ジーザス_(ゲーム)
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『ジーザス』シリーズとは、エニックス(現・スクウェア・エニックス)より発売されたSFの21世紀後半を舞台としたアドベンチャーゲームである。当時としては斬新な映画的手法を取り入れており、音楽はすぎやまこういちが手がけている。すぎやまの作曲したテーマ曲「青い無限」には歌詞もついている。PC版『ジーザス』が発表された後に、ファミリーコンピュータ(以下FC版)へ移植され、さらにPC版発売から4年後に続編の『ジーザス2』が制作された。
ジーザス

ゲーム:ジーザス
ゲームジャンル
SFアドベンチャーゲーム
対応機種PC-8801mkIISR以降(PC88)
X1turboFM77AVMSX2(えむえすえっくす・つー)
ファミリーコンピュータ (FC)
開発元エニックス
発売元エニックス
キングレコード (FC)
メディア5インチフロッピーディスク3枚組
(PC88, X1turbo)
3.5インチフロッピーディスク3枚組
(FM77AV, MSX2)
ロムカセット(FC)
プレイ人数1人
発売日1987年4月28日(PC88)
1987年7月(FM77AV)
1987年11月(X1turbo)
1987年10月21日(MSX2)
1989年3月17日(FC)
スタッフ


原案・シナリオ:雅孝司

音楽:すぎやまこういち[1]

プログラマー:芸夢狂人

グラフィック:眞島真太郎

テンプレート - ノート

『ジーザス』(英語表記『JESUS』)は、コマンド選択型アドベンチャーゲームの初期作品であり、映画の手法を取り入れたと言われる。舞台設定や展開など当時絶大な人気を博した『エイリアンシリーズ』の影響がうかがえる。なお、本作はハレー彗星の有人観測船を舞台とした作品だが、本作が発売された前年の1986年はハレー彗星が地球に接近した他、無人探査機による探査も行われた。
ゲーム内容

操作は基本的にコマンド選択型のアドベンチャーゲームだが、ゲーム途中に、ミニゲームが幾つか挿入されている。いずれもストーリーに関連があるものの、クリアしなくても先に進める物(芸夢狂人作の「スペース・マウス」)と、ミニゲームをクリアしないと先に進めない物がある。なお、音楽が最終的な敵との戦闘で重要な役割を果たしている。
あらすじ

2061年、ハレー彗星の地球接近に伴い、世界中の研究者がハレー調査計画のため、宇宙ステーションジーザスに集結した。目的は、ハレー彗星の尾のガスを採取し、地球の生命のルーツを調査することである。まず、探査船1号機コメット、次いで2号機ころなが調査のためジーザスを出発した。コメットはガス採取に成功したものの、直後に突然交信が途絶えた。主人公である武麻速雄は、連絡を取るため、単身で快速艇いなずまに乗り、コメットに向かった。

