ジン_(蒸留酒)
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ジン(英語: Gin)
酒販店に並ぶジンのボトル
基本情報
種類蒸留酒
度数37.5度?[注釈 1]
主原料ジュニパーベリー
詳細情報
色透明
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ジン(英語: Gin)とは、ジュニパーベリー(杜松果、主にセイヨウネズ球果)で香りづけをした蒸留酒である。爽やかで辛口の味わいが特徴であり、ジン・トニックをはじめとしたカクテルのベースとしてひろく飲まれている。

ジンの起源は16世紀オランダで誕生したジュネヴァ(英語版)という薬用の蒸留酒である。これはなどの穀物から作られた蒸留酒にジュニパーベリーの香りをつけたものであった。ジュネヴァは三十年戦争から名誉革命を経て「ジン」の名称でイギリス国内に定着し、1720 ? 1751年にかけて「狂気のジン時代(英語版)」と呼ばれる大流行を巻き起こした。度重なる規制を受けてジンの人気は一度下火になったが、1827年の連続式蒸留機の発明によってクリーンな味わいでボタニカル[注釈 2]の風味を重視する「ドライ・ジン」が誕生し、以後のジンの主流となった。その後、アメリカ合衆国に渡ったジンはカクテルベースとして高い評価を受け、マティーニを始めとしたカクテルに用いられるようになる。それゆえジンの歴史は「ジンは、オランダ人が生み、イギリス人が洗練し、アメリカ人が栄光を与えた」と評される。
種類ジュネヴァシュタインヘーガー
ドライ・ジン
広義のジンは蒸留酒に草根木皮を加えて再蒸留した酒であるが、ドライ・ジンはその中でも無色透明かつ甘味のない辛口の酒である[3]。2023年時点、一般に「ジン」と呼ばれる酒のほとんどはドライ・ジンである[4]。主産地がイギリスであったことから、「ブリティッシュ・ジン」や「ロンドン・ジン」とも呼ばれる[3][5]
ジュネヴァ
ジュネヴァはオランダ発祥の蒸留酒であり[6]、これがイギリスに渡ってジンへと発展していった[7](詳細は#歴史節を参照)。大麦などの穀物を糖化、発酵させてポットスチルで2 ? 3度蒸留したのち、ジュニパーベリー等のボタニカル[注釈 2]を加えて再び蒸留して造られる[8]。ジュニパーベリーで風味づけがされているため定義上はジンの一種であるが、原料である大麦の香味が残ったモルトウイスキーに近い重厚な味わいが特徴である[9][10]。詳細はジュネヴァ(英語版)を参照。
オールド・トム・ジン
オールド・トム・ジンは甘味料を添加したドライ・ジンである[11]。基本的な製法はドライ・ジンと変わらず、概して重量の2パーセント程度の砂糖が添加されている[8]。18世紀の雑味の多いジンを飲みやすくするために砂糖を加えたのが始まりである[8]。詳細はオールド・トム・ジンを参照。
シュタインヘーガー
シュタインヘーガーは生のジュニパーベリーを発酵・蒸留して造られるドイツの酒である[12]。風味はジンに近しく「ドイツのジン」と呼ばれるが、製法はジンとまったく異なり[12]、歴史的にもジュネヴァおよびジンと一切関係なくドイツで独自に発展した[13]。香りはドライ・ジンほど派手ではなく、醸造酒のようにまろやかな風味が特徴[14]。詳細はシュタインヘーガー(英語版)を参照。
スロー・ジン
スローベリー(Sloe berry、スピノサスモモの果実)と砂糖をスピリッツに浸漬して作られる酒である[15]。イギリスの家庭でスローベリーをジンに漬け込むようになったのがはじまりで[16]梅酒に近しいところがある酒である[15]。詳細はスロー・ジンを参照。
その他
ノンアルコール・ジン
酒類ではなくなるが、製法や味わいがジンに近い
ノンアルコール飲料(ノンアルコール・ジン)もある[17]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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