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スズラン(鈴蘭、学名: Convallaria majalis var. manshurica)は、スズラン亜科スズラン属に属する多年草の一種。狭義にはその中の一変種Convallaria majalis var. keiskeiを指す。学名のConvallariaはラテン語の谷(Convallis)に由来する[6]。君影草(きみかげそう)[7][8]、谷間の姫百合(たにまのひめゆり)の別名もある。
本種は「ラン」と付いているがラン科ではなくキジカクシ科(旧科名ユリ科)に分類される[9]。スズランの別名を持つ植物にラン科のカキランがあり、『日本草木植物総検索誌』(1979年)の和名索引ではともに「スズラン」とされ科名で区別されている[10]。他にイチヤクソウやベンケイソウもスズランと呼ばれていたことがある[10]。
高原などに群落を作って生育している[11]。草丈は15 - 30センチメートル[11]。葉はふつう2枚が抱き合って伸び、葉の間から花茎を伸ばして白い釣鐘形の花を咲かせる[11]。 スズラン属は北半球に数種がみられるが、これらに関しては1種で2変種または3変種、あるいはそれぞれ独立種とされることもあり見解が分かれる[6][12]。 日本などで自生しているスズランは花茎が短く花の数も少ないため、市場で出回っている園芸上のスズランは一般的にドイツスズランである[13]。両者は花の大きさ、葉の質、花冠の形、葯や花粉、花糸の基部の色に違いがある[14]。 なお、エゾスズラン(Epipactis papillosa)はラン科の植物である。 全草に強心配糖体のコンバラトキシンなどを含んでいる[7]。
種類
Convallaria majalis var. keiskei - 温帯アジア(北海道、本州、九州、サハリン、東シベリア、中国、朝鮮半島)に分布[7]。
C. majalis var. majalis(ドイツスズラン)[12] - ヨーロッパ原産[7]。葉がやや小型だが花が大きく芳香が強い[7]。
C. majalis var. montana(アメリカスズラン)[12] ? 北米のアパラチア山脈一帯に分布[6][7]。
薬理作用
毒性、心臓麻痺などの症状を起こし、重傷の場合、心不全から死亡に至ることもある[11]。強心配糖体のコンバラトキシン(convallatoxin)、コンバラマリン
北海道などで山菜として珍重されるギョウジャニンニクと外見が似ていることもあり[11]、誤って摂取し中毒症状を起こす例が見られる。スズランを活けた水を飲んでも中毒を起こすことがあり、上野正彦著「死体は語る」には、五歳の子どもが枕元に置いてあったスズランの活けられた花瓶の水を飲み死亡した例が書かれている。 強心作用や利尿作用があることから生薬や製薬の原料とされる[7]。 花言葉は「清浄」「幸福」[7]。イギリスなどでは5月1日にスズランを贈ると幸福が来るという風習がある[7]。 一方で有毒植物であることからアイヌでは「毒の花」として親しまれなかった[7]。 フィンランドの国花であり、スウェーデンのイェストリークランド地方の花でもある。
生薬
文化
国花など
日本の自治体・行政区の花
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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