スコットランド国民党
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スコットランドの政党
スコットランド国民党/民族党
Scottish National Party
Partaidh Naiseanta na h-Alba
Scottis Naitional Pairtie

党首ジョン・スウィニー(英語版)
副党首キース・ブラウン(英語版)
中央議会代表スティーブン・フリン(英語版)
創立1934年[1]
合併元スコットランド国家党(英語版)[1]
スコットランド党(英語版)[1]
本部所在地Gordon Lamb House 3 Jackson’s Entry EH8 8PJ Edinburgh Scotland[2]
青年部スコットランド民族主義学生団(英語版)
若きスコットランド人(英語版)
党員・党友数11万5000名以上[3]
政治的思想スコットランド民族主義[4][5]
市民的民族主義[6][7]
民族主義[8]
ポピュリズム[9]
地域主義[10][11]
分離主義[12]
社会民主主義[12][13]
民主社会主義[13]
政治的立場中道左派[2]
欧州議会会派欧州自由同盟
欧州緑グループ・自由同盟
公式カラー黄色とヒース
スコットランド議会64 / 129
イギリス議会
(スコットランド区)35 / 59
欧州議会
(スコットランド区)3 / 6
地方自治体[14]
(スコットランド区)418 / 1,227
公式サイト
snp.org
[[ スコットランドの政治]]
[[ スコットランドの政党一覧]]
[[ スコットランドの選挙]]

スコットランド国民党/スコットランド民族党(スコットランドこくみんとう/スコットランドみんぞくとう、英語: Scottish National Party (SNP), スコットランド・ゲール語:Partaidh Naiseanta na h-Alba,スコットランド語:Scottis Naitional Pairtie)は、グレートブリテン島北部と周囲の島々で構成されるスコットランド地域政党。政治的には社会主義社会民主主義)を基調としており[12][15]、同時にスコットランド独立運動を掲げる地方主義政党でもある。

スコットランド民族党と日本語訳する事については排他的な民族主義政党との印象を与えるとして批判的な意見もあるが[16]、実際にスコットランド人の民族主義を重要な支持基盤にしている部分もある[17]。日本のメディアでは読売新聞[18]産経新聞[19]時事通信[20]NHK[21]など主要メディアの多くが民族党の名称を使用している。なお、毎日新聞は当初国民党の名称を使用していた[22]が、近年は他社に倣って民族党としている[23]
党史詳細は「en:History of the Scottish National Party」を参照

伝統的なイギリス(連合王国)体制下、及びその遠因となったイングランド人勢力の統治に対するスコットランド民族の自治・独立運動は古くから存在した(スコットランド独立戦争等を参照)。議会制度に基いた政治運動としては同党の結党によって始まった。1934年、スコットランド国民党/民族党(SNP)はスコットランド国家党 (National Party of Scotland) とスコットランド党 (Scottish Party) の合流によって結党された。

一貫して反英主義運動を進め、成立から間もなく勃発した第二次世界大戦ではイギリス政府への反政府運動・徴兵拒否運動を指導した。SNPは利敵行為を働いたとして政府の弾圧を受け、第4代党首ダグラス・ヤング(英語版)らも英軍への参加を拒否して拘束された。大戦終結直後の1945年、マザーウェル選挙区での自治議席にロバート・マッキンタイア(英語版)(後に第6代党首)が補欠当選して政界進出を果たした。続く総選挙では議席を失うが、それからも地道に政党組織の拡大が図られた。

同党の躍進は1967年イギリス議会選挙におけるウィニー・ユーイング(英語版)議員の当選によって本格化した[24]冷戦下で連合王国の分離を主張する政党が再び議席を獲得したことは危機感を集め、王立審議会(英語版)が開催されるなど大きな注目を集めた。年月を重ねるごとに政治基盤を整え、スコットランド人の民族主義運動を象徴する組織として確固たる地位を築き上げた。1970年代から90年代前半までの同党の政治活動は地方自治体への進出と、連合議会に独立派議員を送り込むことが主眼であった。

1999年、スコットランド出身の連合王国政府首相であるトニー・ブレアは、自らが進める地方分権政策の仕上げとして、1707年の合同法による解散から数百年以来となるスコットランド議会の復活を、イギリス議会に承認させた。併せてスコットランド地方政府・スコットランド議会に対する大幅な自治権を認めるスコットランド法が、住民投票を経て成立した。SNPは独立議会でも存在感を示し、2007年の選挙では議会第一党に躍進した。さらに2011年の選挙では地滑り的大勝利を収め、単独過半数までわずか数議席という大勢力へと成長した[25]。現党首アレックス・サモンド自治政府首相に選出され、幾つかの少数与党との連立政権を作り上げた。

議会再開以来、地方政府は同規模の政党による複雑な勢力バランスの上で成り立ったが、2011年からは明確にSNPを主軸にした政権となった[26]。中央政府に対する働きかけも継続され、現在連合王国議会においてはスコットランド選挙区から6名の議員団を送り込んでいる。他に欧州議会に2議席を持ち、地方主義運動の連合体である欧州自由同盟に加盟している。またスコットランド地方の自治体において、幅広い勢力圏を作り上げている[27]

