スター・トレック:ローワー・デッキ
原作ジーン・ロッデンベリー
『スタートレック』
原案マイク・マクマーン
『スター・トレック:ローワー・デッキ』(英: Star Trek: Lower Decks、略称: LD)は、アメリカのSFテレビアニメである。『スタートレック』のテレビシリーズとして第9作目にあたり、アニメシリーズとしては『まんが宇宙大作戦』に次いで第2作目となる[注釈 1]。
日本語メディアによっては「ロワー・デックス」と表記されることもある[1][2] 本作は2380年(『ネメシス/S.T.X』の翌年)の惑星連邦を舞台に、宇宙艦隊所属艦の中で最も重要度が低いとされる宇宙艦U.S.S.セリトス(NCC-75567)[注釈 2]に勤務するクルーたちの中でもとりわけ重要度が低い、下部デッキ(Lower Decks)に居住する若い少尉たちの活躍を描いている[1][2]。舞台設定およびスタッフ・クレジットのようなフォーマットは『新スタートレック』からの強い影響に基づいている。 きわどいギャグが冴えるコメディ作品であるが、『スタートレック』の世界観を壊すことなく、熱心なトレッキーであればあるほど笑いを誘う内容となっている。なお、『新スタートレック』には第167話「若き勇者達
概要
アメリカでは2020年8月6日からParamount+(旧称CBS All Access)で、カナダではBell Mediaが保有する放送局及び配信サービスで同日に公開された。日本を含むその他の地域では2021年1月22日からAmazonプライム・ビデオで公開されている。第2シーズンはアメリカ・カナダでは2021年8月12日より、日本を含むその他の地域では翌日の2021年8月13日より公開された。第3シーズンは、アメリカ・カナダでは2022年8月25日より配信され[3]、日本を含むその他の地域ではAmazonプライム・ビデオで翌日より配信されていたが、2023年8月29日に配信が終了している。第4シーズンは2023年9月7日から配信されているが[4]、日本での配信予定はたっていない。最終シーズンとなる第5シーズンの製作が決定している[5][6]。 ※ 声の括弧内は日本語吹き替え。
登場人物
レギュラー
ベケット・マリナー
声 - タウニー・ニューサム
U.S.S.セリトスに勤務する地球人女性。ユニフォームは赤で腕まくりしている。少尉→中尉。優秀ではあるが、日頃の奔放な言動から少尉に降格され、U.S.S.キトからU.S.S.セリトスに配属される。これまでにも配属先を転々としており、U.S.S.キト[7]の前はディープ・スペース・ナインに勤務しており、キラ・ネリス大佐やクワークとも面識がある。身贔屓を嫌ってフリーマン艦長の娘であることを隠していたが、第1シーズン終盤でセリトスのクルー全員に知られてしまう。
ケルヴィンタイムラインのスールー大尉やDISのスタメッツ中佐などと同様、近年のスタートレックのレギュラーキャラクターに見られる性的マイノリティーキャラクター。(元々マリナーはバイセクシャル設定で、アカデミー時代にアミナとデートしていた事もあると脚本家が明かしている。)
シーズン3からアンドリア人女性士官のジェニファー少尉と交際していたが、29話にて濡れ衣を着せられたマリナーをジェニファーが全く信じなかったため喧嘩になり、マリナーはそのまま第80宇宙基地に転属。疑惑が晴れてセリトスに戻ってきた際もジェニファーはマリナーに気づくが話しかけられず、マリナーの方も彼女を一瞥すらせず、風評に捉われず自身を気遣ってくれていたいつもの3人、ボイムラーとテンディ、ラザフォードの方へ直行する。
今回の一連の事件で艦隊に対する強い愛着を自覚し、これまでの自分の言動によってそれを失いかけた事も反省して一歩ずつ努力していくことを決めて、処罰の一環(21話)としてではなく自発的にランサム中佐の下につく事にする等、元々の優秀さに加えて人間的に成長していく姿勢も見られるようになってきている。
実写版ドラマシリーズ『スタートレック:ストレンジ・ニュー・ワールド』のシーズン2、第7話に登場した[8]。
31話にて、中尉に昇進する。
39話にて、アカデミー時代、シトー・ジャクサと親友であった事と、彼女の死がマリナーの反抗的な言動のもとになっていた事が語られた。
ブラッドワード・ボイムラー
声 - ジャック・クエイド(平野潤也)
U.S.S.セリトスに勤務する地球人男性。ユニフォームは赤。少尉→中尉→少尉→中尉。生真面目な性格で出世欲が強く、仕事をこなしつつ昇進の機会をうかがっている。第1シーズンではフリーマン艦長からマリナーの監視を命令され、最終話ではU.S.S.タイタンのライカー艦長にスカウトされ中尉に昇進、タイタンに転属する。
第2シーズンでは上官のライカー艦長にかつて起こったのと同様に[注釈 3]上陸任務中の転送事故で複製が誕生してしまい、片方はそのままウィリアム・ボイムラー中尉としてU.S.S.タイタンに残り、もう片方はU.S.S.セリトスに少尉として戻る事になる。セリトス内で実力テストが行われた際には、訓練教官による悪質な改竄シミュレーションにもかかわらず100%の達成率を記録しており、優秀な素質の片鱗を見せている。
ピカード艦長のパロディとして、実家はフランスにあり大規模な干しブドウ業を営んでいることがシーズン3で明らかとなる。ブドウ園の従業員には若い女性が多く、なぜかボイムラーは彼女たちから好意を寄せられているものの本人は意に介していない。また髪は紫に染めており、地毛の色ではない。
28話においてウィリアムが就寝時の事故で死亡したとされるが、同話のラストで死を偽装してセクション31に参加した事が明かされる。ENT終了後の小説で描かれた、タッカー少佐へのオマージュとも取れる。
30話にて、テキサス級自動航行艦への有効な対策を(結果的に)提案したシャックス大尉の話を聞くように上級士官にやむを得ず大声をあげる等、シリーズ開始当初より行動的な面も描かれるようになってきている。
実写版ドラマシリーズ『スタートレック:ストレンジ・ニュー・ワールド』のシーズン2、第7話に登場した[8]。その際、パイクの未来について知っているが故に感じた申し訳なさを、パイク本人が既に知っているが故に見透かされ、逆にさりげなく気遣われる。
ウーナについての憧れをマリナーが若干(意図的に)ややこしく説明したため本人にやましいものと誤解されるが、24世紀に帰る直前に誤解が解け、純粋に尊敬し憧れている事を伝える事が出来る。