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スケートボード(skateboard)は、一枚の板に車輪が付いた乗り物(運動用具)である。日本ではスケボーと略して呼ばれることもある。
2020年東京オリンピックで、ストリートとパークがローラースポーツの追加種目に採用された。2024年パリオリンピックでも追加種目として実施される予定。詳細は「2020年東京オリンピックのスケートボード競技」を参照
オリンピックの歴史の中で最初のメダリストは、男子は堀米雄斗(金、日本)、ケウビン・ホフラー(銀、ブラジル)ジャガー・イートン(銅、アメリカ)[1]。女子は西矢椛(金、日本)、ライッサ・レアウ(銀、ブラジル)、中山楓奈(銅、日本)[2]。
概要一般的なスケートボード
通常は四つの車輪を持つ一枚の板に足を固定せずに立って乗る。全長31インチ(約78cm)程度のものが一般的。
日本でのプロ認定や各種競技会(ストリート・スケートボード)は、スラローム世代の日本スケートボード協会(AJSA)が、フラットランドに関しては日本フラットランドスケートボード協会(JFSA)が執り行っている。
五輪界ではローラースポーツ競技の種目。国際競技連盟はワールドスケート。日本の国内競技連盟はワールドスケートジャパン。
スケートボードの技のことを「トリック」と呼ぶ。 (用語については#スケートボード用語と#主なスケートボードトリックを。スケートボーダーについてはプロスケートボーダー一覧を参照。) ローラースケートを流用した木製四輪キックスケーターからハンドルを取ったものが原型と言われている[3]。その後カリフォルニアのサーファーが水を抜いたすり鉢状のプールで乗り始めた事から流行が本格化する。当時は「サイドウォークサーフボード」「ロックライダー」などと呼ばれていた。ウィール(車輪)の材質はゴム、鉄、プラスチック、粘土など。 それまでの単なるサーフィンの練習用のものから、グラスファイバーを使ったスラローム向けの小さめ(幅約15cm)の板と、合板を使ったランプ向けの大きめ(幅約25cm程)の板に分派した。ウィールはポリウレタンが一般化する。 プレイスタイルとしては、ボウルやハーフパイプを備えたスケートパークが建設され、様々な技が生み出される。パーク以外でもフラットランドスケートボーディングが発達する。1978年にはアラン・ゲレファンド
競技の種類
ストリートスタイル(Street)ストリート(街中)に存在する斜面、縁石、階段、手摺り等を技に利用する事から発展し、それらと同様の構造物を設置したスケートパークも存在する。コンテストではストリートリーグ / SLS(Street League Skateboarding)が世界最高峰の大会と認識されている。
パークスタイル(Park)お椀型のくぼみを組み合わせたコースで滑走する競技。エックスゲーム(X Games)のスーパーパーク(Super Park)から発祥し、現在ではバンズ・パークシリーズ(Vans Park Series)が世界大会と認識されている。日本国内には国際大会を開催できるレベルのパークスタイルコースが数少ない。
フリースタイル(Freestyle)/ フラットランド(Flatland)ボードに逆立ちする、ボードを横に倒して乗る、ボードを立てて乗るといった様々な技をフラットランド(平地)のみで行う。
バーチカル(Vertical)/ バート(Vert)半円 / U字型の構造物(3m?4m高)で滑走部分の最上部は垂直の90度となる。バーチカルランプ(スノーボードやインラインスケート等ではハーフパイプ)とも呼ばれ、トリックの難易度等を競う。
ビッグエアー(Big Air)メガランプ(Mega Ramp)と呼ばれる超大型構造物を滑走し、例えるならば「スキージャンプ」と「空への発射台」の2つを組み合わせたもの。エックスゲームにて世界大会が行われている。
スラローム(Slalom)一列に並べたパイロンを潜り抜けながら進んで行く。潜った正確性やスピード、またはその両方を競う。
ギャラリー
ストリート
パーク
フリースタイル
バート
スラローム
歴史
1960年代(第一世代)
1970年代(第二世代)スラローム向け
