スキサメトニウム塩化物
IUPAC命名法による物質名
IUPAC名
2,2'-[(1,4-dioxobutane-1,4-diyl)bis(oxy)]bis
(N,N,N-trimethylethanaminium)
臨床データ
販売名
スキサメトニウム、レラキシン海外ではアネクチン(Anectine)、クエリシン(Quelicin)
胎児危険度分類
AU: A
US: C
法的規制
AU: 処方箋薬(S4)
JP: 毒薬, 処方箋医薬品
UK: 処方箋のみ (POM)
US: ?-only
投与経路静注、筋注
薬物動態データ
生物学的利用能?
血漿タンパク結合?
代謝偽コリンエステラーゼ
サクシニルモノコリンとコリンに分解
半減期?
排泄腎臓 (10 %)
識別
CAS番号
306-40-1
スキサメトニウム(英:suxamethonium)とは筋弛緩薬の1つ。四級アンモニウム化合物の一つで、医薬品としては塩化物の塩化スキサメトニウム(Suxamethonium chloride)として市販されている。サクシニルコリン(Succinylcholine)の名でも知られる。ツボクラリンの構造をヒントに開発された。悪性高熱症のリスクはあるものの、現存の筋弛緩薬では効果発現時間と持続時間共に最短であり、全身麻酔時の迅速導入に適する。詳細は「迅速導入」を参照
日本での商品名はサクシンだったが、名称取り違えによる本薬品の誤投薬事故があったため(後述)、事故後の2009年にスキサメトニウムと改められた。日本では他にレラキシンという商品名でも販売されている。 神経筋接合部における筋肉終板
概要
気管挿管を容易にするために使用される。精神科の電気痙攣療法の筋弛緩にも使われる[2]。詳細は「気管挿管」および「電気痙攣療法」を参照
動物用医薬品としても利用されているが、捨てられた動物の殺処分(安楽死)のために処方されることがある[3]。 強心配糖体との併用で不整脈を起こす可能性がある。眼内圧亢進作用を有するため、緑内障患者への使用は禁忌。 また悪性高熱の原因の一つと目されているため、近年では麻酔科臨床において使用される頻度は減っている。
効能・効果
麻酔時の筋弛緩
気管挿管時・骨折脱臼の整復時・喉頭痙攣(英語版)の筋弛緩
精神神経科における電撃療法の際の筋弛緩
副作用
供給停止危機と再開