コメットに乗り込んだ速雄は、死亡したコメット乗組員を発見した。船内を調査した速雄は、凶悪な地球外生命体に出くわしたものの、唯一の生存者エリーヌと共に辛うじてコメットを脱出し、ころなに帰還した。しかし、ころなに帰還した2人を待ち受けていたのは……
主要登場人物
武麻速雄(むそう はやお
[1]
主人公。日本・東京出身の18歳。探査船ころなのパイロット。銀河戦士養成学校の訓練生で、成績はトップクラス。ゲームが得意。
エリーヌ・シュレマン
コメット乗組員。フランス系。パリ出身の17歳。血液型はB型(FC版のみ)。14歳でソルボンヌ大学理学部数学課に入学した天才的な数学者。楽器の演奏、作曲もこなす。速雄のガールフレンド。消息を絶ったコメットの唯一の生存者。
FOJY(ふぉじー)
人工知能を搭載しており、速雄のパートナーとして、速雄に様々なアドバイスをする。PC版とFC版では出自と設定が異なり(後述)、「ふぉじー」という呼び方はFC版が初出である。電池が切れると一切動けなくなるため、時々、充電器まで運んで充電する必要がある。名前はエニックス(ENIX)のアルファベットを1文字ずつ後ろにずらしたもの。
イワン・ミラコフ
ころなキャプテン。ソビエト連邦(現在はウクライナキエフ(キーウ)出身の31歳。元銀河戦士で、銀河戦士養成所で臨時講師を務めたことがある。速雄はその時の教え子で、彼を乗員に推薦した。
ウィルヘルム・ハイラー
コメットキャプテン。ドイツ系。ライプツィヒ出身の33歳。フンボルト大学出身で元宇宙船パイロット。
朱芳花(しゅ ほうか[1]
ころな副キャプテン。中国西安出身の医者、27歳。日本に留学経験がある。大人の雰囲気を醸し出し、速雄にベッドマナーを教えようと誘惑する(FC版にはその会話は無い)。
アンドレイ・ベリーニ
コメット副キャプテン。イタリア系。ジェノバ出身の29歳。数学、論理学、コンピューター理論、情報工学の専門家。フランスに留学中、エリーヌと知り合う。
ロジャー・カーゾン
ころな乗組員。アメリカ、ヒューストン出身の21歳。ハーバード大学出身の生物学者。
ガルシア・バルカス
コメット乗組員。ブラジル系。サンパウロ出身の24歳。血液型B型。ハンバーガー好きの肥満体。アメリカに星間物質学を学ぶため留学する。一般選抜枠で奇跡的に選抜される。速雄とのゲーム勝負に負け、罰として無茶食いさせられることも。速雄がコメットを調査した際、最初に死体として発見される。
ナハス・アリ
ハレー調査計画総司令官。エジプト系。カイロ出身の48歳。平和運動家として知られる。
他機種版

本作はファミリーコンピュータ版として『ジーザス 恐怖のバイオ・モンスター』も制作されたものの、開発元のエニックスではなく、キングレコードから発売された。登場キャラクターの設定は、ほぼオリジナルと同じだが、FOJYのグラフィックが、無機質な姿からコミカルな姿に変更された(後述)。なお、シナリオの展開及び台詞には若干の変更が加えられ(例:シナリオ後半で一緒に行動するパートナーはPC版では選べるがファミコン版ではエリーヌ固定)、ファミコンユーザー向けという年齢層の都合上、幾つかあったアダルトタッチなグラフィックやシーンが変更、削除された。また、PC版は選択肢次第でゲームオーバーになる箇所が存在したのに、ゲームオーバーになることが無くなった。さらに、PC版ではクリアすることが必須だったミニゲームも含めて、PC版に収録されていた数々のミニゲーム・パズルが削除された。
評価
ファミリーコンピュータ版

ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計28点(満40点)[2]、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は、22.34点(満30点)だった[3]。また、同雑誌1991年5月10日号特別付録の「ファミコンロムカセット オールカタログ」では「大人気だったパソコンゲームの移植でストーリーも音楽もすごくいいぞ。アニメーション処理もありエンディングまでいけばきっと感動するぞ」と紹介された[3]

項目キャラクタ音楽お買得度操作性熱中度オリジナリティ総合
得点4.104.173.453.493.653.4822.34

ジーザス2

ゲーム:ジーザス2
ゲームジャンル
SFアドベンチャーゲーム
対応機種PC-8801mkIISR以降
PC-9801, X68000
開発元エニックス
発売元エニックス
メディア5インチフロッピーディスク
プレイ人数1人
発売日1991年3月24日
スタッフ


ディレクター:芸夢狂人

グラフィック:眞島真太郎

アニメーション:栗本和博

シナリオ:六月十三

シナリオ構成:横倉廣

音楽:すぎやまこういち

サウンド:田口泰宏

プログラマー:竹内信和

技術:日高徹

テンプレート - ノート

前作『ジーザス』の続編として、その後を描いた『ジーザス2』(英語表記『JESUSII』)が制作された。しかし、後述の事情などもあり、制作期間が伸び、発売は前作の4年後の1991年だった。また、PC-8801PC-9801、及びX68000とPCでの発表のみで、コンシューマ機への移植が行われなかったため、コンシューマのゲーム・ユーザーにはあまり存在を知られていない。


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