ジンダイアケボノ(神代曙、学名: Cerasus × yedoensis (Matsum.) Masam. & Suzuki 'Jindai-akebono')は、日本原産の交雑種のサクラ(桜)の品種である。 1912年に日本から米国のワシントンD.Cにソメイヨシノが贈られて(全米桜祭り参照)、後に米国現地でこのソメイヨシノと別種のサクラが交雑して出来たソメイヨシノの実生から、米国現地名で「Akebono」(アケボノ)と呼ばれる品種が誕生した。1965年、この「Akebono」を日本の東京都立神代植物公園に逆輸入することになったが、既に日本には「アケボノ」という別種のサクラが存在したため、「アメリカ」と呼称されることになった[1]。そしてこの「アメリカ(米国名:Akebono)」を神代植物公園で接ぎ木して育てたところ、1本が「アメリカ(Akebono)」と特徴の違う花を咲かせて、西田尚道により「アメリカ(Akebono)」とは異なる品種であることが明らかにされた。これを原木とし、1991年に種苗法で新品種として登録されたのがジンダイアケボノである。命名者は林弥栄であり、品種名は原木の植栽地と旧名に因む[2][3]。公益財団法人日本花の会によると、ジンダイアケボノの父親となる米国現地でソメイヨシノと交雑したサクラの品種は、形態学の観点から米国の野生種ではなく、日本から米国に渡った日本のサクラであり、ジンダイアケボノは日本のサクラ同士の雑種であると考えられている[4]。 母親がソメイヨシノであるためエドヒガン系の特徴を持ち、ソメイヨシノと同じ傘状の樹形であるがやや小型である。ソメイヨシノとほぼ同時期に開花し良く似た形状の花をつけるが、花弁のピンク色が濃くグラデーションがあり、全体的に鮮やかであることが特徴である[2][5]。 国立劇場のジンダイアケボノ 同左 様々な理由で第二次世界大戦後に大量に植えられた多くのソメイヨシノの樹勢が低下しつつある(「ソメイヨシノ#ソメイヨシノの健康」参照)。ソメイヨシノはサクラ類てんぐ巣病に弱いため、公益財団法人日本花の会では、2009年(平成21年)からソメイヨシノの苗木の販売・頒布を中止し、替わって、てんぐ巣病に強く、開花時期が近く花がソメイヨシノに類似するジンダイアケボノへの植え替えを推奨している[2][4]。配布した苗木は2019年春時点で約17万本に達した。ジンダイアケボノはソメイヨシノより開花が数日早く、花の色が少し濃い。成長した場合の平均樹高は約13メートルでソメイヨシノより5メートルほど低いものの、都市部でも育ちやすい面もある。このため花見の名所を管理する各地の自治体などが、老木となったソメイヨシノを除去し、ジンダイアケボノの植樹を進めている[6]。
目次
1 由来
2 特徴
3 ソメイヨシノの代替品種
4 出典
由来
特徴
ソメイヨシノの代替品種
出典^ ⇒新宿御苑最新情報 春は曙 国民公園協会 2010年4月8日
^ a b c ⇒運命に翻弄される桜、ソメイヨシノ。代打は娘・ジンダイアケボノ!? TBSラジオ 2017年4月5日
^ ⇒ジンダイアケボノ 日本花の会
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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