またこの時代より、大きめの板の「裏側」に着目して飲料水メーカーなどのグラフィックが描かれる様になる。この裏面のグラフィックアートが、その世代の流行を反映しながら今日まで続いている。
有名なところではZ?Boysが世間に名を知らしめた時代である。
1980年代(第三世代)アラン“オーリー”ゲレファンドトニー・ホーク
トニー・ホークやクリスチャン・ホソイがバートランプで名を馳せた。また、フラットランドで活躍したロドニー・ミューレンが平地でのオーリーを開発し、ストリートスタイルの発展に大きく貢献する。この頃から優秀なスケーターにはスポンサーがつき、シグネイチャー・モデルのスケートボードが登場する。また、バスケットシューズを発展させたスケートボード専用シューズが登場する。
この時代にはロックミュージックの一つスラッシュメタルが「スケートロック」とも呼ばれてスケーターに支持され、スケートボード裏面にはレコードジャケットのようなグラフィックが主に用いられた。
ボード
材質は楓の合板が一般化する。デッキ(表面)の縦にコンケーブ(凹み)、更に滑り止めとして、前足部及び後ろ足部に荒い紙やすり状のグリップテープが張られ、デッキ裏にはスライドをし易くする為のレールガードが付けられた。テール部にも角度(キックテール)がつけられた。また1970年代からもあった小技だが、オーリーの成功率をより高く、高さもより飛べるようにつま先を引っ掛ける為のU字型の簡易ドアノブをノーズに付けるのが流行した。
競技
バートランプで発展したトリックがストリートでも用いられる。マーク・ゴンザレスがオーリーを駆使して様々な場所を攻め、スケートボーディング誌を華々しく飾った。[4]
環境
1970年代から活発な活動をしていたZ-BOYSのトニー・アルバが設立した「アルバスケーツ」を筆頭に、スケートボードの宣伝が各社により活発になった。また本格的にスケートボードウェアーを開発するメーカーも現れた。「THRASHER」をはじめとするスケートボード専門誌が設立され、世界的にも広く普及し始めた。
1990年代(第四世代)第4世代のボード。磨り減ったテールを除けば、形状と大きさは殆ど変わらない。
ヒールフリップ・スライド・マニュアルなどのプレイスタイルを主体とし、文字どおり街頭の建造物を使用したストリートスタイルが発展する。デッキ裏面には時代の流行音楽を反映し、ハードコアパンクやオルタナティブロック、ヒップホップ調のグラフィックがあしらわれた。また、有名企業の商標をパロディしたものも流行した。 従来のスケートボードはストリートスタイル普及の結果、街頭の建造物がスケートボーダーにより意図的に破壊される犯罪問題が発生し、街頭でのスケートボーディングが一部制限される。代わりにストリートセッション中心の公共スケートパークが増え、パークスケートボーディングが発展した。スケートボーダーによる麻薬使用といった犯罪行為は、社会問題になりつつある。 2021年に開催された2020年東京オリンピックにて、初めて夏季オリンピックの競技として実施された。 東京オリンピック開催後、日本人選手のメダル獲得が相次いだことなどからスクールに通う子供が増加したとされ、上述の社会問題化していた状況から一転して習い事のスポーツの一つになった[6]。 ただし、素行不良のスケーターの問題は依然として改善せず、公園や駅前ではスケートボーダーの退去を命じることができる条例が制定された例もある。これらのトラブルの原因の一つにスケートボード場の料金の高さや営業時間等が挙げられており、環境整備が課題となっている[7]。
ボード
デッキの寸法は(幅187.5×縦800mm (7.5"×32"))程に収斂されて行く。ボードを水平回転させるトリックが発達したため、どちらが前後になっても問題ないようにノーズとテールは同じ形になり、トリックの成功率を上げるためコンケーブも強めになる。トリックの多様化でボード全面を使う為、デッキ表側全面にテープが貼られる。ウィールの直径は50?56mm。逆にそういった主流からはずれ、サーファーやスノーボーダー向けに意図的なスライドやボードの傾斜を意識した特殊なボードも開発されてゆく(下記ギャラリー参照)。
ロングスケートボード(en:Longboard)。長さや形状は様々。
