スズメバチ
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この項目では、昆虫について説明しています。2002年製作のフランス映画については「スズメバチ (映画)」をご覧ください。

スズメバチ亜科 Vespinae
樹液を吸うオオスズメバチ
分類

:動物界 Animalia
:節足動物門 Arthropoda
:昆虫綱 Insecta
:ハチ目(膜翅目) Hymenoptera
亜目:ハチ亜目(細腰亜目) Apocrita
上科:スズメバチ上科 Vespoidea
:スズメバチ科 Vespidae
亜科:スズメバチ亜科 Vespinae

英名
Hornet
Wasp
Paper wasp



ホオナガスズメバチ属 Dolichovespula

ヤミスズメバチ属 Provespa

スズメバチ属 Vespa

クロスズメバチ属 Vespula

スズメバチ(雀蜂、胡蜂)は、ハチ目スズメバチ科に属する昆虫のうち、スズメバチ亜科(Vespinae)に属するものの総称である。
概要

スズメバチ亜科はハチの中でも比較的大型のが多く、性質はおおむね攻撃性が高い。1匹の女王蜂を中心とした大きな社会を形成し、その防衛のために大型動物をも襲撃する。また凶暴かつ好戦的で積極的に刺してくることも多いことで知られるが、これは巣を守るためで、何もせずとも襲ってくるように見えるのは、人間が巣の近くにいることに気付かないためである[1]。スズメバチ亜科は467種が知られ、日本にはスズメバチ属7種、クロスズメバチ属5種、ホオナガスズメバチ属4種の合計3属16種[2]が生息する。医学博士の小川原辰雄によると2019年の野生動物が原因となる日本人の死因の首位はスズメバチによるものとなっている[3][4]

スズメバチは、狩りバチの仲間から進化したと見られており、ドロバチアシナガバチとともにスズメバチ科に属する。そのスズメバチ科はアリ科ミツバチ科と同じハチ目に含まれている。なお、昔の分類ではスズメバチ上科の下にハナドロバチ科、ドロバチ科、スズメバチ科を置くことも多く、この3科の中ではスズメバチ科のみが社会生活を行う[5]:38。

スズメバチはミツバチと並び、最も社会性を発達させたハチであり、数万もの育室を有する大きなを作る種もある。アシナガバチ等と違い、雄バチは全く働かず、女王蜂が健在の間は他の蜂は一切産卵しない。女王蜂を失った集団では、働き蜂による産卵も行われるが、生まれるハチは全て雄で、巣は遠からず廃絶する。

スズメバチは旧ローラシア大陸で誕生、進化しユーラシア大陸北アメリカ大陸アフリカ大陸北部に広く分布している。分布の中心は東南アジアにあり、オオスズメバチヤミスズメバチ等多様な種が生息している。旧ゴンドワナ大陸であるオセアニア南アメリカにはもともと野生のスズメバチはいなかったが、現在ではオセアニア南アメリカでも人為的に侵入したスズメバチが生息地域を広げている。
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この節には独自研究が含まれているおそれがあります。問題箇所を検証出典を追加して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2008年9月)

「スズメバチ」の名は、その大きさが「ほどもある」または「巣の模様が雀の模様に似ている」ことに由来する。また、地方によりスズメバチを指して「くまんばち」[6][7][8]と呼ばれるため、同じく地方によって「くまんばち」と呼ばれるクマバチ(Carpenter bees) が、しばしばスズメバチと混同されることがある。この両者は分類上も攻撃性も全く異なる。また、「かめばち」(巣の形より)などの名がある。また台湾語では、体と頭部の色のため、「虎頭蜂」と呼ばれている。

インド・ヨーロッパ祖語に由来する語ではスズメバチを意味する単語は共通の語源に由来している。ラテン語の「vespa(ベスパ)」やリトアニア語の「vapsva」を始めとして、オランダ語の「wesp」、ドイツ語の「wespe」、英語の「wasp(ワスプ)」、スペイン語の「avispa(アビスパ)」[注釈 1] などはスズメバチを意味する語である。ただし、英称ではスズメバチだけでなく、ジガバチなどを含んだ攻撃的な狩りをするハチ類を指す語である。

英語でスズメバチを指すもう一つの言葉である「hornet(ホーネット)」は中世には「harnette」、「hernet」、古英語では「hyrnet」などと綴られ[9]、ラテン語の「crabro」、「onis」などと関連する[10]。なお、この語もスズメバチ以外にクマバチを指す。
食性アシナガバチの巣を襲いさなぎを引き抜くヒメスズメバチ

成虫の餌は、主として終齢幼虫の巨大に発達した唾液腺から分泌される栄養液である[11]。この液には5-20パーセントの糖分、1.3-1.8パーセントの可溶性タンパク質が含まれており、この点では人乳の組成に近い。この栄養液の不足分や終齢幼虫がまだ育っていない時期には糖質を多く含む花蜜、樹液などを摂取している。エサが不足すると、幼虫を臨時の食糧とすることもある[5]:179。また、成虫同士で口移しで体内のエサのやり取りをすることもあり、狩りの際の重要なエネルギー源となっている[5]:184。

また、秋には担子菌類のキノコの一種であるシラタマタケの子実体内部の胞子を含んだ液化部分(グレバ)を好んで摂取する。これは終齢幼虫減少期における炭水化物もしくは蛋白質源として重要な餌となっていると考えられている[12]

幼虫の餌は種類により違いはあるが、基本的には他の昆虫類であり、成虫が捕獲した昆虫などの小動物や、場合によっては新鮮な脊椎動物の死体から筋肉の多い部分を切り取ってかみ砕き、肉団子にして与えることが多い。ただし後述するように、アシナガバチのさなぎ・幼虫専食のヒメスズメバチでは肉団子ではなく、獲物をかみ砕いて体液を素嚢(そのう)にため、それを幼虫に与える。成虫は幼虫からの口移しにより、栄養分を摂取する。


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