ジーパーズ・クリーパーズ
Jeepers Creepers
監督ヴィクター・サルヴァ
『ジーパーズ・クリーパーズ[注釈 1]』(原題: Jeepers Creepers)は、2001年のアメリカ合衆国のホラー映画。ヴィクター・サルヴァ(英語版)が監督、主演はジーナ・フィリップスとジャスティン・ロングが務めた。タイトルは1938年に発表された同名の楽曲(英語版)に由来し、映画ではポール・ホワイトマン(英語版)が歌うバージョンが使用されている[5]。
2001年8月31日に公開され、製作費1000万ドルに対して興行収入は5937万ドルを記録し、商業的な成功を収めた[3][4]。続編が2本製作されたほか(『ヒューマン・キャッチャー/JEEPERS CREEPERS 2(英語版)』『リターン・オブ・ジーパーズ・クリーパーズ(英語版)』)、リブート映画『ジーパーズ・クリーパーズ:リボーン(英語版)』も製作されている。 23年に一度、23日間人々が消えるという都市伝説が語られる土地から物語は始まる。 春休みに帰省するため、大学生のトリッシュと弟のダリーは車で田舎を走っていた。すると、突然後ろから不気味なトラックに追い回される。パニックになりつつもなんとかトラックは通り過ぎ、落ち着いた所で20年以上前にこの地で行方不明になったカップル、ケニーとダーラのことを思い出す。しばらく進むと、教会のそばに例のトラックが停まっており、そのそばで奇妙な大男が「何か」を地下に続く排水用のパイプに捨てるのを目撃する。捨てていたのが人間ではないかと気になったダリーは、戻って確かめようと言い始める。ホラー映画を引き合いに、危険にわざわざ向かっていく事に反対するトリッシュだったが、「もし自分達だったら」との訴えに渋々同意する。 パイプの所に戻り、中を覗き込むダリーは誤ってパイプの中に転落する。地下に広がる空間を進むダリーは、そこでさっきの布に包まれた少年を見つけるも、腹を切り裂かれておりすぐに絶命する。さらに奥に進むと、そこには壁中におびただしい数の人間が縫い付けられており、その中にあのケニーとダーラもいた。 ダリーはあわててそこから抜け出し、トリッシュと共にすぐにその場を立ち去る。再びトラックを目にした二人は、助けを求めてダイナーに逃げ込む。すると、ダイナーの電話が鳴り響き、取ると何故かダリーの名を知っている謎の女性から「『Jeepers Creepers』の曲が聞こえたら注意して」と警告を受ける。警察に事情を話す二人だったが警察は信用せず、その途中二人の車が荒らされ、ウェイトレスによれば何者かがダリーの洗濯物の臭いを嗅いでいたという。警察は二人を連れて教会に向かうことになるが、その途中あのトラックの大男が現れ警察官を殺害、しかも翼の生えた得体の知れない怪物の正体を現す。二人は逃げ出して猫をたくさん飼っている女性の家で助けを求めるも、また現れた怪物に女性は殺害され、その後何とか警察署に辿り着く。そこに超能力者を自称するイゼル・ゲイ・ハートマンという女性が現れ、二人の見たのが23年の春ごとに23日間人間を襲う怪物だと告げる。彼女こそがダイナーで電話をかけてきた女性であった。 しかし、ついに警察署も怪物の襲撃を受け、二人は逃げ回るもついにダリーが連れ去られてしまう。その後、ある廃工場の一角、そこに目をくり抜かれたダリーがつるされていた。 ※クレジットは英国映画協会に準拠する[6]。 複数の批評家や映画ファンは、『ジーパーズ・クリーパーズ』はデニース・デピューの事件を参考にしていると信じている。この事件は1990年にミシガン州で発生し、デピューが殺害した妻の遺体を廃校舎の裏に遺棄したところを、偶然通りかかったレイ・ソーントンとマリー・ソーントンの兄妹に見られたことで発覚し、司法捜査が開始された[9]。1991年3月20日放送の『未解決ミステリー』で取り上げられ[10]、翌日に発生したヴィックスバーグでの警官隊との銃撃戦の末、デピューは自殺している[11]。映画のオープニングシークエンスは、この事件に類似したものと指摘されている[12]。監督・脚本のヴィクター・サルヴァ
ストーリー
キャスト
パトリシア・"トリッシュ"・ジェンナー - ジーナ・フィリップス(吹替:中村千絵)
ダリウス・"ダリー"・ジェンナー - ジャスティン・ロング(吹替:鳥海浩輔)
クリーパー、禿頭の警官[7] - ジョナサン・ブレック
イゼル・ゲイ・ハートマン - パトリシア・ベルチャー(吹替:片岡富枝)
キャット・レディ - アイリーン・ブレナン(吹替:瀬畑奈津子)
デイヴィス・タブス巡査部長 - ブランドン・スミス
ロバート・ギデオン巡査 - ジョン・ベシャラ
ナターシャ・ウェストン巡査 - エイヴィス=マリー・バーンズ
囚人 - トム・タランティーニ
瀕死の少年 - クリス・シェパードソン
胸に穴が開いた警官 - ウィリアム・ヘイズ(英語版)
クリーパーの犠牲者 - ヴィクター・サルヴァ(英語版)[8]
製作
企画
サルヴァは通常6か月程度の時間をかけて脚本を執筆するが、『ジーパーズ・クリーパーズ』の執筆にかかった期間は1か月程度だったと語っている[13]。彼は「映画で女性が惨殺されたりレイプされるのを見るのは辛い」と語っており、殺害対象者は男性キャラクターになることを考えていた[14]。