『ジョン・ケージ 小鳥たちのために』 (John Cage, Pour les oiseaux) は、ジョン・ケージが1976年に著した書籍。フランスのダニエル・シャルルとの共著。 1970年10月、パリ国際音楽週間で企画された「ジョン・ケージの日々」にて、ケージとシャルルは対談と公開討論を行った。のちに1970年末から71年初頭にかけて、ケージはシャルルと対話を行い、その記録をもとに本書を制作した。ケージの音楽論や芸術論、自作の評価、思想、フランスでの彼に対する批判への反論などが語られている。 書名はジョン・ケージが考えたもので、自分の名前を使った言葉遊び。ケージの姓 "Cage" は、英語とフランス語のいずれにおいても「鳥籠」を意味し、書名は「小鳥たちのための鳥籠」とも読める。 構造と素材 / 方法と形態 / 若い時代の作品 / プリペアード・ピアノ / 沈黙の役目 / 音楽への禅の適用 / 表現性の彼方へ:偶然の使用 時間の解放 / 『易経』 / いくつかの偶然の出来事について / 関係について / 組織化から残るもの / 瞬間、持続、反復 / 自己の超克 / エレクトロ・アコースティック技術と〈ライヴ・エレクトロニック・ミュージック〉 / 空間の重要性?『ミュージサーカス』 / ハプニングの正しい使い方について / アナーキーと有用なもの / 最近のいくつかのコンサートについて / 反政治 / 討論 ビューリック、カウエル、シェーンベルク / 時間の重要性について / フィッシンガーと騒音の問題 / ヴァレーズに対する隔たり / エレクトロ・アコースティック音楽について / ソルフェージュの概念についての議論 / 実験音楽とアナーキー / 関係の批判 / 不確定性とその不安定さ / 生成しつつある世界 ヴァージル・トムソン / 静と動?どこへも向かわずに / 生活としての芸術 / 生の哲学への反論 / スタシスと目的の不在 / 弟子達 / 大学 / マクルーハン:存在するものへの開かれた態度 / 無秩序への意志 / 無心の好機について / 円融無礙 / 無の問題 / フラーと3という数 / 偶然について / 鈴木大拙と『荘子』 / 『易経』について:道教と近代科学 / 騒音と無為に関する議論 / 存在するものすべてに対する責任 / 有用なものの重要性 / 豊かさと不敬 / 自由と実在 インドの美学思想と感情理論 / 普遍性への道?受容 / クーマラスワミへの敬意 / マイスター・エックハルト / アラン・ワッツについて:極東の正しい使い方 / バックミンスター・フラー賞讃 / マルクス主義からの異議 / 討論/アナーキーの意味 / ソローの例 / 牢獄批判 / 詩的生活の必要:ノーマン・ブラウン / 技術に対する態度 / 言語に適用された不確定性:『ソロー・ミックス』 / 『デュシャンに捧ぐ』 / 文字主義について / 〈無限の可能性を秘めた詩〉 / 『サイレンス』から『ア・イヤー・フロム・マンデー』まで / 文字におけるモザイク形態または偶然 / ジョイスの意義 / 声による音楽:キャシー・バーベリアンと『ソング・ブックス』 / 非-線形 デイヴィッド・テュードア:演奏家と作曲家 / テュードアとの演奏旅行 / 作曲における自己の排除 / 『ヴァリエーションズII』の仕事 / 時間を解放する方法として考案された記譜法について / 演奏者の蜂起 / 空間の意味:重視された作品と非-線形的構造 / 録音についての批判:『ヴァリエーションズIV』 / 『カートリッジ・ミュージック』について / 対象物から過程へ / ライヴ・エレクトロニック・ミュージック:構想と演奏に関する問題 『HPSCHD』:レジャレン・ヒラー 画家との関わり:ラウシェンバーグとマーク・トービー 『チープ・イミテーション』:不確定性の消失? / 音楽における他者の存在 / デヴィッド・テュードアへの敬意 / 自我を超えた多数のために / フランスでの状況について / ピエール・ブーレーズとの交際 / 個人主義 / 愛と落着き / サティへの愛着 / 『ソング・ブックス』の主題:サティとソロー / ストーニー・ポイントでの生活 / 菌類学 / 麻薬と同胞愛 視覚的効果と映画音楽 / 『HPSCHD』における音と映像 / 『HPSCHD』の録音 / パリでの『ミュージサーカス』と組織の意義 / 秩序と無秩序;シュトックハウゼンとクリスチャン・ウォルフ / クセナキスについて / 日本と日本の音楽 / 徳への招きとしての音楽芸術について / 聴く修練 / フラー式大学へ向けて / 経済と営利に逆らって / 〈行為〉と生産性のもたらす害 〈ゼロの時間〉と沈黙 / 作品とゲーム / 規則に逆らって?〈祝典〉 / これからの作品 / 秩序と無秩序の両立について / 『易経』と分子生物学 / 豊かさ?量と質 / 世界に住む / 金銭の役割り / すべてはすでに考察された / 多領域にわたる交流について / 灰皿に内在する生?『ヴァリエーションズVII』について / エレクトロニック・エンツァファログラフィー音楽 / シュールレアリスムとダダイズム / リズムと非整合性 ケージにもっとも感銘を与えた10冊の本 / ノーマン・ブラウンの重要性 / 性の問題 / 新道家思想について / 音楽と環境の一致 / 環境と体制 / 音楽、均衡、事物の調和 / アンリ・プッスールの改良主義について / 主観性の超克 / 音楽の世界化 / 革命とシナジー 1981年までのケージの活動を収録。
概要
目次
ジョン・ケージとの問答
ジョン・ケージとの十の対話
第1の対話
第2の対話
第3の対話
第4の対話
第5の対話
第6の対話
第7の対話
第8の対話
第9の対話
第10の対話
あとがき
ジョン・ケージ年譜
主な内容.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}が望まれています。
音楽
不確定性
有用なもの(ユーティリティ)について
書誌情報
原書
John Cage, Pour les oiseaux (1976)
翻訳
『ジョン・ケージ 小鳥たちのために』 青山マミ訳、青土社、1982年。 - 装丁は鈴木昭男、カバーイラストはNana Suzuki