フローボード(en:Flowboard)。深いバンクが可能。
競技・環境
スケートボードの宣伝がさらに活発になり、ビデオマガジンが発売された。また、スケートボードやシューズのブランドがスポンサーとなり、プロスケートボーダー4?6名のチームによる活動を始めた。[5]
2000年代
2020年代2020年東京オリンピック
主なトリックオーリーボードスライドノーズグラインド
プッシュ(Push)
地面を蹴って進む、一番の基本。
チックタック、チクタク(Tick tack)
前輪を左右交互に振って進む。
フェイキー(Fakie)
後ろ向きに進む。
マニュアル(Manual)
前輪を浮かせるとテールマニュアル、後輪だとノーズマニュアル。
ボンレス(Boneless)
片手でボードを掴みながら片足で地面を蹴って飛ぶ。
オーリー(Ollie)
テールを蹴りながら人間がジャンプし、同時にノーズ側に足を擦りあげてボードを浮かせる。
キックフリップ(Kick flip)
オーリーをしながら爪先でデッキを横に蹴って回す。
ヒールフリップ(Heel flip)
オーリーをしながら踵でデッキを横に蹴って回す。
ハンドプラント(Hand plant)
ボードに乗ったままランプや地面に片手を着いて逆立ちする。
スライド(Slide)
デッキをセクションに当てて滑る技。ノーズスライド、ボードスライド、テールスライドなど。
グラインド(Grind)
トラックをセクションに当てて滑る技。50?50グラインド、5-0グラインド、Kグラインド、ノーズグラインドなど。前方はボード、後ろはトラックを掛けてグラインドするトリックもある。体重とボードの掛け方でスミスとフィーブルに分けられる。
インポッシブル(Impossible)
足にデッキを絡ませてデッキを回すトリック。フリースタイルのトリックだったものを、ロドニー・ミューレンがオーリーと複合させた。
スケートボードでは背中側に曲がる(または技をかける対象物が胸側にある)事をフロントサイド(F/S)、腹側に曲がる(または技をかける対象物が背側にある)ことをバックサイド(B/S)と呼称する。回転時の呼称に関してはサーフィンと逆である。ただし、スケートボードの場合、ランページのコーピングなど、対象物の高い位置での動きは、サーフィンのリッピングと同じ名称動きとなる。従って、サーフィンのトップターンを基準にして名称が付けられたと考えるのが妥当である。
用語
ノーズ(Nose) - デッキ前方
テール(Tail) - デッキ後方
レギュラースタンス(Regular stance) - 左足が前になる乗り方
グーフィースタンス(Goofy stance) - 右足が前になる乗り方
スイッチ(Switch) - メインスタンスとは逆のスタンスで乗る乗り方
各パーツ逆さにしたトラック。この状態での上部がハンガー下部がベースプレートスケートボードなどに広く使われる608番ミニチュアベアリング
デッキ(Deck) - 足場となる板。カエデ合板が使われる。(主流な呼び方としてはカナディアンメープルや、メープルと言われる事が多い)
トラック(Truck) - デッキとの固定部分から車軸までを一まとめにした部品。左右に傾ける事で進行方向が変わる。
ウィール(Wheel) - 車輪。ポリウレタン製
ベアリング(Bearing) - ウィール内にはめ込む回転部品。ボールベアリングは大きく分けて、オイルベアリングかグリスベアリングのどちらかを使う。
グリップテープ(Grip tape) - デッキ上面に貼る紙やすり状のすべり止め。
キングピン(Kingpin) - トラックのベースプレートとハンガーを固定するボルト。ナットの締め具合でトラックの動作量を調節する。
ブッシュ(Bush) - キングピンで挟むエラストマー。硬さによってトラックの動作量が変わる。
アクスル(Axle) - ウィールを通すシャフト。トラックのハンガーを当てる技名にも使われる。
アクスルナット - 外側のベアリングを留める為のナット。
ワッシャー- アクスルに通す円形状の部品。ナットとベアリングが直接触れないように両者の中間に入れる。ベアリングとスペーサーの間に入れることもある。
ベアリングスペーサー-ベアリングとベアリングの間に入れる筒状のパーツです