2014年9月、スコットランド自治政府は、SNPが公約に掲げていた独立住民投票を実施した。開票結果は僅差で独立反対派が勝利して、アレックス・サモンドが首相および党首の辞任を表明したが、独立賛成票も44.7%に達したことからスコットランド独立運動への賛成論が高まっていることが浮き彫りになった。後任には女性政治家でスコットランド議会議員のニコラ・スタージョンが就任した。2015年5月、イギリス議会選挙でSNPはスコットランド選挙区に割り振られた59議席の大半である56議席を得るという結党以来の躍進を果たした。それまでスコットランド自治議会や地方自治体選挙での活躍が中心であったため、イギリス議会議席は6議席に留まっていたが、50議席を新たに獲得したことで、以後は第3党として中央政界でも存在感を発揮すると見られている。
組織
概要2011年に発足したスコットランド自治政府の第二次SNP政権

SNPは、スコットランド各地方に設置された党支部によって構成され、同じ選挙区内の支部同士で選挙区組合を組織している。さらに、選挙区組合の上部機関として8つの地方評議会が設置されており、所属する各党支部と各選挙区組合から評議員が選出されている。党の全体方針は毎年開催される党大会や定期的に行われる運営委員会・全国協議会などによって討議、決定されている。最終的な決定権を持つ党執行部は定員6名の全国執行委員会に運営権限が与えられている。

党内には一般党員の組織とは別に学生組織・青少年組織も存在し、それぞれ若きスコットランド人(英語版)(青年団)、スコットランド民族主義学生団(英語版)(学生団)と呼ばれる。スコットランド民族主義学生団はSNPの影響下に置かれつつも、独自の運営方針を持つことが許可されている。他に関連団体としてスコットランド労働運動・SNP連合(英語版)(労働者団体)、機関紙『スコッツ・インディペンデント(英語版)』などが存在する。

党員数は2004年時点で9450名であったのが、2008年には15097名に急増[28]、2010年に選挙委員会へ提出された報告書によれば党員数は同年時点で16232名に達している[29]。2014年の独立投票を経た2015年には11万5000名にまで急増している[3]
党指導部
党首



第1代:アレグザンダー・マキュアン
(英語版)(1934年 - 1936年)

第2代:アンドルー・ギブ(英語版)(1936年 - 1940年)

第3代:ウィリアム・パワー(英語版)(1940年 - 1942年)

第4代:ダグラス・ヤング(英語版)(1942年 - 1945年)

第5代:ブルース・ワトソン(英語版)(1945年 - 1947年)

第6代:ロバート・マッキンタイア(英語版)(1947年 - 1956年)

第7代:ジェームズ・ハリデイ(英語版)(1956年 - 1960年)

第8代:アーサー・ドナルドソン(英語版)(1960年 - 1969年)



第9代:ウィリアム・ウォルフ(英語版)(1969年 - 1979年)

第10代:ゴードン・ウィルソン(英語版)(1979年 - 1990年)

第11代:アレックス・サモンド(1990年 - 2000年)

第12代:ジョン・スウィニー(英語版)(2000年 - 2004年)

第13代:アレックス・サモンド (2004年 - 2014年)

第14代:ニコラ・スタージョン (2014年 - 2023年)

第15代:ハムザ・ユーサフ(2023年 - 2024年)

第16代:ジョン・スウィニー(2024年 - )



党顧問



第1代:ロバート・グラハム
(英語版)(1934年 - 1936年)

第2代:ロランド・ミューアヘッド(英語版)(1936年 - 1950年)

第3代:トム・ギブソン(英語版)(1950年 - 1958年)

第4代:ロバート・マッキンタイア(英語版)(1958年 - 1980年)



第5代:ウィリアム・ウォルフ(英語版)(1980年 - 1982年)

第6代:ドナルド・ステュアート(英語版)(1982年 - 1987年)

第7代:ウィニー・ユーイング(英語版)(1987年 - 2005年)

第8代:イアン・ハッジトン(英語版)(2005年 - )



スコットランド議会議員団代表



第1代:
アレックス・サモンド(1999年 - 2000年)

第2代:ジョン・スウィニー(英語版)(2000年 - 2004年)



第3代:ニコラ・スタージョン(2004年 - 2007年)

第4代:アレックス・サモンド(2007年 - )



ウェストミンスター議会議員団代表



第1代:ドナルド・ステュアート
(英語版)(1974年 - 1987年)

第2代:マーガレット・ユーイング(英語版)(1987年 - 1999年)

第3代:アラスデア・モーガン(英語版)(1999年 - 2001年)



第4代:アレックス・サモンド(2001年 - 2007年)

第5代:アンガス・ロバートソン(英語版)(2007年 - )



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