スズキ・MRワゴン
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スズキ・MRワゴン
3代目 Wit
概要
別名日産・モコ
製造国 日本
販売期間2001年12月-2016年11月[1]
ボディ
ボディタイプ軽トールワゴン
駆動方式前輪駆動 / 四輪駆動
系譜
後継ワゴンRスマイル(事実上)
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MRワゴン(エムアールワゴン、MR wagon)は、スズキで生産・販売されていた軽トールワゴンである。日産自動車には2002年よりモコとしてOEM供給されていた。
概要

エンジン自然吸気エンジンとターボエンジンの2種類が用意される。初代・2代目はK6A型を搭載しており、NA車は40kW(54PS)/ 6,500rpm で吸気側にVVT(可変バルブタイミング機構)を搭載、ターボ車は44kW(60PS)/ 6,000rpm となる。3代目では高い燃焼効率を実現し、軽量・コンパクト化されたR06A型に置き換え。NA車は軽自動車初の吸排気VVT機構を搭載し、40kW(54PS)/ 6,500rpm となる。ターボ車は47kW(64PS)/ 6,000rpm に向上すると共に、吸気側にVVTを搭載したことで動力性能と環境性能を両立した。

トランスミッションは初代と2代目が全車4ATで、3代目は副変速機付きCVTシフトレバーは初代がコラムシフト、2代目と3代目がインパネシフトである。

パーキングブレーキは足踏み式を採用することで運転席周りを広くとり、サイドウォークスルーも可能。当初前席はセパレートシートで、運転席と助手席の間に収納が設けられていたが、2004年平成16年)の一部改良でベンチシートとなり、2代目と3代目もそれを継承している。

助手席座面をスライドさせると下に収納スペース(助手席シートアンダーボックス)がある。初代はバケツのように取っ手があり、着脱可能[注釈 1]。一方、2代目は着脱こそできないが大容量のシートアンダートレーがあり、イオンの「マイバスケット」がピッタリと収まるようになっている。3代目はシートアンダートレーが省かれたものの、初代のように取っ手が復活し、着脱可能となった。
コンセプトカー(1999年)

1999年(平成11年)の第33回東京モーターショーにMRワゴンと名づけられたコンセプトカーが出品された。後車軸直前にエンジンを搭載したミッドシップエンジン・リアドライブ・レイアウトであり、MRの名はその略称によるものである。
初代 MF21S型(2001年 - 2006年)

スズキ・MRワゴン(初代)
MF21S型
前期型(2001年12月-2004年2月)
スポーツ(2002年6月-2006年6月)
GL 4WD(後期型)
(2004年2月 - 2006年1月)
概要
別名スズキ・カリムンエスティロ
販売期間2001年12月-2006年6月
ボディ
乗車定員4人
ボディタイプ5ドア 軽トールワゴン
エンジン位置フロント
駆動方式前輪駆動 / 四輪駆動
パワートレイン
エンジンK6A型 660cc 直3 DOHC VVT
K6A型 660cc 直3 DOHC ターボ
変速機コラムシフト4AT
車両寸法
全長3,395mm
全幅1,475mm
全高1,590 - 1,600mm
車両重量850 - 900kg
その他
販売終了前月までの新車登録台数の累計20万4,488台[2]
姉妹車/OEM日産・モコ(初代)
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全長、全幅は大半の軽自動車同様、軽規格の上限まで用いられるが、パッケージングのみならず、スタイリングも重視しており、トヨタ・エスティマのようなモノフォルムデザインとなった。

またコンセプトカーでは名称の由来となったミッドシップエンジンレイアウトは採用されず、コンベンショナルな前輪駆動(及びFFベースの4WD)となり、「MR」は「マジカル・リラックス」の略称とされた。

