スイレン属
1. セイヨウスイレン (上), アカバナスイレン (下)
分類
スイレン属 (スイレンぞく、学名: Nymphaea) は、スイレン科に属する属の1つである。多年生の水草であり、地下茎から長い葉柄を伸ばし、水面に浮水葉を浮かべる。花は大型で水面上または水上に抜け出て開花する (図1)。4枚の萼片と多数の花弁・雄しべ、1個の雌しべをもち、花弁の色は白色、黄色、赤色、紫色など。
スイレン属は世界中に分布し、50種ほどが知られる。日本にはただ1種、ヒツジグサ(未草)のみが自生する。さまざまな種が観賞用に栽培され、また多数の園芸品種が作出されている。園芸用のスイレンは、温帯スイレンと熱帯スイレンに大別される[3]。スイレン (睡蓮) の名は本来はヒツジグサの漢名であるが、日本ではスイレン属の水草の総称として用いられる[3]。英名では water lily (water-lily, waterlily) とよばれるが、一部の種は lotus ともよばれる[注 1]。属名の Nymphaea は、「水の妖精」を意味するギリシア語の νυμφα?α (nymphaia) に由来する[5]。
特徴.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}2a. スイレン属は地下茎から葉柄や花柄が伸びている2b. 地下茎から葉柄と花柄が放射状に伸びている (Nymphaea gigantea)2c. 地下茎の断面 (キバナスイレン)
多年生の浮葉植物であり、地下茎から根を張り、そこから長い葉柄が生じ、浮水葉が水面に浮かんでいる[2][3] (上図2a, b)。地下茎の発達程度は種によって異なり、無分枝または分枝、短い地下茎が直立するものから、長い地下茎が底泥中を横走するものまでいる[3][5][6] (上図2c)。ときに匍匐枝による栄養繁殖が見られ、また地下茎の分断による栄養繁殖を行う種もいる[7]。葉は水中に留まる沈水葉 (下図3d) または水上に突き出る抽水葉であることもあるが、多くの葉は葉身が水面に浮かぶ浮水葉である[2][5][6] (上図2b, 下図3a)。葉身の基部は深く切れ込んで心形または矢じり形であるが (上図2a, b, 下図3a, b)、葉柄が葉裏について楯状になっていることもある[2][3][6]。葉縁は全縁または鋸歯がある[6][5]。