ジョン・ロジャーズ・サール
John Rogers Searleカリフォルニア大学バークレー校にて撮影(2002年春)
生誕 (1932-07-31) 1932年7月31日(91歳)
アメリカ合衆国・コロラド州デンバー
時代20世紀の哲学、21世紀の哲学
地域西洋哲学
学派分析哲学
研究分野言語哲学、心の哲学、志向性・社会的現実
主な概念間接的言語行為、中国語の部屋、生物学的自然主義
影響を受けた人物
エリザベス・アンスコム、ジョン・L・オースティン、ノーム・チョムスキー、ゴットロープ・フレーゲ、ポール・グライス、デイヴィッド・ヒューム、バートランド・ラッセル、ピーター・フレデリック・ストローソン、ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインなど
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ジョン・ロジャーズ・サール(John Rogers Searle、1932年7月31日 - )は、アメリカ合衆国の哲学者。主に言語哲学、心の哲学を専門とする。カリフォルニア大学バークレー校の元名誉教授。 アメリカのコロラド州デンバーに生まれる。ウィスコンシン大学に入学する。オックスフォード大学講師を経て、1967年にカルフォルニア大学教授に就任。ニクソン大統領時代には大学問題大統領特別顧問としても活動した。 人工知能批判で知られ、強いAIと弱いAIや中国語の部屋という思考実験を提案した。また、言語表現が間接的に果たす遂行的機能(間接発話行為)の研究を行い、ジョン・L・オースティンの後継者と称された。
略歴
1959年より長年にわたってカリフォルニア大学バークレー校で教鞭をとっていたことで知られているが、学内では長年にわたってセクハラを行っており、2019年6月、大学を追放された。 心の哲学についてサールは多数の主張を行っている。サールによれば、意識とは第一者(その意識を所有し、経験している当の本人)からによってのみ接近可能な、存在論的で還元不可能な性質を持っている。例えば痛みという感覚を挙げると、痛みは誰かの主観性によって感じられない限り存在せず、したがって存在論的な主観性を持っている。サールは、第三者から見て観察可能なデータのみを扱う行動主義や機能主義のようなアプローチを、意識の還元不可能性を無視する姿勢だとして批判している。例えばダニエル・デネットによるヘテロ現象学のような姿勢は、意識の存在自体を否定するものだとサールは言う。 サールによれば、胃が胃液を分泌したり、植物が光合成を行ったりするように、脳の生物学的な条件によって意識が生み出される。このような立場は、生物学的自然主義(biological naturalism)と呼ばれることがある。 その一方でサールは、心と身体は相互排他的なレヴェルで存在しているとする伝統に対して批判的であり、心的・物理的というようなカテゴリーはもはや廃棄すべきだと考えている。その一方で、脳と意識の関係を科学的に解明するにあたっては、意識のもつ存在論的で還元不可能な性質(存在論的主観性)を取り残さないことの必要性をサールは強調する。意識は統一された場(unified field)であるという性質を持つことを指摘したうえで、サールは神経科学に対し、その方がより効率的に意識の謎へ接近できるとして推奨している。 『The Construction of Social Reality』(1997年)においてサールは、人間の社会は、個々人の志向性には還元できない集合的な志向性(collective intentionality)によって構築されるものだと考える。例えばある対象を「スクリュードライバー」であると了解するには、その対象の生の現実性(crude reality)とは別の社会的次元において、スクリュードライバーとしての機能を授けるというプロセスが必要である。
心の哲学
社会的現実