当初はDOHC VVTエンジンを搭載する「E」・「X」・「Xナビパッケージ」とDOHC Mターボエンジン(60PS)を搭載する「ターボT」の4グレードで展開。「E」以外は全車同色ドアノブ、電動格納式ドアミラー、各種オーディオが標準装備されるなどセルボモード以来の充実ぶりであった。「Xナビパッケージ」は1DINのCD/MDチューナーと1DINのインダッシュカーナビゲーションが装備される。後部座席はリクライニング機能の他105mmの左右独立前後スライド機能を備え、またレバー一つでシートを倒せるなどシートアレンジが豊富になっている。前後スライド機能は、ベースとなった2代目ワゴンRプラットフォームからショックアブソーバーの取り付け位置を変更するなどリアサスペンションの改良を施すことで実現、後にワゴンR/マツダ・AZ-ワゴンにもマイナーチェンジにより同様の改良がされた。そのためMRワゴンは一見コンパクトな車体に見えて広い室内を実現していた。またスズキ車としては初めて全車にブースターを利用するヘリカル型ルーフアンテナをルーフ中央に採用した。従来のスズキ純正カセットチューナーやAMラジオではアンテナコントロール電源がなく、対応させるには配線を増やす必要がある。そのため標準装備されることはなく、以降発売される新型車種も乗用モデルにはCDチューナーが装備されるようになった。

軽自動車の規格が1998年に変更以降、多くのメーカーが乗用モデルにはSRSエアバッグやシートベルトプリテンショナー・フォースリミッターを標準装備していたが、スズキ製軽乗用車ではエブリイ以外標準装備が進んでいるとは言えなかった。このMRワゴンでは全グレード両席SRSエアバッグ・シートベルトプリテンショナー・フォースリミッターが標準装備された。更にフォースリミッターには軽自動車初の可変フォースリミッターを採用。リミッターが2段階に分けて働く仕組みとなっている。以降他の車種もマイナーチェンジを期にエアバッグなどが標準装備されるようになる。後述の「スポーツ」にはこれもまた軽初のCRD(クッション・レストレイント・デバイス)と呼ばれる乗員の衝突時の前方移動を抑制する装置を受注生産として設定された。

2001年平成13年)12月4日 - 初代発売。

2002年(平成14年)

4月10日 - 日産自動車へ「モコ (MOCO)」の名称でOEM供給開始。

4月25日 - 装備を充実しながら、求めやすい価格とした新グレード「N-1」を発売。

6月11日 - アパレルブランド「ミキハウス」とタイアップした「ミキハウスバージョン」と「N-1」をベースに、スポーティな外装を施した新グレード「N-1 エアロ」、また、当時のワゴンR RRなどに搭載されるDOHC ターボエンジン(64PS)を搭載し、スポーティな外装とした新グレード「スポーツ」の計3種を発売。「スポーツ」にはこれまで装備されることのなかったタコメーターローダウンサスペンション&スポーツ専用14インチアルミホイールもあったが、「スポーツ」のターボエンジンはOEM供給されるモコには非搭載であるためモコに「スポーツ」に相当するグレードは存在しない。この仕様のみATにはロックアップが採用され低燃費にも貢献している。タコメーターは以降、後述の「ジアラバージョン」や「A-LIMITED」など自然吸気の上級グレードや特別仕様車にも搭載された。

7月16日 - 「ジアラ(GIALLA)」製の外装部品などでドレスアップしたカスタマイズカー「ジアラバージョン」を発売。

12月10日 - 「N-1」と「N-1 エアロ」を一部改良。フロントグリル、シート表皮、ドアトリム表皮を専用の仕様に変更する。


2003年(平成15年)

1月14日 - 軽自動車販売台数30年連続No.1を記念して、メッキ仕様のディスチャージヘッドランプ、メッキ塗装の専用フロントグリル、専用アルミホイールなどを装備した特別仕様車「スポーツ バージョンV」を発売。

8月4日 - お買い得な価格設定とした特別仕様車「N-1スペシャル」を発売。ターボTなどに搭載されていたCD/MD/カセットオーディオは廃止されアゼスト製CD/MDオーディオに変更される。


2004年(平成16年)

2月10日 - 一部改良。前席をベンチシートとし、リアシートのスライド量を拡大(105mm→135mm)。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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