[11]。『ZERO2』の北米版『Street Fighter ALPHA2』では、さらに新たな隠しキャラクターとして殺意の波動に目覚めたリュウと『II'』仕様のダルシムとザンギエフが追加されている。これが日本での『ZERO2 ALPHA』登場につながった。本作では富士通スポンサーになっており、ロレントステージに広告タイアップが登場している。
ストリートファイターZERO2 ALPHA(1996年8月22日)
北米版『ALPHA2』をベースに、新たに5人の『II'』仕様のEXTRAキャラクター(リュウ、ケン、春麗、サガット、ベガ)と色違いのさくらを追加して使用可能な隠しキャラクターを10人に増やし、新技や新モードも追加し、バランスを調整したバージョン。隠しキャラクターの選択方法も簡易化されている。通常のストーリーに加え「ドラマチックバトル」「サバイバルモード」(1本の体力ゲージで他の全てのキャラクターと連続して戦う勝ち抜き戦)「真・豪鬼モード」(難易度が無条件で最強ランクになり、真・豪鬼と対戦する1試合のみのモードで、コンティニュー不可)が追加された。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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