スコポラミン
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スコポラミン

IUPAC命名法による物質名
IUPAC名

(?)-(S)-3-hydroxy-2-phenylpropionic acid(1R,2R,4S,7S,9S)-9-methyl-3-oxa-9-azatricyclo[3.3.1.02,4]non-7-yl ester

臨床データ
胎児危険度分類

US: C




法的規制

UK: 薬局販売医薬品

US: ?-only

投与経路経皮、眼、経口、皮下、静脈内、舌下、直腸、口腔内投与、筋肉内
薬物動態データ
生物学的利用能10 - 50%[1]
半減期4.5時間[1]
識別
CAS番号
51-34-3
ATCコードA04AD01 (WHO) N05CM05 (WHO), S01FA02 (WHO)
PubChemCID: 5184
DrugBankDB00747
ChemSpider10194106 
UNIIDL48G20X8X 
KEGGD00138
化学的データ
化学式C17H21NO4
分子量303.353 g/mol
SMILES

OC[C@H](c1ccccc1)C(=O)O[C@@H]2C[C@H]3N(C)[C@@H](C2)[C@@H]4O[C@H]34

InChI

InChI=1S/C17H21NO4/c1-18-13-7-11(8-14(18)16-15(13)22-16)21-17(20)12(9-19)10-5-3-2-4-6-10/h2-6,11-16,19H,7-9H2,1H3/t11-,12-,13-,14+,15-,16+/m1/s1 

Key:STECJAGHUSJQJN-FWXGHANASA-N 

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ブスコパン注射液

スコポラミン(: scopolamine)は、トロパンアルカロイドムスカリン受容体拮抗薬の一種。ヒヨスチン (hyoscine)ともいう。アセチルコリンムスカリン受容体への結合を競合的に阻害することによって抗コリン作用を有する。これにより副交感神経系の抑制を来し、瞳孔括約筋の弛緩による散瞳眼圧の上昇、レンズ調節の麻痺、心拍数の上昇、消化管の緊張や運動の抑制などを引き起こす。
医療用途

日本の承認医薬品ブチルスコポラミン臭化物(製品名:ブスコパン)は、ドイツのベーリンガーインゲルハイムによって1940年代後半に合成・開発された鎮痙剤(英語版)である。発現率1%以上の副作用は、口渇が9.4%、便秘が4.4%、眼の調節障害が1.7%、心悸亢進が1.4%である。過量投与によってせん妄や血圧上昇などを引き起こす可能性がある。有効成分の規制区分は毒薬である[2]

ブチルスコポラミン臭化物[3]は、消化管の運動を抑制するので、消化管のX線及び内視鏡検査の前処置、消化管の疼痛時の鎮痙によく使われる[4]。また尿路結石に伴う疼痛に対して尿管を拡張させる目的でも用いられる。
禁忌や慎重投与

眼内圧を上昇させるため緑内障患者での使用は禁忌。前立腺肥大による尿閉を悪化させるので、高齢男性への投与は慎重投与[4]出血性大腸炎などへの投与も禁忌となっている[4]
精神作用

ヒトを対象としたスコポラミン投与試験で、言語エピソード記憶意味記憶などの記憶障害、注意検査におけるパフォーマンス低下などの認知障害を引き起こすことが示されている[5][6]。また、スコポラミン投与による記憶障害のモデル動物が広く使用されている。

そのためスコポラミンはデートレイプドラッグとしても知られる[7][8][9][10][11]

ブチルスコポラミン臭化物のバイオアベイラビリティは1%未満で、体内に吸収されるのはごく一部である。血液脳関門(BBB)の通過性については、ラットのデータでは中枢神経系(CNS)へほとんど移行しないことが示されている[2]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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