この項目「スカラーポテンシャル」は翻訳されたばかりのものです。不自然あるいは曖昧な表現などが含まれる可能性があり、このままでは読みづらいかもしれません。(原文:英語版 "Scalar potential" 16:36, 8 Feb 2019 (UTC)
)スカラーポテンシャルは、ある位置から他の位置へと物体が移動するときのポテンシャルエネルギーの変化が位置のみに依存し移動経路に依存しないときのポテンシャルである。このときのポテンシャルは方向に依存しない値、すなわちスカラーである。よく知られた例は重力によるポテンシャルエネルギーである。物理領域では特に静電ポテンシャルを指す場合がある。質量が増加した場合の重力ポテンシャル井戸 F = − ∇ P {\displaystyle \mathbf {F} =-\nabla P}
スカラーポテンシャルは、ベクトル解析および物理学における基本概念である(ベクトルポテンシャルと混同する可能性がない場合、「スカラー」という言葉はしばしば省略される)。スカラーポテンシャルはスカラー場の一例である。スカラーポテンシャル P により導かれるベクトル場Fは次のように定義される。 F = − ∇ P = − ( ∂ P ∂ x , ∂ P ∂ y , ∂ P ∂ z ) , {\displaystyle \mathbf {F} =-\nabla P=-\left({\frac {\partial P}{\partial x}},{\frac {\partial P}{\partial y}},{\frac {\partial P}{\partial z}}\right),} [1]
∇PはPの勾配であり、方程式の2番目の部分はデカルト座標 x, y, zの関数の勾配のマイナスである[2]。流儀によっては負号なしで定義する場合もある[3]。勾配に関するこのPの定義のために、任意の点におけるFの方向はその点でのPの最も急な減少方向であり、その大きさは単位長さ当たりの減少の割合である。
Fがスカラーポテンシャルのみで記述されるためには、F は以下の式のいずれかを満たす必要がある。
− ∫ a b F ⋅ d l = P ( b ) − P ( a ) {\displaystyle -\int _{a}^{b}\mathbf {F} \cdot d\mathbf {l} =P(\mathbf {b} )-P(\mathbf {a} )} , ここで積分は位置aから位置bまで通過するジョルダン弧上にあり、P(b)は位置bで決まるPである。
∮ F ⋅ d l = 0 {\displaystyle \oint \mathbf {F} \cdot d\mathbf {l} =0} ,積分は単純な閉路を通るものである。
∇ × F = 0. {\displaystyle {\nabla }\times {\mathbf {F} }=0.}
これらの条件のうち1番目の条件は勾配の基本定理を表し、微分可能な一価スカラー場Pの勾配である任意のベクトル場に当てはまる。2番目の条件はスカラー関数の勾配として表すことができるようなFの要件である。3番目の条件は回転の基本定理を用いてFの回転に関して2番目の条件を再表現したものである。これらの条件を満たすベクトル場Fは非回転(保存場)と呼ばれる。
スカラーポテンシャルは物理学および工学の多くの分野で重要な役割を果たしている。重力ポテンシャルは位置の関数としての、単位質量当たりの重力、すなわち場による加速度に関連するスカラーポテンシャルである。重力ポテンシャルは単位質量当たりの重力ポテンシャルエネルギーである。静電気学においては、電位は電場、すなわち単位電荷当たりの静電気力に関連するスカラーポテンシャルである。この場合、電位は単位電荷当たりの静電ポテンシャルエネルギーである。流体力学において、非回転層状場はラプラシアン場にある特別な場合にのみスカラーポテンシャルを持つ。核力の側面の1つは湯川ポテンシャルにより説明することができる。ポテンシャルは古典力学のラグランジアンとハミルトニアンの定式化において重要な役割を果たす。さらに、スカラーポテンシャルは量子力学における基本量である。
全てのベクトル場がスカラーポテンシャルを持つわけではない。そのようなベクトル場は保存的と呼ばれ、物理学における保存力の概念に対応している。非保存力の例としては、摩擦力、磁力、および流体力学におけるソレノイド場速度場がある。しかし、ヘルムホルツ分解定理により、全てのベクトル場はスカラーポテンシャルおよび対応するベクトルポテンシャルで記述可能である。電気力学において、電磁スカラーポテンシャルとベクトルポテンシャルはともに電磁4元ポテンシャルとして知られている。