ストリートファイターIV
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『ストリートファイターIV』(ストリートファイターフォー、STREET FIGHTER IV)は、カプコンおよびディンプスが開発・販売した対戦型格闘ゲーム。略称・通称は「ストIV」(ストフォー)。

本作は前作『ストリートファイターIII 3rd STRIKE』(以下『ストIII 3rd』)から約9年ぶりの『ストリートファイター』シリーズのナンバリングタイトルである一方、ストーリー上の時系列は『ストリートファイターII』(以下『ストII』)と『ストリートファイターIII』(以下『ストIII』)の間にあたる[注釈 1]。ただし家庭用版や『スパIV』の追加キャラクターのストーリーでは時系列の設定が異なる場合がある。

開発はカプコンの日本法人が行っており[3]プロデューサー小野義徳が務めた。また、『ストリートファイター』(以下『ストI』)を手がけた西山隆志率いるディンプスが全面的に製作協力を行っている。オープニングのCGムービーは株式会社ポリゴン・ピクチュアズが制作している[4]

キャッチコピーは「俺より強いやつは出てきたか」。これはシリーズを通してのキャッチコピー「俺より強いやつに会いに行く」のオマージュである。

アーケードゲームを初出とする本作は、のちに家庭用ゲーム機をはじめとする複数のプラットフォームに展開されたほか、『スーパーストリートファイターIV』をはじめとするアッパーバージョンが何度か展開された。

本作は1991年にリリースされ格闘ゲームのブームとなった『ストII』を現代に甦らせた作品とも呼ばれている[5]
リリース

2007年10月18日アメリカ向けカプコン公式サイトにて発表され[注釈 2]2008年7月18日アーケードゲームとして稼動、2009年2月12日には家庭用ゲーム機用ソフトとして発売された。

家庭用版はマルチプラットフォームPlayStation 3Xbox 360)で発売され、全世界での出荷本数は340万本を突破している[6]。これは同シリーズにおいて、スーパーファミコン版『ストII』および『ストリートファイターIIターボ』に次いで3番目のセールス記録となる。

2009年発売のPS3、Xbox 360版、2010年の『スーパーストリートファイターIV』(以下『スパIV』)、2011年の『スーパーストリートファイターIV アーケードエディション』(以下『スパIVAE』)、2012年の『Ver.2012』、2014年の『ウルトラストリートファイターIV』(以下『ウルIV』)と、新キャラクターの追加やゲームバランスの調整を行った新バージョンがおよそ1年おきにリリースされており、シリーズ全体では6年に渡って展開している。
製作
背景

プロデューサーの小野義徳は、任天堂のインタビュー企画「社長が訊く」の中で、海外で別作品に関するインタビューを受ける際、必ず最後に「『ストリートファイター』シリーズの新作はまだか」という質問をされたことがきっかけだったと述べている[7]。質問された時点で、小野は『ストIII』でシリーズを完結するつもりだったが、『シャドウ オブ ローマ』での失敗を経て、それが熱心な既存プレイヤーの意見にしか過ぎないことに気づき、新作を待っている者たちへの期待に応えるために『ストリートファイター』というブランドを見直すことにした[7]
開発

開発スタートは2004年。原点回帰ということで『ストI』を手がけたディンプス西山隆志に依頼があり、最初は『ストI』の続編に位置づけされるものを作る話もあったが、多くのファンにとっての原点は『ストII』であり、その作品を受け継いだ作品を作るべきだという話にまとまった[8]

本作の開発が決定するまでには多くのハードルがあり、カプコン内部からも「時代遅れ」「ストリートファイターでやれることは『ストIII 3rd』で全てやった」などの反発の声が非常に大きかったとされる。このことはプロデューサーの小野がインタビューやサウンドトラックのブックレットなどで度々口にしている。

西山いわく、『ストIII』の売上がそれほどでなかったことと、対戦格闘ジャンル市場の縮小を受け、当時のカプコンはこのジャンルからの撤退を決めていたが、稲船敬二が同社の開発の座に付いた後、本作の案を提出した。西山は、自身はカプコンが内々のチームで同ジャンル開発を手掛けることはもう無いと考えていたが、その折稲船から本作開発の打診を受けたとのこと[9]

小野義徳は『ストII』の頃のゲーム性を復活させようという試みであり、目指しているのは将棋の駒と将棋盤のようなゲームであり、コミュニケーションツールでもあると述べている[5]

『ストII』への原点回帰により、旧来のプレイヤーを再び集められる対戦ツールとなることを目標として製作。同社の既存作品『ストリートファイターEX』(以下『ストEX』)と同じく「3Dグラフィックの2D座標対戦型格闘ゲーム」であり、「ゲーム性は2D、グラフィックは3D[10]」というコンセプトのもとビジュアル面では2Dのイメージを大切にしたフル3D化が施された。旧来プレイヤーの回帰を促す指針上、システムに先鋭的な要素は入れずに、登場キャラクターも含め『ストII』、中でも『スーパーストリートファイターIIX』(以下『スパIIX』)を再現したような操作感覚になるよう調整され、そこに「セービングアタック」などの新しいシステムによって横幅を持たせたゲーム性が目指されている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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