スクロース
IUPAC名
β-D-フルクトフラノシル α-D-グルコピラノシド
系統名(2R,3R,4S,5S,6R)-2-{[(2S,3S,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-2,5-ビス(ヒドロキシメチル)オキソラン-2-イル]オキシ}-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-3,4,5-トリオール
別称.mw-parser-output .plainlist--only-child>ol,.mw-parser-output .plainlist--only-child>ul{line-height:inherit;list-style:none none;margin:0;padding-left:0}.mw-parser-output .plainlist--only-child>ol li,.mw-parser-output .plainlist--only-child>ul li{margin-bottom:0}
Sugar;
Saccharose;
α-D-glucopyranosyl-(1→2)-β-D-fructofuranoside;
β-D-fructofuranosyl-(2→1)-α-D-glucopyranoside;
β-(2S,3S,4S,5R)-fructofuranosyl-α-(1R,2R,3S,4S,5R)-glucopyranoside;
α-(1R,2R,3S,4S,5R)-glucopyranosyl-β-(2S,3S,4S,5R)-fructofuranoside;
Dodecacarbon monodecahydrate;
((2R,3R,4S,5S,6R)-2-[(2S,3S,4S,5R)-3,4-dihydroxy-2,5-bis(hydroxymethyl)oxapent-2-yl]oxy-6-(hydroxymethyl)oxahexane-3,4,5-triol)
識別情報
CAS登録番号57-50-1
無し;分解点 186 °C (367 °F; 459 K)
水への溶解度~200 g/dL (25 °C (77 °F))
log POW?3.76
構造
結晶構造単斜晶系
空間群P21
熱化学
標準生成熱 ΔfHo?2,226.1 kJ/mol (?532.1 kcal/mol)[1]
標準燃焼熱 ΔcHo1,349.6 kcal/mol (5,647 kJ/mol)[2] (高位発熱量)
危険性
安全データシート(外部リンク)ICSC 1507
NFPA 704100
許容曝露限界TWA 15 mg/m3 (total) TWA 5 mg/m3 (resp)[4]
半数致死量 LD5029700 mg/kg (oral, rat)[3]
関連する物質
関連物質ラクトース
マルトース
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
スクロースの結晶
スクロース (sucrose) またはショ糖(蔗糖、しょとう)は、糖の1種であり、砂糖の主成分である。テンサイやサトウキビなどから得られる。なお「蔗糖」の「蔗」は「さとうきび」の意の漢字である[5]。 スクロースは、二糖類に分類される物質(二つの単糖が結合)。グルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)とが、α-1,2-グリコシド結合している。無色結晶、甘味を有する、水に溶けるという二糖類共通の性質を持つ。加水分解するとグルコースとフルクトースを生じる。 水溶性が高く、25 ℃において、1 gの水に2.1 g溶ける[6]。 先進国における主要な甘味料であり、砂糖の主成分である。一般にはサトウキビや、サトウダイコン(テンサイ)から抽出し、純度を高め結晶化したものである。原料としては他にソルガム(モロコシ)とサトウカエデがある。ちなみにショ糖の結晶を大きく成長させると氷砂糖になる。 約170 ℃に加熱すると、カラメル(キャラメル)と呼ばれる褐色の物質に変化する。カラメルは食用となり、独特の香りを持つ。カラメルはカスタードプディングやカラメルミルク スクロースは、小腸壁に存在する消化酵素「サッカラーゼ(インベルターゼ)」によりグルコースとフルクトースに加水分解され(「転化糖」参照)、小腸で吸収されて血流に入る。この反応は短時間で起こるため、血糖値を急激に上昇させる。 スクロースは、健康に悪影響を及ぼすことがある。その代表的なものはう蝕(むし歯)である。口腔内の細菌がスクロースを材料としてエナメル質や象牙質といった歯質を破壊する酸を産生するためである。特に甘味を求め、スクロースの摂取量が増加し、なおかつ口腔内の清掃が比較的行き届いていない子供において問題となる。 また、一般にスクロースはエネルギー(いわゆるカロリー)が高く、肥満の原因になり、糖尿病患者はスクロースの場合も摂取の制限をしなければならない。また、スクロースで180 g程度以上を一気に摂取すると健常人であっても一過性の糖尿[注釈 1]を生ずる可能性がある。この量は、食品成分表のコーラ・缶コーヒー等に示される量を基にすると2.5 リットル前後の量(約1100 kcal)に相当する。 上記のような健康への影響からスクロースを避けたいというニーズに応えるため、代用甘味料がいくつも開発されてきた。しかし、例えばアスパルテームは加熱することで甘みが低下するなど、調理用に砂糖の代替として利用するのが難しいものがある。また、他の健康上の問題をも引き起こすものもあり、その安全性が疑問視されている。 スクロースを塩素化した甘味料にスクラロースがある。これは有機塩素化合物であり、スクロースの約600倍の甘さ(甘味度)がある食品添加物である。 化学式はC12H22O11であり、グルコースとフルクトースがα-1,2-グリコシド結合した二糖類である。組織名はβ-D-フルクトフラノシル-(2?1)-α-D-グルコピラノシド (β-D-fructofuranosyl-(2?1)-α-D-glucopyranoside) である。語尾が「- オシド ( -oside)」になっているのは還元糖ではないためである。グルコースのアルデヒド基とフルクトースのケトン基が共にグリコシド結合のため酸化されず、二糖類としてはトレハロースと同じように例外的に還元性を持たない。なお多糖類には共通の性質として還元性がない。 濃硫酸によって脱水反応が触媒され、単体の炭素が得られる。 C 12 H 22 O 11 → H 2 SO 4 12 C + 11 H 2 O {\displaystyle {\mbox{C}}_{12}{\mbox{H}}_{22}{\mbox{O}}_{11}\ {\xrightarrow {{\mbox{H}}_{2}{\mbox{SO}}_{4}}}\ 12{\mbox{C}}+11{\mbox{H}}_{2}{\mbox{O}}} また、角砂糖に火を近づけても溶けたり焦げたりするだけで燃焼は起きないが、灰をかけて火を近づけると触媒反応によって燃焼が起こる。
性質
人体における消化
健康への影響
代用甘味料
化学的性質
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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